表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紡がれ行くあの過去  作者: 榊屋
第一章 始まり始まり、この世界
13/81

13-左手は『創造』を-

 左手は創造することを司る。

 その後、一度拠点に戻り相談する事にした。

 というより、俺の能力について聞きたいらしい。


「あの壁・・・・・・君が作ったんだろ?」

「当然!」

 俺は左手でグッジョブの形をした。

「で、その左手は一体何なんだ?」

「何って・・・・・・『リメンバー・リメイン』じゃねーのか?」

「・・・・・・ああ、違和感の正体が分かったよ」

 隼人はそう言って、指を差した。

「その左手は『リメンバー・リメイン』じゃないね」

「そう・・・・・・なのか」

「恐らく、君の右手の変化に適応できなかった体が、左手に別の情報を与えてしまった。その結果、左右の能力が逆作用になってしまったんじゃないかな」

「・・・・・・なるほどな。お前は、よくそんなこと考え付くよ」

「まぁ、答えがあっているとも限らないけれどね」

 隼人はそう言ってから、それでも自信満々の顔で、寝転んだ。


 ・・・・・・。

 違うんだぜ、隼人。その回答は。

 もしも、そうだとしてもそれは違う。

 変化に対応できなかったんじゃない。それ相応のギリギリの適応状態なんだよ。


 単純に俺の体の中には2つの能力があるだけなんだ。


「これからどうしようって算段だ?」

「まずは、警察へ行こう。僕らが出会った現状について説明するんだ」

「現状って・・・・・・ナイフが宙を舞ってこっちに飛んできたなんて、誰が信じるんだよ」

「そっちじゃない。僕らの目の前が光って、後ろから殴られたことだよ」

「ああ・・・・・・そっちか」

 忘れていた。そういえば、俺、殴られたんだった。

「でも、雷が落ちてきた事なんて信じるのか?」

「恐らくだけど、最初の事件や君や僕のときに『目撃者』はいたはずだろう。いくつか、証言があるはず。それに、最悪、君が殴られた事を口実に事情聴取させてもらえる。その時にこちらから質問させてもらおう。今は少しでも情報が欲しい」




 警察署内。

 初めて来た。

「・・・・・・何か・・・・・・思ったより普通だな」

「刑事ドラマの見すぎじゃないのかい?まぁ、人の期待や願いなんて、僕らみたいなのじゃない限り、叶えられる事も無いよ」

「だな」

 俺はそう頷いてから、隼人の後ろを歩く。


 隼人がロビーの警察の方に話をつけている間、俺はソファーに座っておくことにした。何しろ交渉関係には滅法弱いので。


「おい」

 横から突然声を掛けられた。

「お前ら、何しに来たんだ?」

 2人の青年・・・・・・新米だろうか?若々しい警察官が言う。

「ちょっと、中心街での落雷事故でのことで・・・・・・」

「ソイツなら、俺たちの担当だ」

 警察官の1人はそう言って、ロビーのところに行って

「コイツらの話を聞く。外のどっかで訊いて来るから、取調室はそのまま他の奴等のこと聞いておいてくれ」

 と伝えると、隼人の頭を軽く叩いてから、こちらにやってきた。

「喫茶店行こうぜ。話しはそれからにしよう」

 その警察官はそういうと、

「おっと、自己紹介を忘れていた」

 と言って、こちらに向き直った。

「コイツは、新米刑事の、双葉」

 そう紹介されたもう一人の刑事はこちらにぺこりと頭を下げた。


「俺は、各務原かかみがはら 龍兵衛りゅうべえだ。よろしくな」


 これが、しばらく世話になる。龍兵衛さんとの出会いだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ