表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

妻が娘を産んで直ぐに亡くなって、”僕は突然シングルファーザーになる!“

作者: 七瀬





妻が娘を産んで直ぐに亡くなって、”僕は突然シングルファーザーになる!“




ある日、妻が子供を身ごもり子供が産まれた直後に妻が亡くなった。

そして、残された僕と娘の生活がはじまった!

僕はどうしていいのか分からないトコロからはじまり、僕の母親に

たまに娘を任せることもあった。

いろいろ子育ての事を聞いて、僕なりに娘を育ててきたつもりだ!

でもまだ幼い娘が高熱を出し夜中、夜間に救急外来の病院に

幼い娘を汗だくになりながら連れて行き、点滴を打ってもらい熱を

下げもらった時に、僕はその病院の医師にこう言われてしまう。

”あと15分遅かったら、亡くなっていたかもしれません“と言われる。

僕は子供の病気を少し甘くみていたんだと思う。

この時、僕の考え方は完全に変わり娘を第一に考えようと決めたんだ!

どんな小さなことでも、娘に起きた事はひとつひとつネットで調べたり

本屋に行って、”子育ての本“を買って調べたりもした。

そのおかげもあって、娘はスクスク成長していく。

ただ”男の僕が分からないところは、僕の母親や妹に頼んで娘が

成長していくうえで必要な事をしてもらった。“

例えば? 女性特有の生理現象だったり、体の変化だったり、

思春期に入ると? 娘は僕と少しづつ話さなくなっていった。

それでも洗濯は僕と一緒でイイと言ってくれた娘。

一緒にお風呂に入っていたのも、娘が小学校3年生の時までだった。

それからは娘は一人でお風呂に入るようになる。



『”ねえパパ! 今日からお風呂は寧音葉一人で入るからパパは入って

来ないでね!“』

『・・・あぁ、ううん、分かったよ、』




娘の成長を感じれるのは凄く嬉しいのだが、寂しい気持ちにもなった。

まだ僕の可愛い娘でいてほしかったなと思う事があるからだ!

ただ娘が中学生になると? 反抗期なのか、学校が終わっても真っ直ぐ

家に帰って来なくなった。

娘が言うには、”女友達の所に寄っていた“ というのだが、

もう父親である僕は娘が心配で心配で仕方ないのだ!

僕と話さなくてもせめて、僕の母親や妹にはいろいろ話てほしい!

僕の知らないトコロで娘に何が起きているのか分からない事が一番怖いのだ。



『”なあ、寧音葉! 少し家に帰って来るのが遅くないか?“』

『パパウザイよ! 別にいいじゃん!』

『パパは寧音葉の事が心配で心配で、』

『それがウザイって言うの! なんかあったらパパに言うから、

心配しないで!』

『・・・あぁ、ううん、』





・・・僕は反抗期の娘にそれ以上は強く言えなかった。

いろいろ娘に聞きたい事はあるのだが、父親の僕が娘にこれ以上

言うと嫌われてしまうんじゃないかと強く言えないのだ!

ただ変な事だけに巻き込まれていなければいいとだけ想っている。




そんな時、娘が顔にケガをして家に帰って来た。



『”ど、どうしたんだ? 誰かに叩かれたのか?“』

『”ただ転んだだけだから。“』

『本当なのか? 誰かに叩かれたんじゃないのか! 寧音葉に

何かあったら、パパは一体どうしたらいいんだよ!』

『もおーそう言うのがウザイの!』

『寧音葉、寧音葉!』

『・・・・・・』





僕は妻が亡くなって、”再婚を一度もせず娘を男一手で育ててきた。“

別に再婚したくなかった訳じゃない。

娘を一人で育てると決めてからは、【再婚】するという考えが僕の中に

全くなかったのだ!

その選択肢が一切ない!

今もそうなのだが、好きな女性がほしいとかもう思わなくなった。

娘が一人前の大人になるまでは、僕が責任を持って娘を育てると決めたからだ!







 *







・・・でも? 娘が24歳の時に娘が僕に、”パパに会わせたい人が居るの“

と言われて連れて来た人が、今の娘の夫になった男性ひとだった。

娘が彼と一緒に暮らしはじめその後籍を入れ、結婚式を挙げて、

今、娘のお腹の中には新しい命が宿った。

僕はもう直ぐお爺ちゃんになるのだ!

孫ができる。

娘のお腹の子の性別は、どうも男の子らしい。

初孫が男の子で無事に母体満足産まれて来てくれたら僕はそれでいい!

娘の顔が日に日に、”母の顔になっているのを見ると“ 妻が娘を産んだ

時の事を思い出す。

それに、娘の成長を見てきた僕は幸せだ。

僕の亡くなった妻も、きっと娘の今の顔を見たら?

僕と同じ事を想うだろう。

”僕の娘は僕の自慢の娘です。“







 *




【ウギャー ウギャー ウギャー】

『産まれた! 産まれたよ。』

『元気な男の子ですよ~』

『良かったな、寧音葉! 産まれたよ、男の子だー!』

『”パパも今日からお爺ちゃんね!“』

『そうだな。』

『パパ、今まで私を男一手で育ててくれてありがとう。』

『・・・ね、寧音葉、』

『パパの子として産まれてきて私は凄く幸せよ。』

『寧音葉! パパもだよ。僕の娘が寧音葉で良かった。』

『これからも元気に長生きしてね!』

『なんだよ、やっとじぃじぃになれたばかりじゃないか。』

『そうだね、いっぱい息子を可愛がってね。』

『あぁ!』



最後まで読んでいただいてありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ