第一話
あまりにもプロローグが短すぎたので、第一話も投稿させていただきます。
「なぜお前はそんな目をしている?」
組織に連れてこられたとき彼からそう尋ねられた。
「冷徹かつ死にたがりのその目。だが、3人の大人をたった一人で葬ってみせた。なぜだ? お前自身はどうしたかったのだ?」
知らない、そう答えた。
「なんとも変わったやつだ。面白い。これからお前は私の側近の部下となり、私の護衛をしろ。わかったな、ネメシス」
私は頷いた。
数年後。組織は前より一層勢力を上げていた。
「おい、あれって……」
「『あれ』なんて軽々しく口にするな! ネメシス様だぞ!」
「あの、10歳にして組織の長の直属部隊に入ったっていう天才少女!?」
「ずっと長の部屋にいるから普段めったにお見えにかからないよな」
最近、周りの人たちがそう囁くのをよく耳にする。
まあ、私にはそんなことはどうでもいい。
「それにしても――――」
「美しく育ったな。ネメシス」
目の前にいるのは、組織の長。最初にあった初老の男性だ。
「光栄にございます」
本当にこの頃は周りから美しいやら綺麗やら言われるようになった。
私は自分のことを一度もそのようには思ったことはない。
そんな言葉は周りにある空気となにも変わらない。私は淡々と言葉を並べるだけだ。
「相変わらず感情が欠落している。まあそのほうがこの仕事には向いているが……」
ハアとため息をつき、右手で顔を支える仕草をする。
「今回はどのような任務で?」
「ああ、今日からお前は一旦私の護衛を中断し、ある者の護衛をしてもらう」
「そのある者とは?」
「ある企業の社長の息子だ。その社長が不治の病にかかってな。遺産はその息子のものだが、それを横取りしようとする輩がたむろしているそうだ」
パラッと渡されたのは、その親子に関する情報をまとめたリストだった。
「私がその者を護衛するのはなにか意味があるのでしょうか?」
「父親の遺産や財産を我が組織の糧にするからだ」
それはつまり――――。私はすぐさま理解した。
「その者は組織を肥えさせるための『餌』ということですか?」
私がそう言うと長は慈父のような笑みを浮かべた。
「良き報告を期待しているよ」
この仕事が苦だと思ったことはないが、楽だとも思ったことはない。
命令通りに邪魔者を抹殺し、その度に証拠隠滅しなければならないからだ。
しかし、その分服も汚れたら洗えるし、食料にも困らないし、酷い扱いを受けることもない。
幾分か、私の生活は “満たされている” のだろう。
もしこの組織に来なければ、私はあのまま死んでいた。
私の居場所はここにしかないのだと思っていた。
第一話はどうでしたか?
感想はもちろん改善点、工夫点等もあれば教えてください。
何卒よろしくお願いします。




