3、冷たい結婚
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私は豪華な刺繍が施されたドレスに身を包まれていた。豪華な結婚式。煌びやかなシャンデリアの下、貴族たちが優雅に踊り、笑い合う。だけど、私はその喧騒から遠く離れた場所に立っていた。私の心は、鉛のように重く沈んでいたのを覚えている。
私は王妃イザベラと私の婚約者である第二王子アミールがつながっているのか知りたかった。
第二王子。彼は彼女にとって見知らぬ人で、彼女の心ではなく、権力を確固たるものにするため、そして何よりも王妃イザベラの野望のために選ばれた人だ。王妃イザベラは、自分の息子を王位に就けるために、アリアンヌを利用しようとしていた。しかし、それだけではなかった。アリアンヌは前世死ぬ間近にこの事を知った。それは、私のお母様に対する深い嫉妬心だった。若い頃、イザベラは私にお父様を愛していた。が、私のお父様はお母様を選んだ。その苦い記憶が今も王妃の心を蝕んでいた。アリアンヌを自分の息子と結婚させる事で、私のお母様に復讐しようとしたのだ。
前世私はこの結婚が仕組まれてできていた事を知っていた。でも何もできなかった。なぜなら、この国は位の高い貴族に逆らえないルールだからだ。そして何よりも王妃イザベラの権力があまりにも強大だった。私のお父様も私を守ろうとしたが、王妃イザベラの絶対的な権力の前では無意味だった。私はこの結婚を拒否すれば、自分の家族が没落するのをわかっていた人がだから結婚した。
でも今は違う。私は単なる駒でも大人たちの道具でもない。今世こそ私は自分の尊厳のために戦う。