14-因縁の予感-
「43・・・・・・!?」
「ああ。こう見えてな。よく若く見られるけど、俺はこう見えてベテランなんだよ」
「そう・・・・・・ですか」
何だろう、見た目の年齢はまぁまぁ近いのに、実年齢は父くらいあるのが悲しい。
「・・・・・・」
父か・・・・・・。
「で、話を聞かせてくれるか?」
「はい」
隼人が話を始めた。
大体は普通のないようだったが、俺達が出会った犯人の話(すなわちナイフが浮いて、飛んできた話)は、隠して、自分達が殴られそうになった事を話した。
俺は一言も口を出さなかった。食い違いが生まれたり、アイツの筋書きと違ったりすると困るだろうと判断した。
ゴメン、嘘。口を出すなと、隼人に言われたんですよね。いやはや、ホント・・・・・・。
悲しい気分になりました。
「なるほど・・・・・・」
龍兵衛さんはそう言って頷き、双葉を見る。
「やはり情報から考えても、そういう人間が居るようですね」
「だな。雷を落としているのか・・・・・・?」
「・・・・・・」
どうやら警察側も『そういう』事件として処理していくらしい。だが、超能力者という意見では固まっていないらしく、科学の賜物という事になっているようだ。
「1つ、いいでしょうか?」
隼人が聞く。
「何だ?」
「警察はあの中心街で何か起こるとして、配備されていたんですよね?」
「ああ、俺達もそこに居たぜ」
「そうですか。状況に関して知りたかったんです。ちなみに2人はどこ担当だったんですか?」
「ん?」
「龍兵衛さん!情報の漏洩は禁止です」
双葉さんがまだ何も言っていない龍兵衛さんを止める。
「ああ、分かってるけど、言ったって問題ないだろうしな」
と龍兵衛さんは立ち上がった。
そして右手を出す。
「なんとなく、お前らとは因縁になりそうな気がする」
「同意見です」
隼人が握手する。その後、僕のほうにも龍兵衛さんが、手を伸ばす。
その手を俺は右手で取った。
[配置:ロックを確認しました。解除コードの確認後、もう一度入力をお願い致します]
静電気をかけること3倍の衝撃で、反射的に手を離した。
「いって!」
「うお!?」
俺と龍兵衛さんは同時に反応した。
「何だ?静電気か?こんな時期に」
「・・・・・・」
今のはなんだ?一体何が起きたんだ?
「大丈夫ですか?」
双葉さんが俺と龍兵衛さんを心配してくれる。
「まぁ、痛みはあったけど。静電気みたいなもんだろ?」
「彼は昔から静電気関係を溜め込みやすいようです。いつも、ドアノブとかに手を掛けた時に、なっていますから」
隼人がそう言って言い訳する。
「ところで」
さらにそう続けた。少し語尾が強調されている。
隼人の思っていることは・・・・・・俺の体が感じるところでは『焦り』と『予感』だな。
「2人はどこに配置されていたんですか?」
「ああ、その話か。えっと、双葉は中央街の事件が起きたところから100メートルくらい離れた電気街のところだったな」
龍兵衛さんのセリフに、双葉さんは驚愕の表情を浮かべる。『言っちゃった』ってところかな?
「で、俺の配置は確か・・・・・・ああ、そう」
龍兵衛さんの口から出たセリフ。
それが今回の事件を左右する。
「屋上だよ。あの近くのビルのな」
「屋上・・・・・・!」
屋上に配置されていたのは・・・・・・龍兵衛さん!?