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依頼③

ボーンゴーレムの出現ポイントは決まっている。

ヴェンナが五ターラーで売った"去年の"小迷宮ガイドブックでもわかることだ。

人のいない出現ポイントに移動し、気を落ち着ける。

落ち着け。

落ち着いた。

ボーンゴーレムは落ち着いた我が攻撃により粉砕された。

極めて冷静だ。

討伐証明部位がどこかもちゃんとガイドブックに乗っている……。

だがどうも今日は手がすべるようで。

ガシャン。

また粉砕された。

ボーンゴーレムの討伐部位は頭骨。そこに動力である魔石があって、その魔石は様々な用途に使われる需要の高いものだ。

だから慎重に扱わなければ、とガイドブックにも書いてある。

また粉になった。魔石もバラバラだ。

手ごたえがないのがよくないのだな。

我は出現したボーンゴーレムをしばらく粉にし続けた。

通りかかった冒険者がボーンゴーレムの頭骨をフルスイングする我が姿を目撃して誇張とともに伝えた結果、我は「ノール潰し」の他に「ゴーレムマッシャー」の二つ名も奉られるはめになったのだった。


「本当に怖かったです。それまで穏やかだったのに、いきなり怒り始めて、殺されるって思いました。ゴーレムに同情したのは初めてですよ。」

ゴーレムの破片で真っ白になった出現ポイントで憔悴した様子で語る行商人Aさん。

『最新版小迷宮ガイド・本当にあった迷宮の怖い話』


ちなみに、ヴェンナはフェリシアによってすでに討伐されていた。

全額返金の上、倉庫と便所そうじ連続二か月。

そして、その期間おやつ抜き。

「ごめんなさいです……出来心だったんです……」

土下座して泣くヴェンナと仮面のように笑うフェリシアに。

「ほどほどにな?」

というしかない我であった。


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