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九話目:新たなる問題(か?)

さっき心に決めたとおり、この後はおとなしく自分のクラスにいた。(誤解されそうだけど、それは『自分のクラスメイトのみの答案を見て回ると言うこと』)それでも時間はあっという間に過ぎ、もう十二時。下校時刻になった。 

レイルはさっさと鞄を片付けて、ほんとにさっさと校舎を出てしまった。(ちなみに廊下で小春先輩とすれ違った。ほんとにパンチをかましてきたけどレイルが『指三本』で止めた)ちなみに僕はまだ、さっきの思いつきをまだレイルに言っていない。 

「おい、まてよー」 

少し歩いた頃、不意に背後から声がした。 

「ちょっとおいてくなよー。校舎出ても全然見あたらなかったからちょっとびっくりしたよ」

浩介が少し息を切らしながらレイルに話しかけてきた。 


―あ、しまった。こいつのこと忘れてた。 


僕は、今更思い出した浩介の方を見た。何か僕に言いたそうな顔つきをしている。―でも、どうやら今日暗いことがあったとか、帰ったら家で待ちかまえている鬼の対処方法とかを僕に聞きたいようじゃないみたいだ。 

僕が言うより早く、レイルが浩介に言おうとした。何かあったのか― 


「お前……何かあったのか?」 


僕よりも早く言おうとしたレイルより早く口を開いた浩介が言った言葉は、僕らが言おうとしていた言葉と全く同じだった。 

「ど、どういう事……」 

レイルが少しあわてた様子で聞いた。 

「だから、昨日何かあったのかって事。今日登校した時も変だったけど、お前、今日一日中変だった」 

ほとんど一本調子で、表情を変えずに聞いてきた。 

……でもまさか、『昨日書庫の整理をしていたら一冊の本を開いた時に魔族の王が僕の体に入り込んできたんだ』…………とはさすがに言えない。今の僕に口はないけど、たとえるなら口が裂けたって言えない。レイルも浩介の今の質問にどきっと来たのか、苦笑いで返している。

「あはは…………いや、別に何も」 

そうか、と浩介が返した。 

「それなら別にいいんだ。なんか今日の光、いつもの凡人の光みたいに見えなかったからさ…」 

ちょっとある単語にむっと来たが、でもそのときの浩介の顔は笑ってるけど、全然笑ってなかった。

気配を察したのかレイルもこの後ずっと口を開かず、帰路が分かれるときに交わした「さよなら」以外は一言たりとも言葉を発しなかった。 





















―………………なんかほんとにやばいよ。 


家に着き、自室に戻ってからの僕の第一声が、これだった。 

「うーん、たしかに。事情は知らんがずいぶん変なことになりそうだな。あいつの一件が片付いてもまだこんがらがりそうだ」 


―そうだよ。あ、あとさ……… 


僕はレイルに、明日あの子にもう一度会いに行ってみると言った。僕はてっきり反対の声が聞こえてくると思ったけど…… 

「そうか。それなら私も一緒について行っていいか?」  

……何故かやたら乗り気の返事で返されてしまった。 


―ちょ、ちょっと。いくら何でもテスト中に言ったらだめでしょが。 


「馬鹿。誰がそんなに時に行くと言った」 

レイルが言った。 

「当然放課後に行くに決まっているだろう。実はお前が乗り気か心配だったのだが………そうか。よし! 明日にでも彼女に会いに行くか! そうと決まったら今日はさっさと寝るぞ!」

………と、もはや説明不要の超乗り気でレイルはさっさと布団に入ってしまった。

この変なすれ違いに半ばあきれながらも、僕も早めに就寝することにした。 


…………そう言えば明日のテス勉まだやってないけど、まぁだいじょうぶだろう!! 


………… 



…………………………… 




………………おそらく。

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