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1 まだ、村にはやることがある

第一部 知識は神より速い

第二章 村の再生

病が止まっても、村は救われない。


それが、レオンの最初の結論だった。


倒れる人間が減っただけで、

畑が増えるわけでも、

食糧が湧くわけでもない。


「助かったな」


村人はそう言った。

だが、その言葉に余裕はなかった。


助かった“だけ”だ。


次に何か起きれば、また同じことになる。


長老が言った。


「村が、このままでは終わる」


若者は出ていく。

畑は痩せている。

病が出れば詰む。


外貨を稼ぐ手段もない。


レオンは、すぐには答えなかった。


頭の中では、すでに手順が組み上がり始めている。

だが、いきなり出せば誰もついてこない。


必要なのは、順番だ。


「時間が要ります」


レオンは言った。


「どれくらいだ」


「……一年半」


長老が眉を動かす。


「そんなに?」


「はい」


レオンは淡々と続けた。


「まず、作れる量が必要です」

「作って、余らせて、初めて売れます」


村人たちは顔を見合わせた。

一年半は、短くない。


だが、反対は出なかった。


もう一つの選択肢は、

このまま静かに衰えることだったからだ。

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