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十一話目:進展アリ(いろんな意味で?)

―全く、なんなんだかあいつは……… 


僕はぶつぶつ小言を言いながら、玄関に向かうレイルの後に付いていた。 


―あれも一個性なんだろうけど……そこまであるか? 


「さっきから耳元で五月蠅いぞ」 

ついに業を煮やしたレイルが僕に言ってきた。 

「そんな事言うお前も十分個性派ではないのか?」 


―……はぁ? そんなこと無いって。僕は何処にでもいる普通の中学生だよ。 

「……そのファッションセンスでよく言うな」 


―うぅ………悪かったな。 


「あっ、いた! おーい光ぅ!」  


??


突然の声に僕らは振り向くと…………………そこには、小春先輩がいた。 

「お、どうしたんだぁ? その子は。ガールフレンドか何かか?」  


…………へ?  


な、何を言い出すんだ突然この人はっ? 


僕はあたりを見渡すと……………







……………僕らの直ぐ側に、素隙野憂がいた…… 


『えええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!! いつのまにっ?』 


「ボク、さっきからずーっとひっついてきたけど?」 

相変わらずの棒読みで、憂は淡々と言った。 

「えぇ? 光ぅ、どーゆうことだそれ?」 


げげっ。 小春先輩、かなり誤解してるぅ……… 


「はぁ? 何勘違いしているのだ? 私はこいつとは別に何も……」 

レイルは小春先輩の前だからか、『素』で普通に会話しているけど…… 

………………すぐ側に第三者がいるんですけど。 

「ふふっ。光もなーに誤解してるんだか」 

当然そんなこと気にせずにからかい続ける先輩。 


………って、あれ? 

先輩、いつから僕のこと名前で呼ぶようになったんだろうか…… 

「……ところで、一体何の用だ?」 


―おーいレイル。隣の方を忘れていませんか。  


僕の問いかけでやっと気づいたらしいレイルは、少し慌てた様子を見せた。 

まぁ、なんか憂の方はさっきから大欠伸してて、気にしてないみたいだけど……… 

「もうすぐ夏休みよ? だから…………………いざ、勝負っ!!!!」 

突然ビシィッ と指さして先輩は言った。 

「よ………分かった。僕はいつでもいいよ」 

「ちょっとどうした。急に口調変えて…………彼女が側にいるからか?」 

と、憂の方を指さして言う先輩……

……………だから違うって。  

「い、いや……別にそれは…」 

「ま、いっか。じゃぁ最終授業日、放課後に鉄橋の河原のとこでな」 

そしてVサインをした後、小春先輩は僕らを追い越して帰って行った。 


―ふぅ………全く気楽な人だなぁ…… 


「…あと一週間後か」 

レイルが僕に向かって言った。 


―まぁ無茶しない程度にしてよね。後々僕が困るから。 


「……………分かった」 

レイルがやけに小声で言った。 


「ん? 終わった?」 


ふと、さっきまでここにいたはずの憂が突然口を開いた。 


―え、突然どうしたんだ…… 


「ん? どうした突然」 

レイルが僕の言葉をそのまま口にした。 

「終わったんならさっさと帰ろうよ。ボク、さっきから眠くて眠くて」 








『……………………………………さっきまでの話の流れ、聞いてたか?』  









僕とレイルが、ほぼ同時に同じ事を口にした。 

「とりあえず、なんでついてきた?」 

「あー。やっぱりその陰が気になってさー。だからこっそり後付いてきた」 


―全く気づきませんでした。 


僕は思わず口を開いた。 

「でも、もういいや。なんか変にうごめいてたけどそれもおさまったし。じゃー」 

と言うと、また彼女もさっさと帰っていってしまった。 


―………………変な子だね。憂って。 


僕が言った。 


「……あぁ」 


続けてレイルが言った。

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