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17、最強の盟友

なんと、この度、初めての感想をいただきましたーー

やったー(o^^o)

ありがとうございます。

これからもぜひ温かい目で彼女達の劇を見ていただけると幸いです!

あの会議の後、男子共を追い出し、サロンの中には私とレジーナの2人だけになる。

昼間のサロンとはまるで別世界。

アリアンヌは机に広げた羊皮紙の上に指を置き、低く呟いた。


「――ザラは手強い。

 だから足場から潰すの。」


アリアンヌが言う。

レジーナは真剣な眼差しで相槌を打つ。


「噂を流すのですか? それとも……証拠を掴む?」

「甘い」


アリアンヌの声は冷ややかで、だが確信に満ちていた。


「崩すからには土台から崩す。」


レジーナは唇を引き結び、視線を落とした。


「……だから、レオとマルクにも協力してもらって2人の家の紋章を借りたわ。もちろん貴方の婚約破棄のことは言ってないから安心して。」


アリアンヌは微笑した。しかしその笑みは、いつもの柔らかなものではなく、鋭い光を帯びていた。

レジーナは嫌な予感がした。

「、、、何に使うのですか?」


短い沈黙ののち、アリアンヌは深く息を吸い込んだ。

「……レジーナ。貴方、私と同盟を組む時に見せてくれたあの時の手紙をまだ持ってる?」

「、、、はい。持っていますが?」


何に使うんですか。

その言葉に答えるようにアリアンヌが言う。


「全てコピーして、ヴァロワ家と、ドルチェ家とマーキース家の紋章を押して、当日才色競演会を見にくる人全員に--」


「いけません!!」


空気を割くような声がその場に響いた。


「私の家の問題に、みなさんを、巻き込むわけには」

「レジーナ。

 貴方ならそう言うと思った。」


「巻き込まれるですって?今更?

 巻き込まれるならとっくに巻き込まれてるわよ。」


レジーナがハッと頭を上げる。

そこには自信満々のアリアンヌの顔があった。


「貴方を見てると、私の昔を見ている気分になるの。」

「昔の自分?ですか。」

「前世の自分よ。」


レジーナの瞳が少し揺れた。


「後悔してももう遅い。

 私の生きていた世界では、『次のチャンス』なんてもんはなかったの。使い捨てのナプキンと同じ。


だから、貴方のことを見捨てられなかった。

許してちょうだい。」


固まるレジーナを置いてアリアンヌは出て行こうとする。

扉を出る前、アリアンヌは振り返りながらこう言った。


「でもこれだけは忘れないで。

 貴方の周りには最強の盟友がいるということを   ね。」



二人の視線が交差する。

机の上のランプがぱちりと音を立て、影を揺らした。





レジーナが固まってたのは、驚きとかじゃなくて嬉しさなんですって!

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