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魔王がポンコツだから私がやる。これ、私の黒歴史。見るな。【10万PV大感謝!】  作者: さくらんぼん
第07章 : カエデとツバキ──全世界が“理解”を諦めた日。
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#086 : 受付嬢ブチギレ☆石はヴァルハラ

こんにちはカエデです!


パン屋のおっソロさんに『宅配でもやってみたら?』って言われたけど、色々な人に怒られそうなのでやめました!


そこで、勇者らしく冒険者として食べて行くことに!


ほら、一応わたし勇者っぽいし!……たぶん!きっと!気のせいじゃなければ!


カエデ「が、がんばるよーっ!……たぶんっ!」

*この発想に至る時点で天然


おっソロさんが言うには「まずは身分証作りに冒険者ギルドに行っといで!まぁなんとかなるさね!あはは!」とのこと…。


そう決意した私は冒険者登録をしに冒険者ギルドに!


うぅ……不安だよぉ……。


──


冒険者ギルドに着いた私は、ギルドの中におそるおそる…えいッ!……入っちゃった。


カエデ「失礼しまーす……うわぁ…完全に場違いだな…」


ギルドは強そうな人達がたくさん!カエデショック!


受付で貰った登録用紙に必要事項を記入するみたい。


(勇者って書くと大騒ぎになっちゃうから、こ、こんな感じかな!?)


【カエデ / 人間 : 巨乳 / レベル1 / 備考:肩が凝るのが悩みです。】


受付嬢「職業が……巨にゅ………へぇ……肩が……ふーん?」

受付のお姉さんが用紙を見てから私の容姿を見て、ボソッと呟いたあとに書き足している?


【カエデ / 人間 : 巨乳 / レベル1 / 備考:肩が凝るのが悩みです。/ 受付注 : ナチュラルに人をイラッとさせるタイプ】


受付嬢「はい!ではこれで登録は完了です!」

受付のお姉さんは書類を棚に叩きつけていました。


カエデ「え……あの……ちょっと……?今、何か良からぬ事を書き足してませんでしたか…?」

私は受付のお姉さんに問いかけました。


受付嬢「はい!では次の人ー?オラァッ!早く来いよッ!……あ!巨乳の貴女(おまえ)はそこのイスに座ってお待ちくださいねッ(怒)」


カエデ「……は、はい。」


受付のお姉さん機嫌がとても悪くなっていたので、おとなしく言う事を聞かないと……。



その後、ギルドマスターさんとの実技試験を行うことに。


ギルマス「ふむふむ……れ、レベル1の人間……巨にゅ……な、何をしにここに来たんだ?」

ギルドマスターさんが私の登録用紙を見て驚いてました。


カエデ「えっとぉ……冒険者やってみたくて……あと、身分証とか?ほしくて……」

私はビクビク…


ギルマス「レベル1の巨にゅ……が旅に出たらすぐにモンスターの餌食になるぞ?」

ギルドマスターさんは帰ろうとしている…?


カエデ「でも!私は!他に出来ることも行く当てもなくて……。」

私は真剣に訴えかけた!だって真剣だし!カエデ真剣!


ギルマス「うーん……まぁ……とりあえず試験受けるか?……で、お前は何が出来るんだ?冒険者の荷物持ちか?」

ギルドマスターさんが険しい顔。


……んッ?……あれッ?……私は……旅で何が出来るんだろう?


私は途端に不安に。


あれ……どうしよう……何も無い……私は空っぽ……空っぽなんだ……空っぽの巨乳なんだ……。


すると、ポケットから声が…!


ウィルソン(ただの石)『カエデ!俺たちを忘れてないか?へへ!ほら!そこのおっさんに言ってやれよ!』


……ふわぁ!ウィルソン835世!!

あぁ!そうだった!私には頼もしい仲間たちが居たんだった!


私の目は光を取り戻しましたッ!

そして!ギルドマスターさんに言いましたッ!


カエデ「私は……私はッ!良い形の石を投げられますッ!」


私はポケットから取り出したウィルソン835世を見せながら鼻の下を指でへへん!


ギルマス「は?」

ギルドマスターさんは驚いてた!でしょでしょ?(*勘違い)


カエデ「見てもらった方が早いかな……えっと……そうですね……」

私は辺りを見回す。


カエデ「あ!あそこのマトに石を当てれます!」

私は遠くにマトを発見!でかした私!


ギルマス「え?あそこまで200メートルはあるぞ?」

ギルドマスターさんはマトを二度見しながら言いました。


カエデ「大丈夫です!……いくよ!ウィルソン835世!」


私はマトを見つめ、首を縦にふってから振りかぶり、腰を目一杯までひねり、振り上げた足を真後ろに向け……


ギルマス「……と!トルネード投法!?……え?投げるの?ホントなの?マジで?」

慌てるギルドマスターさんがトルネードなんちゃらとか、よく分からない事を言ってます。


カエデ「のもッ!」

私はそう叫びながらウィルソンを投げたッ!


ビュッ!!! ギュイーーーーーン!!! ズガンッ!!!!!

……パラパラパラ……


200メートル先のマトとウィルソン835世は砕け散った。


ギルマス「ひでおッ!?」

ビックリしたギルドマスターさんも叫びました。


カエデ「やったー♪ ありがとね!ウィルソン!成仏!成仏!してねッ!」

私は手を叩いてピョンピョン跳ねました。


ウィルソン835世の声と同時に天の声が聞こえました。


ウィルソン(ただの石)『へへ……ありがとうな……カエデ……先にヴァルハラで待ってるぜ……』

(カエデのスキル : 【ウィルソンを投げつける】のレベルが836に上がりました。)


ギルマス「……え?あ、あれ?……あのマトは魔法試験用でかなり頑丈に作ってあるんだけど……石で粉砕?……ちょっと色々追いついてこないんだけど……とりあえずさ?野球やった方が良くない?ご時世的にもさ!」


ギルドマスターさんは混乱している……?


《天の声 : ──だが本当の地獄は、ここからだった》



(つづく)

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