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前章 はじまり
side:A・C
「しーんーくん!なぁんで新しいゲームが出てた事教えてくれなかったのかなぁ?」
自室に引きこもってた怪獣のリビングに入ってからの第一声は、それだった。
「は? いや…昨日わざわざゲーム屋にまで行って新型のVR機関買って来たのはようちゃんじゃん」
「うっるさーい。反対意見は認めないから!」
ガキかよ。どこのハンバーガーメタボだお前。
だなんて思いつつ、ちょうどいい感じに焼けた魚を皿に移しながら提案する。
「よっと… 。なら、飯食ったらセッティングするか?
ほい」
べ、別にこのままだとあいつの理不尽に負けるからなんて理由では、
あるんですよねー。
盛り付けた皿を机におくと、リビングの入り口に居た筈の奴は既に席に着いてた。
「うん。流石我が弟。そこらのジャンクフードよりはご飯が美味しい。
ほらなにしてんの早く食べるよしんくん。ゲームが待ってるわ!」
「うわ速!いや、ゲームは逃げないんだから落ち着きなよ。
いただきます」
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side:L&A
「あっにきぃ。一緒にゲームやろうぜっ」
来るべき壁に備えて本を読んでると、愚従兄弟がなにやら上機嫌で話しかけてきた。
「何だよいきなり。今俺は本を読んでるんだけど?」
「ふふーん。最近話題のDreamTripだ!
ていうか別にそんなモノ読むんなら参考書読んだ方がいいんじゃねえの?」
余計なお世話だっ!!
って
「おい、確かDreamTripって最新のVR機関が必要じゃなかったか?いつの間にそんな高いもん買ってたんだよ」
「ああ、昨日買っておいたんだよ。ディスクは今日からだったけど、機関は先行販売?だったからさ!
ついでにディスクは予約しといたんだぜ!賢いだろ!」
いい笑顔でサムズアップしてくるこいつにって頭痛を覚えたが、これだけは言わなければならない。
「いや、普通だからな。で、いくらだったんだ?
二人分のVR機関は」
「ピーーーー万円。」
ドゴッ
「いったぁ!、いきなりなにすんだよ?」
あ、うっかり殴ってしまったが仕方が無い。
たかだかゲームにそんな、そんな金額を掛けるだなんて。
「お前が馬鹿だからだろうがああ!!」
「いーじゃんか。別にさぁ、
ほら、飯食ったらメイキングしちまおうぜ。絶対めちゃくちゃ時間かかんだろうからな」