表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/9

王女クラスティアル

 私はアースティア王国第三王女クラスティある。双子の妹であるアスティアリカと共に王国の都市アルディアの砦に居ました。


 私達の王国は同じ大陸にある東にあるガイラル帝国と長きに渡る戦争が続いていました。


 近年帝国軍は力をつけてきていて、帝国軍優勢と言う状況にあり、つい先日アルディアの東にある都市デルドアが帝国に奪われかなりの劣勢に陥っていました。


 その報せが王都まで届き、私の父である国王はアルディアを守るために王国軍軍師であるラムダと、初の女性騎士団長カトレアに兵を与えアルディアに向かわせるとのことでした。


 しかし、デルドアとアルディアの距離は近く、おそらく援軍は間に合わないと思った私達は、王家に伝わる召喚術を双子の妹であるアスティアリカと共に行うことにしました。


 召喚にはいくつかの条件があり、帝国軍がアルディアの砦に辿り着く前に何とか召喚の儀式を間に合わせ、妹と二人で詠唱を開始しました。詠唱が無事に終わり召喚は成功したように感じていましたが、この部屋には直接は現れませんでした。


 焦っていた私たちのところに、帝国軍の兵士五人が部屋に侵入してきました。何とその中には帝国軍最強の男でありなおかつ召喚術をも使えるという、ベルトールの姿もありました。


 アスティアリカが防御障壁を展開し何とかベルトールの魔法を防ぎましたが、私達の護衛の騎士達はやられてしまいました。


 アスティアリカの障壁は強力ですが継続時間は長くはありません。絶体絶命だと思ったその時、部屋の扉から漆黒の全身鎧ガーディアを装備した人が入ってきました。


 その人は一瞬で帝国兵四人を斬り伏せ、さらにはあのベルトールをも撤退させてしまいました。その時の私達の安堵感は言葉には表せません。


 その方に御礼をお伝えしようと近づいた時、その方は倒れてしまいガーディアが解除され腕輪の状態になりました。


 気を失っているようでしたが、王国には存在しない黒髪の整った容姿。まず間違いなくこの方が私達の召喚した方でしょう。


 近くに居たアスティアリカも同じように思ったようで、私に声をかけます。


「クレア姉様。きっとこの方が召喚者ですよね?」


「ええティア。ガーディアを装備していた点、さらには黒髪。間違いないわ。まずは砦の生き残った者を集め、この方を客間のベッドに運び介抱しなければ」


 ギリギリの所で繋いだ命。何とかここから帝国へ反撃するために、まずはこの方の協力を得られるよう尽力しなければいけませんね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ