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第1話 世界の終わりの始まり

 蘆谷(あしや)(れん)は自然が豊かな、田舎で暮らしていた。今日はテストで、昼過ぎには下校していた。俺は学校から帰り、自宅近くの林のなかのにある秘密基地で友達と遊んでいたのだ。

「錬~まだか~早く降りて来いよ~」


 ツリーハウスのようになっているため上り下りが少し大変ではあるがロマンがあってよい。と思いつつ「もう少しまってくれー」と返事を返す。

 声をかけてるのはいつも遊んでいる一人の加賀谷(かがや)廉人(れんと)である。かれはとてもコミュ力が高くとにかく明るい。そして保健室の先生に惚れている。


 そうこうしているうちに準備が整いツリーハウスから顔を出して

「準備できたぜー」

「いつもなにかしら準備する時に時間かかってるよなー。そんじゃあ行くかー」

「準備万全の方が心置きなく楽しめるだろー? 」


 俺は準備に時間をかけるタイプなのだ。それが現実でもゲームであっても。


「「とりあえず目的地に出発だ」」



 そう言って目的の場所、釣りスポットへと足を運ぶのだった。そうこうしているうちに目的の湖に着く。そしたら


「そうえば、よみりんは呼ばなかったんだな」


 と廉人の問いかけがあった。よみりんとは谷川(たにかわ)(よみ)のことで学校ではほぼ全校生徒が知っている学内の有名人だ。そんな彼女も秘密基地の一員ではあった。


「ああ、声をかけたんだけど・・・詠のやつ『今日は大事な用事があるからパス』っていってたから今日は来れなかったんだ」


「そうなのか。まあ、あいつは”お嬢様”だからなぁ」


「詠の前で言うと蹴られるぞ……」


 詠は”お嬢様”だったり”お姫様”と呼ばれるを嫌っており呼ぶと怒られる。


「――はははっ。確かにな。まあそれはともかく今日も対決と行くか」


「今日は大きさ対決だな」


 対決である。大体数えられる成果があるときは競って遊んでいる。釣りや虫取り、ガラクタ集めなど様々なことで競っていた。ちなみに戦績でいえば詠が一番だ。俺と廉人はいい勝負をしている。そして時間が進みお互い2~3匹程度釣り終えたころ、


「うわぁ! 超大物だわ! ちょっと、手貸してくれ廉人!」


 先に大物が掛かったのは俺あった。


「なんだこれ! 重すぎぃ!」


「何とっ、してでも! 釣るぞ!」


 そうして格闘すること1時間、ようやく釣れたのは20㎏は超えていると思われる魚?が釣れた。この湖の主ではないかという大物であった。


「やっと釣れた……てかありえないだろこのでかさ――」


「海ならわかるがここ湖だぞ……」


 呆然と疲れた体で立ち尽くす二人であった。


「――とりあえず俺の勝ちってことで帰るか……。さっさと釣った魚締めて秘密基地に」


「――ああ。今日はお前の勝ちだわ……」


 そうして釣りの疲れからか黙々と釣った魚を締めていった。慣れたものである。そして大物に取り掛かった。締めた瞬間、その大物は黒いモヤと共に消え去り、小さく綺麗な石と赤黒い石と綺麗な皮が1枚残された。


「「はっ?」」


 二人は立ち尽くしていた。


「おいおい、ちょっと待て俺の大物どこ行った。てかあの黒いモヤモヤ見えたか……? 」


「――見ちまったな。あのお化け魚があの霧みたいなのとそこに落ちてる謎のものになるところを……。一体なにが起きたんだ」


「――とりあえず、秘密基地に帰ろう」


 二人は締めた魚をクーラーボックスに、あの怪物魚から落ちた謎の物をバックに詰め込み秘密基地に帰る支度した。帰る道中二人はさっきの出来事を語っていた。


「あれ、って何だったんだろうな――」


「確実にファンタジーな事はわかるぜ……! ゲームならモンスターだなありゃ」


「確かにな……でも最新の化学かもしれないだろっ。ほら謎の科学者が作ったとか! ってこれもファンタジーだけど――」


「俺はファンタジー説を強く推す。絶対さっきの魔石とか魔獣の皮とかモンスターのドロップ品だぜ」


「小説とか漫画ならあり得るがさすがに現実的になあ」


 二人は帰りの道中終始あの現象について語りながら秘密基地に到着するのだった。


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「やっぱりあれって、モンスターって奴だったんだよ!」


 興奮気味に喋る廉人であった。


「うーん……あれがモンスターだとして何であんな所にいるんだ。てかモンスターにしてはなんとゆうか、弱いだろありゃ。だって魚だぜ」


「――いーや。あれはモンスターだね。そうじゃなきゃあんな現象おきないだろ」


「はあ……。――まあいいや、とりあえずこのことは詠のやつだけには教えとくか。それ以外には秘密にしろよ」


「ああ。こんなこと中二病だのなんだの言われるだけだからな。よみりんにも言われそうだけど。てかこのビックリギョからでたドロップ品、これどうする?」


 かえりがけの道中で話しながらあのでかい魚の名称を決めたのだ。でかいからビック、びっくりしたからビックリと、そしてビックリとギョッ(魚)っとする、とダジャレの三段構成で渾身の出来だと二人で笑っていた。そんなことはさておき、問題はこのドロップ品だ。


「やっぱりモンスターのドロップ品と言えば武器にしたりアクセサリーにしたりだよなあ――」


「わかるぜその気持ち……! さらにいえばこの綺麗な石なんて、レアドロップ品にも見えなくもないなっへへ」


 綺麗な石といっているそれは不思議な紋様が刻まれており既に既に価値がありそうだった。あとの2つはというと赤黒い石についてはゲームや漫画で出てくるモンスターから出る魔石のように見える。皮についてはモンスター特有の素材だろう。


 この現状にワクワクが隠せない二人であった。


 そして二人は暗くなるまで語り続けた。そして一旦このドロップ品については俺が預かることとなった。何しろこの秘密基地は俺の家から近いのだ。というかここは祖父母の土地であるためツリーハウスを作っても怒られない。まあ、あまり林の奥にはいかないよう言われているが。廉人の家も近所である。


 ともかく二人は家に帰ったのだった。


 そうしてこの出来事が今後、彼らの人生に関わる重大な出来事であることは彼らは知らない


Copyright(C)2023-アバルト

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