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魔王がポンコツだから私がやる。 ──恥ずか死した私の黒歴史。  作者: さくらんぼん
第06章 : リンド村を拠点にしました。名前は「サクラ帝国・湯けむり支部」です。
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#079 : 変身☆サクランマン爆誕

前回のあらすじ

→ サクラの文化が滅びた。


◇◇◇


そして実技試験が始まった。


(略)


辰美の試験:パンチ一発で終了。

辰夫の試験:パンチ一発で同上。

*この2人、本体はドラゴンだし。


そしてエスト様の試験だ。


ギルマス「さぁさぁ!お嬢ちゃん!かかってこい!」


エスト『あーい☆』


ギルドマスターは子供と遊ぶ気分のようだ。


エスト『いっきまーす!ダークアロー☆』


音よりも速く、影の矢が放たれる。


ギルマス「──無詠唱!?」


ギルドマスターが目を見開く間もなく、その手のミスリル剣が無残に砕け散った。


シュンッ……!ボキンッ……!


ギルマス「え……魔力制御が……完璧すぎる……子供の手から出たとは思えねぇ……っ」

「……ご、ご!合格ッ!」


エスト様は小さく「えへへ」と笑っていた。

その笑顔は、かつて泣き虫だったあの子の面影を、ほんの少しだけ拭っていた。


サクラ「ねぇ?辰夫、辰美?やっぱあの子……天才なのかな?」

辰夫「む?そうですな。先日のバリアの精度・強度はかなりのものでしたし」

辰美「しかも、本人いわく“夢で思いついた”そうですよ」


サクラ「……夢か。……うん、似合ってるわ。」

「あの子は……きっと、夢そのものなんだと思う。」


(……私の……ね?)


私は、自然と笑っていた。

Fは夢だったけど、あの子の力は現実だった。

それだけで──今日はもう勝ちみたいな気がしてた。



最後に美しい私の試験だ。


サクラ「ふふ……おじさま……?……壊せるものならどうぞ。」

 

サクラ「……ヤドカリモード!」


挿絵(By みてみん)


私は貝殻生成スキルでヤドカリの殻を作った。


サクラ「……おじさま……ちょっと待ってね?……よいしょっと……」(ゴソゴソ)


ギルマス「……。」


ゴソゴソ……


サクラ「あれ……き、き、巨乳が引っかかって……」


ギルマス「……。」


ヤドカリの殻に入ろうとするがちょっと狭くて入れない。


エスト『殻の中に入る姿がマヌケで笑える☆』

辰夫「サクラ殿らしいですな(笑)」

辰美「こういう締まらないところが良いのです(笑)」


ゴソゴソ……


サクラ「さぁどうぞ!巨乳でごめんなさいね!」


ギルマス「あ、はい。」


ヤドカリから声が確認できると、ギルドマスターはヤドカリに攻撃するが、一向に壊れる気配が無かった。


ギルマス「……はぁはぁ……か、硬すぎる……ご、合格!」


サクラ「ふふふ……戦わずして勝つ……私は美しい……。」


私は ニョキっとヤドカリから顔だけ出すとドヤ顔で言った。


エスト&辰夫&辰美『「「その姿キモいけど、そのスキル凄くない!?」」』


一同は驚いた。


サクラ「ふふふ!こんな事も出来るのよ!……見てなさいッ!」


調子に乗った私はヤドカリから飛び出し、密かに練習していた憧れのあの技を披露した!


サクラ「サクランマン!!」


瞬間!貝殻の鎧が私の全身を覆う!


挿絵(By みてみん)


エスト&辰夫&辰美『「「……おおお!?カッコいい……いや胸ーッ!嘘つくな!」」』


サクラ「……キュイーン……ガチャン!……キュイーン……ガチャン!」


サクラ「Hi !! 調子はどう?ジャーヴィス。」

サクラ(裏声)「コンニチハ サクラサマ キョウモ ウツクシイ デスネ」


エスト&辰夫&辰美『「「…おおお!?し、喋った!?」」』


ざわ……ざわ……

 ギルド員F「え?今……俺の脳に直接……?」

 ギルド員G「幻聴か……いや、みんな聞こえてる……!」

 ギルド員H「おい、あの鬼女、頭の中にAI積んでるぞ!?」


ちなみに効果音含め、全て私の声だ。

何を隠そう私もそういう時期なのだ。

もっと言うと拗らせてさえいる。


サクラ「ふふふ……手のひらと足の裏からビームを出せれば完璧」

「それを応用すれば空も飛べるのよッ!」


エスト&辰夫&辰美『「「…す!すごい!!!」」』


サクラ「さらにもう一つ、仮面サクラーというのもあってね?」


サクラ「……こうしてベルトに風を当てると……」


エスト&辰夫&辰美『「「……おおお!!!かっこいい!!!」」』


サクラ「それからサイク◯ン号というバイクを貝殻でね……」


エスト&辰夫&辰美『「「……バイク?」」』


ギルマス「お前ら早く帰れよ!」


サクラ「文化だもん!!!」


ギルドマスター「帰れ。」(怒)


全員『「「「はい。」」」』


ギルドマスターに怒られたので帰った。


── こうして、私たちは無事に冒険者となった。


(つづく)


サクラ「あの日、文化は私の中で生まれ、砕け散った。──でも、そのカケラが世界をちょっとだけ明るくしたなら、それでいいんだ。」


◇◇◇


《征服ログ》


【征服度】:4.05%(冒険者ギルドへの正式登録達成)

【支配地域】:オーミヤ(一般市民・ギルド関係者との信頼度上昇)

【主な進捗】:

 ・冒険者ギルド登録完了

  (ステータス備考欄が最も笑いを取った模様)

 ・全員が実技試験をクリア

  (辰夫・辰美は一撃、エスト様は実力開示)

 ・サクラ、貝殻スキルを駆使し

  “ヤドカリ防御”“サクランマン”を披露

 ・備考欄と妄想演出がギルド職員のSAN値を軽く削る


【特記事項】:

 ・Fカップ見栄バトル、敗北により文化遺産認定

   →「Fは文化ッ!!!」

 ・エスト様、正直すぎて「魔王だよ☆」と申告

   →命が危なかったので修正

 ・辰夫と辰美、備考欄で正直な人生と愛を表現

 ・サクラ、貝スーツで変身

   →完全自演演出(音声・SE込み)

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