5、仮面の下の復讐心
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本当にありがとうございます!
(あの子は、、、?)
私はその少女に興味を抱いた。彼女は、他の令嬢とは違う、何か特別なものを感じた。
ふと、私の視界に見慣れた顔が飛び込んできた。幼馴染のレオだ。レオは、少し離れた場所から、心配そうな眼差しで私を見つめていた。アリアンヌが第二王子と話しているのを確認すると、彼はそっと視線を逸らした。
(レオ、、、)
私はレオの存在に気づいていた。前世、レオは、幼い頃からそばに居て、いつも気つかってくれた。私にとって、レオは、家族のような大切な人だった。
第二王子との会話を適当に作り上げ、私は、壁際に佇む少女に近づいた。レオは、私が少女に近づくのを見ると、少し寂しそうな表情を浮かべた。
(なんで、そんな顔をするの?)
意味がわからなかった。
気を取り直し、壁際の少女に近づくことにした。
「ごきげんよう。このような華やかな場所で、1人でいるのは寂しくありませんか?」
優雅な微笑みを浮かべ、少女に話しかけた。少女は、少し驚いたように目を見開いた。
「公爵令嬢アリアンヌ様、、、私にような身分の低いものに、お声をかけてくださるとは、光栄です」
少女は緊張した面持ちで答えた。私は彼女の言葉遣いから、彼女が没落した貴族の娘「レジーナ」であることを察した。
「レジーナ様。少し別室で私とお話ししませんか」
「わ、私がアリアンヌ様とですか!?」
「えぇ。実は、あなたを拝見していて、並外れた洞察力をお持ちだと感じました。まるで、人の心を透視しているかのようです」
レジーナは少し戸惑った様子で答えた。
「それは、、、ただ、人が何を考えているか、少しわかるだけです。」
私は彼女の傷をえぐる。
「では、何か深い悲しみをレジーナ様が抱えているように見えたのですが?」
レジーナは少し俯き、沈黙した後、「わかりました、、、部屋へ行ってお話ししましょう」と答えた。
私は使用人を呼び、控え室の準備をさせた。
「アリアンヌ様、控え室の準備が整いました。
「そう、ありがとう」
私はレジーナの手を取り、人目を避けるように控え室へ向かった。
「こちらへどうぞ、レジーナ様。ここなら誰にも邪魔されずに話し合いができます。」
控え室は、舞踏会の喧騒とは打って変わって静かで落ち着いた空間だった。
私はレジーナを豪華なソファーに促し、向き合うような形で反対側のソファーに腰を下ろした。
私は次女にお茶の準備をするようにお願いした。
次女が部屋から出ていくと、レジーナはポツポツと自分の過去を話し始めた。
「私は、、、ザラ侯爵令嬢に自分の婚約者であるスチュートを奪われました」
その言葉と共に、レジーナの目に涙が溢れた。
彼女はそっと袖で目を拭い、話を続けた。
「彼は、ザラ侯爵令嬢の美貌と才能に惹かれたのです。私は、彼女の代わりにはなれなかった、、、」
レジーナは涙を堪えながら、語り始めた。
「スチュアートは、いつもザラ侯爵のことを誉めていました。彼女の絵画の才能、音楽の才能、社交性、、、彼は私にはないものばかりを、ザラ侯爵令嬢に見出していたのです。」
スチュートに婚約破棄を言い渡されたその日、私はザラ侯爵に呼び出され、こう言われました。
『貧相で痩せ細った醜い体。才能もなく可哀想なあんたを引き取ってくれる人がいるのかしら?よければ私の親戚の叔父様を紹介しましょうか?20歳年上だけどお金持ちであなたを可愛がってくれるはずよ。』
レジーナは自嘲気味に笑った。「私はただに平凡な子爵令嬢。ザラ公爵のような華やかさも、才能も持ち合わせておりません。スチュートは最初から私に興味などなかったのでしょう。
私は今学園にも行けておりません。
婚約破棄された貴族令嬢の立ち位置はあなたにもわかるでしょう。」
おまけ
レオはアリアンヌが好きですが、アリアンヌはレオの気持ちに気づいておりません。(レオはアリアンヌが好きだとは認めていますが、婚約者がいるので諦めかけています)