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青い春  作者: 本。
1/3

お天気

思いつきで書いたので、おかしな文章になっているかもしれませんが、そのへんは見逃して頂いて、ほのぼのとした気持ちになって頂けたら幸いです。

 特別な事は何も無い。ただただ日々を過ごしていくだけ。


 僕等にとってそれは当然で、退屈で、ちょっと、楽しい。そういうのを、『青い春』って言っても、良いんじゃないかな。





環汰かんた、寝転がりなら物食うの止めなさい」


 静かに発せられたその言葉に、井浦いうら 環汰かんたは首を竦めてパンを持つ手を止める。


「……ふぁーい」


 環汰は僅かに頬を膨らませながら、しぶしぶといった感じで返事をした。環汰を叱った声の主である三上みかみ 遊斗ゆうとは「宜しい」と言うように頷いてから、ほんの僅かに上げていた視線を、持っていた本へと戻して、言った。


「お前、その返事可愛いと思ってやってんなら一回死んだ方が良いよ。キモいから」


「酷っ!!いつものことながら酷えよ!ってか別に可愛いとは思って無いからな!?俺男なのに可愛さ求めてたらそれこそキモいだろ!!」


「そうだな。お前はキモいんじゃない。ウザいんだ。黙れカス」


「お前本当酷えな!!良いじゃんかまってくれても!本ばっか読んでないで俺と遊んでよ!!」


「そういうことはあきに頼め」


「だって秋寝てんじゃん!」


 環汰はコンクリートの上にタオルケットを敷いて眠っている男子、宮村みやむら あきを指差して言った。


「そうか。頑張れ」


 遊斗は環汰にかまっているのが鬱陶しくなったらしく、それだけ言うと読書に集中し始めたらしく、環汰が何を言っても反応が無かった。


「むー…。暇過ぎる…」


 環汰一人ごちて、握っていたパンを頬張っていると、環汰達が居る屋上の扉がばたんと乱暴に開いた。


「あ、さく


 環汰が呼ぶと、坂崎さかざき 咲夜さくやは「おー」と手を挙げて環汰達の方へ寄ってきた。


「日直お疲れー」


「おー。お前ら飯食い終わっちゃった?」


「んー、遊斗と秋はね。俺はまだだけど」


「そか。ってか、お前ら友達甲斐の無え奴らだな。オイ。ちったあ手伝えよ」


「えー、だって俺と秋はクラス違うじゃん!そういうのは遊斗に言ってよ」


「馬鹿、今のあいつに何言ったところで聞こえて無えだろ」


「だろうね」


「だろ?」


 二人でパンを頬張りながら喋っている間も、咲夜が騒音と共に屋上に現れた時も、遊斗は一向に顔を上げなかった。遊斗は一度何かに集中し始めると、周りが見えなくなり、何も聞こえなくなるのだ。


「なー遊斗ー」


 パンを食べ終わった環汰が遊斗に寄りかかっても、遊斗は全くの無反応だった。


「ねえ、泣いちゃうよ!俺寂しくて泣いちゃうよ!!」


「環汰うぜえ」


「咲までそういう事言うー!俺もう泣いてやるー!!」


「分かった分かった。俺が飯食い終わったらかまってやるから」


「咲…!!好き…!!」


「うん、キモい」





 この春高校生になった僕等は、屋上を占領して、青い空と、温かい空気を満喫している。


 昼休みになると、屋上に集まって、だべって、昼寝して、読書して。本当に普通の何でもない日々が続く。


 それは僕等にとって当然で、退屈で、ちょっと、楽しい事。


 だらだらとのんびりしているだけの日常だけど、何か、くすぐったい。


 こういう『青春』も、けっこう良いよね―――――。





「…ん」


 秋は薄らと目を開いた。


「…今、何時」


 時計を確認すると、始業3分前を示していた。


「まず…っ!!」


 何で誰も起こしてくれなかったの?そう尋ねようとして、気付いた。背中合わせに座っている環汰も遊斗も、環汰に寄りかかるようにして座っている咲夜も、皆―――――ぐっすりと眠っている。


「……ふふっ」


 変わらないなあ、と、秋の唇から言葉が零れ出た。環汰は涎を垂らして眠っているし、遊斗は本が手元から滑り落ちてしまっている。咲夜なんかは眼鏡をかけたまま眠っている。


「しょうがないなあ、もう」


 秋は呟いて、三人が眠っている方へ寄って行った。そして、


「今日は暖かくて気持ち良いからなあ…。眠くなっちゃうよね、そりゃ」


 三人に寄りかかるようにして、座った。


「うん、だから、太陽が悪い」


 おやすみ。囁く様に言って、秋はゆっくりと瞳を閉じた。





 午後の授業は、サボりました。

だらだら、のんびり。そんな『青春』モノを読みたいなあと思ったのですが、中々見つからなかったので。ぐだぐだな『青春』を満喫させたいと思います。

誤字脱字等、発見したという方がいらっしゃいましたら、報告して頂けると助かります。また、御意見、御感想が御座いましたら、そちらもお願い致します。

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