デュアルサモン、ゲームの説明01
"デュアルサモン"、自らの魂を代償として行われる召喚士の決闘である(設定上)。
デッキのシャッフルは始める前に一回、相手にデッキを渡し、不正が無いようにシャッフルを行う。
召喚士は予めカードの束、デッキからカードを五枚引き、先手と後手に分かれて勝負を始める。
召喚士の魂は予め5000と決められ、その魂は霊気と呼ばれる、この霊気は召喚士を召喚する為の条件として扱われる事もあり、自らの魂である故にその霊気が0になれば魂は消滅してしまう(設定上)。
が、確か基本的ルールだっけ?
あとは戦闘の主力となる霊格、霊格や召喚士を手助ける魔術の二項目だけだっけか?
まあ、後のことはゲームをやりながら思い出すか。
「くくく、デッキはシャッフルしたな?早く返せ、貴様の手垢でカードが汚れる」
うん、俺もお前の手垢でカードが汚れるから返して。
ニ、三回程山札をシャッフルして相手にデッキを渡す、相手もそれに従い、俺のデッキを返した。
「さて、俺ら召喚士の霊気は5000でいいな?」
「ああ、問題は無い」
お互いにカードを五枚引いて、いよいよ"デュアルサモン"が始まる。
「それでは始めるぞ、正当な儀式、公平なる流儀に従い―――」
あ、なんだっけ、たしかいっせーのでって言うんだっけこれ、えっと確か、そうあれだ。
「「サモン!!」」
よし、これでいいか……いや、仲良しか。
「先手は俺が貰う、山札から一枚を手札に加える!!」
えっと、確か先手はカードを一枚引く事が出来て、山札から一枚カードを引けるんだっけか。
んで、カードを引いた後に、霊格と言うモンスターを召喚闘技場って云う霊格のカードを置く場所に一ターンに一度だけ置けるんだっけ。
「ふふふ、俺は光騎士・槍使いのファルメイトを召喚!!」
ハワードが手札から召喚闘技場に霊格を召喚すると、眩い光と共に現れたのは槍を構えた、軽装の兵士が。
「うぇええええええええええ!!?何で、カードが現実になってるぅううう!?」
「ハッ、何を馬鹿な事を云う、決闘に霊格が現れるのは当然だろう?」
んな阿呆な事があるか、と云いたい所だが、既にこうして召喚されている以上、片っ端から否定は出来ない。
しかし、光騎士・槍使いのファルメイトか……そのカードは知ってる。
確か、その戦闘を行う際に決める霊力があって、その霊力は確か1200くらい、んで、そのカードの【特殊能力】は無し、だったっけ?
「先手は攻撃する事は出来ない、俺の"魅せ"はこれで終わりだ」
一々突っ込みたい言い回しだな、まあ突っ込まないけどね、まずは俺のターンですからカードを一枚山札から引かせていただきます。
えっと。俺が引いたカードは………
盗人道・小銭盗りの無衛門
霊気:500 霊格:人
召喚条件:無し
???
???
よっしゃ、盗人道・小銭盗りの無衛門だ。
しかも無衛門には、【特殊能力】がある。
「俺は闘技場に、盗人道・小銭盗りの無衛門を召喚する」
闘技場にカードを置いた直後、土煙によって現れる、隻眼の盗賊。
カードの表紙の通りに、腕を組んで登場する姿は、少なくとも俺の心を魅了させる。
「うっひょー、かっけー。無衛門だ無衛門、握手して」
とお願いをしたら、それに従って握手をしてくれる、何て紳士的な態度なんだ。
「な、何だそのカードは、と、盗賊!?蛮族のデッキか、召喚士の面汚しめ!!」
いや、そんな金ぴかのカードよりは趣味がいいと思うのですが。
まあいいや、召喚したターン、俺は無衛門で光騎士・槍使いのファルメイトを競わせる。
「フン、無駄だ、俺のファルメイトの霊力は1200、お前の様な霊力500ぽっちで何が出来る?」
霊格の競い合いとは、言うなれば霊力の数値で戦闘が決まる。
俺の盗人道・小銭盗りの無衛門の霊力は500.
相手の光騎士・槍使いのファルメイトの霊力は1200となる。
この場合、俺が攻撃を仕掛けた場合、相手のファルメイトの霊力は500下がり、そのターンは終了になる。
霊力が0になった場合、そのカードは破壊され、相手の闘技場に霊格が誰も居なければ、直接的に相手の霊力を削れる事が出来る。
このまま攻撃を行えば、俺の霊格、無衛門の攻撃で500削るだけで、相手はまだ700も残りがある。
そのまま相手のターンに入れば、霊格を召喚され、霊力の低いファルメイトで無衛門が消失されるのがオチだ。
「まあ、このままなにもしなければ、だけどね、俺は無衛門の特殊能力、盗り癖を発動させる!!」
何!?と凄いいい顔、いいリアクションありがとうございます。
無衛門がくるくると相手のファルメイトの周りを走り出すと、恐ろしく早い手つきで、相手のファルメイトの軽装を外していく。
「盗り癖の効果は、相手の霊格と競う場合、相手の霊気を300奪う事が出来る」
「何、と云う事は、俺のファルメイトの霊力は900、まてよ、このままでは!!」
「あぁ、ご名答、無衛門で、相手のファルメイトに競わせるぜ!!」
タン、と軽やかに宙を舞う無衛門、槍を持つファルメイトはその宙に舞う無衛門を刺し殺そうとするが、ひらりと交わされ、無衛門が忍ばせたクナイでファルメイトの胴体に切っ先を交えた。
「ぐぬぅううう!!俺のファルメイトがぁあああ!!!」
盗人道・小銭盗りの無衛門
霊力:500 霊格:人
召喚条件:無し
盗り癖:相手の霊格と競う場合に、相手の霊格の霊気を300奪う。
???
光騎士・槍使いのファルメイト
霊力1200→400 霊格:人
召喚条件:無し
よし、まあこのくらいでいいだろう。俺はこのターンを終了させる。
「ク、くく……甘く見るなよ………」
ハワードが震えていく、そりゃあ震えるわな、命を賭けた戦いだし。
別に今すぐ負けを宣言してもいいのよ?
「この、ハワード=マルードゥを、甘く見るなぁああああああああああああああああああああああ!!」
閃光の引き、何だ、まだ起こらなくても大丈夫だろ。
「ッ……は。くはははは、やった、引いたぞ、最強のカードを、これでお前は終わりだ、糞ガキ!!」
……別にどうでもいいけど、あいつの引いたカードが凄く気になる。