心中、お察し致します
苦い毒さえ甘くしてくれるものがあるとするなら
それは君からの口付けだろう
盲目的過ぎて最早笑い話だ
それ程に 君を愛す
嗚呼 艶やかに膨らんだ唇の合間から漏れる
其の溜め息さえも飲み込んで仕舞いたい
例えどんな牙が其処へ潜んで居ようとも
君の為なら此の身は惜しまないから
君を抱き締めてあげよう
もっと体を寄せ合って居よう
もう君が 恐がらなくて済むように
君が落としたもの達が 鋭い月光に照らし出される
崩れ落ちるようにしがみつく君は涙を堪えるけれど
大丈夫 シャツを汚す事くらい誰にでもあるだろう
増して それが君の涙なら大歓迎さ
ほら、右手と左手 ちゃんと繋いで
口を開けて御覧
とても幸せになれる一滴
ゆっくりと重ねた舌の上で広がるのは
僕達の病気に効く特別製
「心中、お察し致します」