表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Dragon  作者: ユメミヅキ
2/9

#1

 パァーン……


 薄暗い森の中、突然の音に驚いた鳥達が一斉に飛び立った。

「よしっ行け!」

 猟銃を肩に掛けながら男は犬の尻を叩く。犬は吠えながら駆け出した。

「あっおい待て、そっちじゃない!」

 獲物とは全く別の方向へ向かった犬を追う。慣れてはいても、やはり木の根が這ったりと足場の悪い場所は走りにくい。ようやく犬が止まり追い付いた頃、息はすっかり上がっていた。

「ハァッハァッ……勝手な所行くなって、何度も、言ってるだろ……」

 男は膝に手を付いて呼吸を整える。いくらか落ち着き、顔を上げた。

「ん?」

 犬が鼻先でつついている物に気付いた。茶髪の青年が右側を下にして俯せ気味に倒れている。辺りには、血の臭い。

「どうした? 怪我してんのか?」

 言いながら、青年を揺すった。しかし反応は無い。

「死んでんのかな?」

 男は青年を仰向けに転がした。

 まず目に入ったのは、顔の緑色の鱗。それから、橙色がこびりついた腹の傷口。

「竜人……!?」

 男は大きく後退った。その時、青年が微かに身動ぎする。男は慌てて青年に駆け寄り、脈を取った。

「生きてる……」

 少しためらった後、男は銃を体の前に回して青年を肩に担ぐ。

「帰るぞ」

 犬に声を掛けて歩き出した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ