デュアルサモン、ゲームの説明02
「ははははは!!最強のカードを引き当てた!!感謝するぞ蛮族!!これで霊力の合計値は【2400】となった!!」
ん?何云ってんだこいつ?
俺の場には【盗人道】・小銭盗りの無衛門、霊力は500
相手の【聖騎士】・槍使いのファルメイトは400。
合計してもたったの900だ、それとも手札に眠る新たなカードでも召喚するきか?
あ、でも確か、召喚条件が厳しいけど、とても強力なカードが【聖騎士】シリーズにあった気がする……。
「俺は、【聖騎士】・盾使いのリクルズを召喚!!」
閃光の渦から現れるのは、青胴で出来た巨大な盾を持つ屈強な戦士。
【聖騎士】シリーズで召喚条件無しのカードで一番霊力の強いカードだ。
「【聖騎士】・盾使いのリクルズは特殊能力【重き盾】によって競う事は出来ない………しかし、今ここに最強の【聖騎士】の誕生の定理が誕生する!!、俺は、手札に持つ一枚のカードの効果により、自らの霊格の霊力が合計2400になるように消失させる!!」
場に存在する霊力400となったファルメイトと、今先程出したリクルズは2000、合計すれば2400と丁度になる。
一体何をだそうと云うんだ?召喚は一ターンに一度だけで、もうその召喚をハワードは終えている。
「そして、闘技場にある合計2400の霊格二体と、手札にあるこの霊格以外のカードを全て消失させ、召喚条件を満たす!!」
「何!?召喚は一ターンに一度しか出来ないのではないのか!?」
「それは通常の召喚条件無しである霊格の場合だ!!いざ、召喚せよ、
【聖騎士】・聖剣使いのフルバウング!!」
世界を一掃するかの如く光来の閃光を纏わせ、見る者全ての悪を浄化させてしまうような、神々しい霊格。
右手に持つは黄金に輝く聖なる剣、刃渡りは軽く俺の身長を凌駕していた。
つーか本当に眩い、目が痛い、これが聖騎士の威厳、あ。
【盗人道】・小銭盗りの無衛門
霊気:500→100
その閃光に目が潰されたのか、無衛門の霊力が400も下がった。
「【聖騎士】・聖剣使いのフルバウングの【特殊能力】、【聖騎士の威厳】を発動、相手の霊格の全てを400下げ、もしそのカードの霊力が0になった場合、相手の霊格を消失させる効果を持つ、が、運がいいな、貴様の低俗な霊格は未だ100残っている」
えー、つーか召喚条件があるカードは何枚でも出していいって初耳なんですけど、だったら最初から俺カード出してるし。
「では、競い合おうではないか、【聖騎士】・聖剣使いのフルバウングで、【盗人道】・小銭盗りの無衛門と競わせる!!」
聖騎士、フルバウングが剣を振り上げる、未だ目が潰れている無衛門は、その攻撃を回避する術が無い。
むなしくも、聖剣の光り輝く一撃で、俺の無衛門は切り裂かれ、この闘技場から消失する。
「フン、これで終わると思うな、フルバウングに、更に【特殊能力】を発動!【仕切り直し】、この霊格は、一度に二度、戦闘を行う事ができる、更に【特殊能力】を発動させる、【聖剣】!!この霊格を一ターンのみ、霊格を【聖人】に変え、霊力を600上昇させる、さあ往くぞ蛮族の者、フルバウング、もう一度追加攻撃!!」
600の上昇、ということは現在の霊力は3000、その突きを繰り出されれば、霊力は2000失われてしまう。
神々しい剣を持ち合わせる聖騎士、振りかざした剣を俺に向けて、雷光よりも速い突きを繰り出した。
突き刺さると同時に、その刺された起点から痛みが脳に伝わる。
「ぐ、あぁああああああああああああ!!痛ったぁああ!!」
聖騎士が剣を抜くと、俺の身体から何かが消える感覚に陥る。
召喚士・白来麻野霊力5000→2000
「くっそ、痛みを感じるなんて聞いてねぇぞ!!」
「ふん、蛮族の住む場所では、さぞ甘い決闘が行われていたのだな、甘い、甘いぞ蛮族ぅううううううううううう!!!」
痛みは直に消える、けれど俺のこの理不尽によって培われた怒りが爆発寸前。
相手のターンは終了、俺のターンとなり、カードを一枚引く。
「んじゃあいくぞ、大体ルールも思い出してきたし、俺は手札のカードの霊格の召喚条件に従い、相手の霊力が自分よりも高い場合、この霊格を召喚する。
いけ、【盗人道】・縄師の甲裡!!」
【盗人道】・縄師の甲裡
霊力:1000 霊格:人
召喚条件:召喚士の霊力が相手の召喚士の霊力よりも低い場合召喚可能。
???
煙と共に現れる、豊満なバストをした際どい服装をした女性が現れる、縄を持ち、酷く妖艶な笑みを浮かべて、俺の隣に立つ。
「馬鹿め、【聖騎士】フルバウングの効果【聖騎士の威厳】により、相手の霊格全てに対し、霊力を400下げる!」
「おっと待ちな、ルール上は、霊格の召喚時、その特殊能力を優遇されるのは先に出した霊格、俺は
【盗人道】・縄師の甲裡の【特殊能力】発動する」
甲利は手に持つ縄を聖騎士に投げ飛ばすと、瞬、と速き勢いで聖騎士を縛り上げた。
「【盗人道】・縄師の甲裡の特殊能力は【縄縛り】、相手の闘技場に居る霊格の一体の【特殊能力】を一つ無効にする、俺が無効にするのは
【聖騎士】・聖剣使いのフルバウングの【聖騎士の威厳】、これにより、聖騎士フルバウングの霊力を下げる能力は消え去る、そして、俺は消失エリアから、【盗人道】・小銭盗りの無衛門の【特殊能力】を発動!」
ドロン、と音を立てて、無衛門が煙の先から現れる。
霊力は100になったものの、その誇り高き義賊は未だ健在。
この場合、無衛門のカードテキストにはいつ現存させるか、とは書かれていないので、どの状況にでもカードを召喚できる。
「無衛門のもう一つの【特殊能力】は【煙玉】、相手の霊格によってこの霊格が消失された場合、100を残してこの霊格を現存させる事が出来る」
「何ぃ!?蛮族の癖に、そんな往生際の悪い能力を使いやがって、まあしかし、貴様の霊格は1000の盗人と、たった100ぽっちの盗人だけではないか。しかもこの俺の【聖騎士】には【仕切り直し】と言う追加攻撃ができる特殊能力もある、貴様が勝つのは、至難の業であろう」
「うーん、まあそうなんだけどね、まだ"サモンデュアル"は終わってないし、このターンで、俺は【魔術】を使わせてもらうよ」
「な、【魔術】だと!?」
中々驚きの反応、まあ当たり前か、"デュアルサモン"のデッキには霊格以外にも【魔術】と呼ばれたカードが存在する。
そのカードは霊格の様に現存できる効果は少ないが、使えば必ず戦力になる強力な鍵にもなる得る。
ただし、今の現状、俺の様に霊力が少ない人間が使うのは、余り利口では無いといわれている。
それは何故かといえば、【魔術】の発動条件は、己の霊力を犠牲にして発動する血の代償なのだ。
強力なカードになればなるほど、その霊力の消耗は激しくなるが、逆転の可能性を秘める奥の手とも云えよう。
「よーし、んじゃあまあ、このターンでお前を終わらすから、覚悟しろよ、俺は、手札より【魔術】のカードを使用する!!」