パーティー"混沌の渦"
「正式なパーティーネームをつけちゃったほうがいいと思いますよ」
サリシアはそう言ってから別の仕事があるということで一階に降りていった。
エルネシアも舌打ちを連続でしながら我を威嚇しつつ去ったので、ようやくパーティーの話をすることができる。
それにしてもエルネシアめ。神官志望のくせに品位がなさすぎるぞ。
あれでは当分神官もどき戦士のままであろう。自業自得だ。
「何がいいですかねえ」
「うーん」
フェイとアリスは頭をつき合わせて考え込んでいる。
思ったより仲がいいな。
「ヨーハン様と愛人団・・・・・」
「バカじゃないの?バカじゃないの?バカじゃないの?」
「ひどいです・・・・」
「ハイデンベルク氏の愛の園、とか、もうちょっと考えた名前にしなさいよ」
「いいですね!」
いい部分がない。
「名前は考えた」
「え?もうですか?」
「教えてください!」
「混沌の渦、だ。」
「え?どういう意味ですか?」
「ヨーハン様がそう言われるならいいですけど・・・」
全くピンときていないな。
お前たちはすでにその教団に入信していて、司祭と助祭なのだが。
「ところで、フェイは体調に変化はないか」
「え、別に・・・・?むしろ調子がいいくらいですよ?すごく」
「ステータスを見てみなさい!調子がよすぎる時はちゃんと確認しないとすごいことになってるのよ!」
アリスが己を省みずに言った。
「はーい。え?え?何で私戦士じゃなくなってるの?」
ついさっき同じような言葉を聞いたな。
フェイのステータスも書き出してみた。
名前:フェイ
種族:人間
称号:捧げたる者
称号:神の拳
職業:聖闘士
職業:助祭
後見人:ヨーハン・ハイデンベルク
レベル:9
経験値:715
HP:1255
MP:20
力:245
敏捷性:650
正確性:561
魔法力:68
耐久力:199
肉体技能
拳術
体捌き
無手無双
重拳(後見人の知覚範囲内にいる場合使用可能)消耗MP5
剛力
罠解除
精神技能
罠感知
危険感知
精神防御
状態異常抵抗
神聖魔法
聖闘士宣言(使用可能)消耗MP0(使用後死亡する可能性有)
アリスより遥かに弱いが攻撃向きの能力値らしい。
レベルは低くても敏捷性や正確性などは人間の範疇を超えている。
成長させればアリスが防御しているうちに敵を殲滅できるようになることだろう。
「フェイ。お前はそれがしの眷属になってしまった。望んでしたことではないが、すまぬ。解放できるようになるまでしばらく我等と行動を共にしてもらった方がよいと思うが、異存はないか」
「け、けんぞくですか?仲間ってことですか?でも、嬉しいです!」
「最初からパーティー組むって話でしたもんね。よろしく、フェイ。あたしがお姉さんのアリスよ」
「よろしくお願いします、おねーさん!」
能天気な娘だ。少しは疑問とかないのだろうか。
ただ強くなって嬉しいだけのようだ。
聖十字教会の信仰との兼ね合いは少々気になるところではあるのだが。




