14、辞退するかどうかは、私の話を最後まで聞いてからにしてくださいますか?
みなさん、いつも私の作品を読んでいただき、ありがとうございます。
実は、物語において書いておきたかった才色競演会の部分が丸っと抜けていることに、気づきエピソード13以降を一度削除させていただくことにします。
もう本当に作者の勝手なる都合で申し訳ないです。
物語の文章はこちらでしっかりと全て保存をしてあります。
必ず後で登場させるので、お願いします。
最後に一つ
本当にすみませんでした......
いいねをしてくださった皆さんにも申し訳ないと思っております。(いいねはとても嬉しかったです。私の栄養分です。)
どうかこれからもこのポンコツ作者を応援してください。
「辞退するかどうかは、私の話を最後まで聞いてからにしてくださいますか?」
アリアンヌの声が、学園の個室サロンに響いた。
椅子には、レオとレジーナとマルクが険しい顔をしてアリアンヌを見ている。
、、、なぜこうなったのか説明しよう。
アリアンヌは自分の個室サロンにレオ、レジーナ、マルクを呼んだ。
(このメンバー?ずんぶんと珍しいな)
(アリアンヌ様と私だけの場所だと思ったのに、、、)
(アリアンヌ公爵令嬢は何のために私を呼んだのだろうか)
それぞれが別々のことを考えている中、レジーナが入ってくる。
アリアンヌはあるものを胸に抱きしめながら、三人を見渡した。
稽古場の窓から射し込む午後の光に、真剣な眼差しが照らし出される。
「今日は、来てくれてどうもありがとう。ここに来たのはみんなにお願いがあったからよ。」
「なんだ?」
アリアンヌは息を思いっきり吸い、吐いてから言った。
「――歌劇エリザベートを、才色競演会で三人にやって欲しいの。」
その一言に、場の空気が一瞬止まった。
「……は?」
「......え?」
「......はい?」
「だから、これ、台本よ。
鏡の間をやろうと思ってるの。」
三人がポカンとか溜まっている間も、アリアンヌは説明をつづける。
レオが眉を寄せる。彼は腕を組んだまま、半歩アリアンヌを見る。
その瞬間、レジーナが手を上げた。
「どうしたの、レジーナ?」
「アリアンヌ様、私辞退させていただきます。」
「じゃあ俺も抜ける。」
レジーナの言葉を聞くなり、レオも辞退したいと言い出す。
「では、自分も辞退させていただーー」
その時
「辞退するかどうかは、
私の話を最後まで聞いてからにしてくださいます か?」
アリアンヌの有無を言わせない笑顔に、全員話を聞くしかないのだった。
(人を寄せ付けないこの笑顔も結構便利ね)
とアリアンヌは呑気に思っていたのだった。
「アリアンヌ、一回落ち着け。もう少し俺らにもわかるように言ってくれないか。お前と違って、思考回路が違うから同じ要領で説明されるとわからない。」
ということで、アリアンヌは全てを一からしっかり話し始めることにした。
アリアンヌ達が通うこの学園『セレスト学園』は、年間行事の一つに『才色競演会』というものがある。
毎年最上級生の三年生のみ行われ、もっともすぐれているとされる男女1人ずつに栄誉賞が配られる。
そこでアリアンヌは三人に歌劇エリザベートをやって、栄誉賞を取ってきてほしいという。
「できれば、貴方達3人の中で誰か2人が栄誉賞を取ってきて欲しいのよね。もちろん栄誉賞に選ばれなくても報酬は出すわよ。どう?いい条件だとは思わない?」
レオは呆れたようにため息をついた。
「お前、自分の言ってる意味わかってるのか?
というか、俺らは歌劇ができるほど歌と演技は上手 くないぞ。というか、なんで俺らなんだ?
お前はやらないのか?」
「私にはできない事情があるのよ。貴方達のいいたいことは分かってる。でも、だからこそ挑戦する価値があると思うの。私が監督をするから。」
アリアンヌは食い下がらない。
レジーナは困ったように笑って首を振った。
「挑戦するのはいいのですが、私たち3人だと、、、 本来なら大劇場のトップスターがやる大ナンバーなので。私達のサイズでやったら……観る人に耐えられるのでしょうか。」
「それに、歌唱力も表現力も必要だ。」
「まぁ、頑張ればできないこともないでしょうが。」
マルクが低呟きにレジーナが答える。台本を手に取り、難しい顔でアリアンヌの持ってきたエリザベートの本を繰る。
「台詞の一つ一つが刃みたいに鋭い。中途半端にやれば、観客に笑われるだけだ。俺はそんなの、御免だ」
三人の反対意見が重なり、空気は重たくなった。
それでもアリアンヌは一歩踏み出し、強い声を放つ。
「……分かってるよ。おかしいって言われるのも、」
言葉が落ち、沈黙が場を満たした。
レオはため息をつき、レジーナは唇を噛み、マルクは視線を伏せる。
だが三人とも、アリアンヌの目の奥に燃える光から目を逸らすことはできなかった。