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第4話「俺の妹がこんなにキモい」④

◇まえがき

※重要なお知らせ※

先日発表した朝日奈フィリアこと夜陰ママの設定ですが

あまり大きすぎるとそれはそれで大衆受けが悪いかと思い、39㎝と言う設定でしたが

昨今の多様性に配慮する社会の動きを鑑み、マニア向けを意識し、とりあえず42㎝のMカップに変更いたしました(これによりB=112になります)。

 その後、私とシロちゃんはなんだかんだとかなり長く話し込んでしまった。


 最初はたどたどしい喋り方だったシロちゃんだったけど、話していくうちに口も滑らかになって、私はこの子と打ち解けることが出来たんだと思うようになった。



「え、えへへ……凄い話しちゃった……。け、結局1度もオ○○ーしてないな……」


「えっ、あ、ごめん……。その、私ったらつい……」


「ふ、ふへへ、別に……こ、これはこれで、楽しかったから……」



 シロちゃんはモジモジとしながら、引きつった笑みを浮かべた。苦笑いと言うよりかは、単に笑顔が下手で、だからこそ、こんな歪な表情になるのだな、と言う感じだった。


 ふと、私はシロちゃんの机の下に、大きなデスクトップPCがあることに気が付いた。



「あ、ゲーミングPCだ。シロちゃんゲームもするんだね」


「あ……げ、ゲームは……大好き……。小さい頃から、ハマると徹夜でやりこんじゃってさ……」


「へぇ。どんなゲームしてるの?」



 私がなんとなく尋ねると、シロちゃんも、「ああ、えっと、FPSとか、MMORPGは結構やってる。あと、最近なら、『ワカワカファンタジーⅩ』とか、『ゾンビハザードRE:4』とか、あと『龍の極み』とかもやったかな……」と、なんとなくと言う感じで答えてくれた。



「へぇ! 色々やってるね! それにしても、凄いね。シロちゃんがやってるゲーム、私が追いかけてるVTuberさんと同じラインナップだ」



 私はふと、そんなどうでもいいことに気が付いて、なんとなくそれを伝える。途端、シロちゃんはいきなり風邪を引いたようにガタガタと震え出して、「へ、へぇ〜〜〜〜〜〜」と、健康器具のようにブルブルとした声を出した。



「ぶ、VTuberとか、見るんだね。お、追ってるって、やっぱり大手事務所の『ごじだつじ』とか『イトライブ』とか?」


「ん〜。大手の人たちももちろん面白いんだけどね。私が好きなのは、マイナーなんだけど、個人勢の『黒乃木(くろのき)白亜(はくあ)』って人かなぁ」



 シロちゃんは私の推しのVを聞いて、「へぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」と一層震えを強くした。どうしたんだろう、一体?



「し、しししし知らないなぁそんな人。ど、どどどどういう人なのノ?」


「えっとね……チャンネル登録者数は10万人くらいで……あっ! 一番わかりやすい話があった! 昔、白亜さんが『スプラッシュ・ドーン』をやっていた時ね! あまりに白熱し過ぎて、トイレに行くのを忘れて! それで白亜さん、配信中におしっこを漏らしちゃったの! マイクが音を拾っちゃうくらい強烈でさ!」



 私がウキウキと話すと、シロちゃんは突然床に向けて頭を打ち付け始めた。

 金槌で地面を殴りつけるような衝撃が響き、私は「うわぁ、シロちゃん! どうしたの急に!?」と驚き慄いた。するとシロちゃんは突然落ち着いて、「なんでもないよ」とにっこり笑った。



「あはは、配信者さんを追うのって楽しいよね。私はごじだつじのカナシィさんを追ってるかな。声が甘くて好きなんだ」


「男の配信者さんね! 私が追ってる白亜さんは女性なんだけど、何よりもワードセンスが面白くってね。なんて言うか、炎上してる話題に触れてる時とか、ネットあるあるとか、そう言うブラックな話題になるとめちゃくちゃ皮肉が出てきて、それが笑えるって言うか」


「へぇ~、意外だなぁ。夜陰ちゃんそう言う人も好きになるんだね。あ、ワードセンス面白いと言えば『サラミ』さんなんかも良いよね。お上品な喋り方の割に勢いあるし」


「勢い、大切だよね! 私が追っている白亜さんも喋りの勢いが凄くてね! 特に下ネタ言っている時はすっごいイキイキしてるんだよ! うんことかちんこしか言っていないのにその勢いで笑えるって言うか!」



 私がウキウキと白亜さんの話をすると、突然シロちゃんは口から「ごふっ」と血を吐いた。



「ぎゃあ! だ、大丈夫シロちゃん!?」


「な、な、なんでもないよ。それにしても、下ネタかぁ。VTuberさんって意外と下ネタに寛容な人多いよね。あ、下ネタと言えばさ。私好きなエロ漫画家さんがいてね。おねショタがすごい有名な人でね、毎回お姉さんの柔らかさと、何よりショタっ子のもちもちっぷりがかわいくてね……」


「それで、その白亜さんの下ネタもヤバくってね! 確か、なんだっけなぁ。さっきのスプラの件でおむつを着けるようになったんだけど、色々探っているうちにこだわりが出て来たらしくってさ。なんだっけなぁ……そうそう、確か、おむつの種類によって健康器具の感度が変わるって……」



 私がニコニコと話しをすると、シロちゃんは突然自分の顔を勢いよく殴り始めた。



「ぎゃあ! ちょっと、どうしたの!? 突然パンチドランカーにでもなったの!?」


「夜陰ちゃん、もしかしてわざと? たぶんもうきっと察しているよね?」


「へ? なにが?」


「え? あ、知らないのなら別にいいよ。知らないのなら、うん。別に」



 シロちゃんはやけに冷や汗を吹き出して、とてもとても歪な笑顔で私に受け答えた。なんでこんなにも苦しそうな顔をしているのだろう?


 まあいいや。私は楽しさに身を任せて、更に白亜さんの話をする。



「それでね、白亜さんはね、かな~りぶっちゃけ話が多くってね! それがもう、イチイチ楽しいの! 本人曰くまだJKらしいんだけど、実年齢29歳なんじゃないかって言うくらいネット民の知識が豊富でね! あ、そうだ、ちょいちょいアニメキャラの声マネ動画とかをあげてるんだけど。この下ネタ動画が大バズリしてね、」



 私がうきうきとYouTubeのお気に入りに入れている動画を開くと、シロちゃんは血の涙を流しながら「ぎゃああああああああッッッ!」と叫び出した。



「きゃあ! どうしたのいきなり! そんな貞子みたいな声あげて! 大変だよ、ヒトじゃなくなっちゃうよ!」


「いっそ殺して! 君、絶対わかってるよね!?!?」


「だから何をなの!?」


「私が! 君が推しているVの! 黒乃木白亜だよ!!!!!」



 シロちゃんがやけくそ気味にコノヤロウと叫ぶ。私はシロちゃんの言葉を聞いて、しばしぽかんと口を開き、



「――。……ええええええええええええええええ!?!?!?!?!?」



 あまりの衝撃に、家中に響くような叫び声をあげた。

◇あとがき

どうでもいいですが、シロちゃん(白亜)のエピソードの元ネタは、マ○タードさんと息根とめるさんです。

僕の個人的な推しだから、よかったらみんな見てね!

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