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3 保存するという発想
第一部 知識は神より速い
第二章 村の再生
半年が過ぎた頃、
ようやく畑に変化が出始めた。
量が増えた。
だが、問題は別にあった。
腐る。
余った分が、
すぐに無駄になる。
村人たちは、これまでと同じ判断をした。
「たくさん獲れたら、たくさん食う」
冬のことは、
その時に考える。
レオンは止めた。
「乾かしてください」
「塩を使ってください」
「火を使ってください」
保存。
その言葉自体が、
村ではあまり使われていなかった。
食べるか、捨てるか。
それだけだった。
最初は失敗も多かった。
腐る。
固くなる。
味が落ちる。
だが、
少しずつ、形になっていく。
「……冬まで持つな」
誰かが呟いた。
レオンは頷いた。
「売れます」
その一言で、
空気が変わった。




