DNS (DQN Name System)
DQNネーム
子供の名前に見られる、暴走族のような当て字や漫画・アニメ・ゲームなど架空のキャラクターからとった当て字の名前のように、読みづらい名前や、常識的に考えがたい言葉を(戸籍上の)名前にすることをDQNネームと呼ぶ場合がある。
Domain Name System(ドメイン ネーム システム、DNS)はインターネットを使った階層的な分散型データベースシステムである。
引用:DQNネーム , DNS(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/DQN#DQN.E3.83.8D.E3.83.BC.E3.83.A0
http://ja.wikipedia.org/wiki/Domain_Name_System
時代が進むにつれ、人々の価値観は変わっていった。
戦後の時代、人々にとって1番というものは特別な称号であり、1番になることこそが、この世に生まれた目的であった。
しかし、21世紀に入り、人間は誰しも異なる存在であり誰もが1番、つまり、オンリー1であるという価値観が主流となった。
唯一というものは特別な称号であり、また、生まれながらに誰もが持っていた。
その価値観を、もっとも表現する存在、それは名前であった。
太郎や花子などという名前を持った人間は、戦後こそ掃いて捨てるほどいたが、21世紀の人間にとって他人と同じ名前を持つことは恥であり、まともな親から生まれなかったのだというレッテルを貼られる原因となっていた。
だが、ユニークな名前が生まれていくにつれ、ひとつの大きな問題が起こった。
名前が読めないのである。
日本人は大抵、名前は漢字であり、ひとつの読みをとっても、全く違う漢字となることは往々にしてあることだった。
もちろん、ひらがなやカタカナの名前を持つ人もいるにはいたが、組み合わせ数が漢字に比べ圧倒的に少なく、他人と被り易くなるリスクが高かった。
同じ名前を持つ人間と出会った瞬間から、こいつはダメなやつに違いないと周囲から思われるのだ。
そういったわけで、大抵の人間は名前が漢字、読みもめちゃくちゃといった具合になっていた。
人がどんどん増えていくにつれ、自分の子供が生まれたときに、わが子が他人と名前が被らないか知りたいといった意見が増えてきた。また、これだけユニークな名前が増えても、当然名前の読み間違いは失礼に当たり、この名前はいったいどういう読み方なのかを知りたい、という人間もたくさん出てきた。
そこで政府は、全国民の名前とふりがなを登録したデータベースを作成することにした。
データベースの作成はトントンと進み、開始からわずか2週間にして、国民に対し無料で公開することになった。
これにより、政府は支持率が急上昇したそうだ。
しかし、データベースの作成を担当したエンジニアは、公開からわずか3日後に政府から呼び出された。どうも、トラブルが発生したのだという。
エンジニアは、データベースのトラブルの原因を探すために、最近登録された名前を順に見ていくこととした。
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データベース
名前:
異鶴図
ふりがな:
ゆかぅぴ
名前:
星新一
ふりがな:
しょとしょとしn
名前:
恋泊性
ふりがな:
あいとLoveけっしょう
名前:
次持地痔
ふりがな:
ねロ81
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エンジニアは、データベースを眺めて呟いた。
「ふりがなは、ひらがなのみでしか入力できないように設定しないとな……」
ピカ!ピカピカ!
一部変更(9/14)