6、仮面舞踏会の血盟
私はレジーナを値踏みするような目で見つめた。
「レジーナ様、私は私はあなたが心理学や情報収集能力に長けていると思っております。お心当たりはありますか?」
「はい、、、小さい頃から人の動作を見て相手の考えていることがわかるのです。なので、昔から気持ち悪がられていました。」
私は少しレジーナをかわいそうに思っていた。
後、かなりザラ侯爵令嬢に怒っていた。
「ねぇ、レジーナ。考えてくれる?
いじめた側のザラ侯爵令嬢はあなたの婚約者を奪え て毎日幸せに暮らしてる。でもいじめられた側のあ なたは、周りから笑い物の種にされ、落ちぶれて不 幸になる。そんな世界よ。だってこの国は位の高い 貴族には逆らえない風習ですもの。だからあなた達 下級貴族はひたすら上位貴族にビクビクして怯えな がら暮らさなければならないのよ。」
「、、、はい、、、、、、」
レジーナが涙を溜めた目で俯きながら言う。
「そんなのおかしいと思わない?」
「、、、え?」
「わたしはこの国の絶対的貴族制度なんてぶっ潰したいと思うんだけど」
「、、、、、、え?」
「聞いて驚かないでちょうだい
私は前世宰相や王族の陰謀に巻き込まれて死んだの よ」
「え!?、、、」
レジーナは先ほどの涙が嘘のように引っ込んで瞠目していた。
「えぇ、、、、嘘!?」
私は少し面白くて笑ってしまった。
「信じるか信じないかはあなた自身。
一昨日目を覚ましたら16歳の今に姿になっていたのよ」
私はレジーナに言った。
「まぁ、とりあえず前世残りは置いておいて、レジーナ。私は神様から与えられたこの二回目のチャンスを逃すつもりはないわ。あなたと同盟を組みたいの。」
レジーナが呟く
「同盟、、、ですか?」
「えぇ。そうよ。どうせならこの国の絶対的貴族制度を利用してあげましょうよ。忘れたの?私はザラ侯爵令嬢よりも身分の高い公爵令嬢よ。私ならあなたを守ることができる。あなたには王妃様の情報を集めてほしいの。」
「王妃様、、、ですか?」
「えぇ、私は今第二王子の婚約者という立場。そんな私が頑張って情報を集めようと足掻いても下手に注目を集めるだけ。でもレジーナ、あなたは違う。あなたは今なんに立場にも縛られていない自由な女の子なのよ。」
レジーナは「、、、自由」という言葉をつぶやいた。
「レジーナ。あなたが決めなさい。あなたには選ぶ権利がある。あなたが一生その姿で生きるか、生まれ変わるかはあなた次第よ。」
レジーナはハッとした表情で私を見る。
「生まれ変わるか、そのままかは私自身、、、」
「どうせなら、あいつらどもが滑稽に泡を吹いているところを見たくない?」
レジーナがこちらを見る。
その瞳はレジーナの真剣さを物語っていた。
「私とあなたの目的は一致したようね。私はザラを、あなたは王妃の情報を。私たちの間に友情などないわ。必要なのはお互いに復讐を遂げるための力。協力しましょう、レジーナ様」
レジーナはとても真剣な顔で私に手を取った。
「取引成立ね。
とても心強いわ。」
2人に視線が交差し、友情など存在しない、冷酷な同盟が、今、結ばれた。