PrologueーNightmare
プロローグ-ナイトメア
悪夢の中に
門の先の光景は正しく、悪夢だった。
降り続く雨の中、子供達の悲鳴が嘆きが響く。
街の彼方此方から黒煙が上がり、絶え間無く上がる断末魔が交錯している。
一歩歩くごとに力尽きた死体につまづきそうになる。
「お姉ちゃん 助けてぇ! お父さん!お母さん!」
「ぎゃああああああああああああああああ!!!」
「腕が、俺の腕が」
「いやあああああああああああ!?あなたああああああああああ!!」
「お母さんお母さんお母」
「死にたくない死にたくない!助けてよおおおお」
それは紛れもなく悪夢のような現実で、絶望にあふれていた。
そしてその中に烏の濡れ羽色の髪を振り乱しながら駆け抜ける青年がいた。
「シン!?シン!どこいるんだ?シン!」
「落ち着くんだアリィ。焦っていては見つかるものも見つからない」
錯乱した濡れ羽色の青年の腕を追いついた朱い髪の青年が掴むが、濡れ羽色の青年はそれを振り払うと再び駆け抜けた。
「離せよ、シン、シン!…コーディウス!」
始まりは、5日前に遡る。
ここまでエグくするつもりはなかったんですけどね。
書く前に図書室で戦争物のタイトル見てたのが原因でしょうか。
一応確認しましたが、誤字脱字ございましたらご報告お願いします。