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recorder  作者: 白木 一
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April fool.

 『嘘つき』と言われて、私の心が傷つかなくなったのは、どれくらい前からのことだっただろうか––過去を思うなんて、私らしくはないかもしれないけれど。昨日の出来事のように記憶しているそれについて感傷的になってしまったのは、今日が四月一日、すなわちエイプリルフールだから。

 罪のない噓は許される、そのエイプリルフールで、私は『嘘つき』になった。本当に昨日のことだったかもしれないし、一年前か、もしかすると何年も昔の話だということもありうる。記憶の整理が追いつかず頭の中がごちゃごちゃしているけれども、過去に起きた事件のせいで、私は不名誉な称号を得ることになってしまった。自分の気持ちに正直になろうとしたのに、気づけば独りで旅をしている。行く先々で『嘘つき』と後ろ指をさされ、あてもなく世界中をさまよう日々が続く。

 また四月一日になった。私の最も好きだった、そして今は最も嫌いな日。

 罪のない嘘だと判断するのは誰だろうか。そんな人がいるのなら、今の私を見たとき思うだろう。私はエイプリルフールには似つかわしくない犯罪者だと。

 私は、エイプリルフールと嘘つきが、大嫌いだ。

エイプリルフールで嘘をつきますか?

こんにちは、白木 一です。

私は、家族に、どうでもいいような冗談を言います。

嘘をついてもいい日ということは、本当のことでも信じてもらいにくい日でもあるのではないでしょうか。

いっそのこと、次の四月一日以前に何か大きな出来事が起これば、四月一日に周囲の人に言ってみるのも面白いかもしれません。例えば、結婚や離婚、妊娠、宝くじ当選など。

本当だと信じてもらえるのか、嘘だと思われるのか。

悪意を持ってつく嘘はいけませんが。

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