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現状とこれから

 何か懐かしい夢を見ていたような気がする。心が暖かいもので満たされている。頭がまだぼんやりとするが、目を開けると心配そうに俺を見つめる二人の美しい女性がいた。


「良かった。気が付かれたのですね。お体は大丈夫ですか?」


 そう言われて全身に意識を向けるが特に問題は無いようなのでベッドから体を起こし、二人に笑顔を見せて、返答とする。


「安心致しました。そして、まずは私達姉妹の命とこの都市アルディアを救っていただいたこと、本当に感謝致します」


 そう言って頭を深く下げる目の前の女性。

 俺も自分の目的もあってやったことだし、そこまで気にすることではないと思うが。


「そんなことないよ、俺は俺の都合で動いただけなんだから。それと聞きたいんだけど、君達がガーディアが話していた俺を召喚した二人の王女様かな?」


 二人は頷き、そして答える。


「はい、その通りです、アマネ様。私達があなたをこの世界に召喚したオースティア王国第二王女クレスティアルと」


「第三王女アスティアリカと申します」


 なるほど、この二人の王国の王女が俺を召喚した人間で間違いないようだ。


「そっか、まずは俺のことを介抱してくれてありがとう。それと俺が身につけていた鎧を二人が外してくれたのかな?」


 俺の質問にクレスティアルと名乗った女性が答える。


「私達がアマネ様から受けた御恩に比べたら微々たるものです。それと暗黒鎧ガーディアでしたら、アマネ様の右腕に着いている腕輪の状態になっております。この王国に残る文献によると、ガーディアは装備者の意思によって、鎧の状態と腕輪の状態を自由に変えることが出来るようです。それと装備者の魔力が一定以下になると腕輪の状態になるようです」


「なるほど、つまり俺はその魔力とやらを使い過ぎて気を失っていたと言うことか。ありがとう。だいたい今ので現状は理解出来たよ。そうすると俺はこれからどう動けば良いのかな?」


「誠に勝手ながら、アマネ様にはガイラル帝国に奪われた、デルドア、ガラハドの両都市の奪還と、戦争の終結への協力をお願いしたいと考えています。何卒、ご協力お願い出来ますでしょうか?」


 クレスティアルがそう言って、アスティアリカと二人でまた頭を下げた。


 このまま戦争が続けば、リュウヤとナナを探すのが難しくなる。俺にとっては二人と王国に協力すること自体にデメリットはほぼない。


「分かった。俺は王国に協力するよ」


 すると二人は驚いた表情を浮かべた。


「驚いてしまってすみません。まさかそんなにあっさりと了承して頂けると思ってもいなかったものですから」


「俺にもこの世界で目的があるからね。そのためには二人に協力して、その戦争とやらとを終わらせるのは俺にとっても都合が良さそうだから。そんなに簡単なことだとは思わないけど、俺には選択肢は一つしかないんだ」


「ありがとうございます。まず最優先すべきは、この砦の立て直しになります。それまでの間はアマネ様にはこの都市内てあれば、ある程度自由にして頂いて構いません。それにベルトールを撤退させられたのは初めての出来事なので、帝国も迂闊には攻めてこないと考えられます」


「なるほど、大体分かったよ。これからよろしく頼むよ、クレスティアル、アスティアリカ」


「こちらこそよろしくお願い致します。それと私達のことはクレアとティアと愛称でお呼び頂ければ幸いです」


「分かったよ、クレア。なら俺のことも出来れば呼び捨てで呼んでくれると助かる。砕けた感じで話せると俺も嬉しいな」


「フフフ、そう言っていただけるのであればそうさせてもらおうかしら。歴史書では召喚者を敬うのは当たり前のようだったから。アマネのような人が来てくれて本当に嬉しいわ」


 そう言ったクレアの笑顔はとても美しかった。


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