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魔王がポンコツだから私がやる。 ──恥ずか死した私の黒歴史。  作者: さくらんぼん
第06章 : リンド村を拠点にしました。名前は「サクラ帝国・湯けむり支部」です。
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#077 : 冒険者ギルド☆魔王自己申告事件

前回までのあらすじ

→ お姉ちゃんが借金返す気になった。(当たり前)


◇◇◇


そして、オーミヤの街の冒険者ギルドへとやってきた。


冒険者ギルドの中はたくさんの冒険者で賑わっていた。


サクラ「へぇーここが冒険者ギルド。」


エスト『強そうな人たちがたくさんいるね☆』


辰夫「ふむ。そうですな。」


辰美「まぁ私たちより強い冒険者は居ないと思いますけどね。」


ざわ!ざわ!

冒険者の一人が私たちの姿を見て言った。


冒険者A「お!モンスター領主を倒した人たちだ!」

冒険者B「おー!あの時のキレイな鬼の姉ちゃん!」

冒険者C「へぇ……あれが……」


ざわ……ざわ……


サクラ「ふふ……すっかり有名人ね。仕方ないわね…こんなにも美しいのだから…」


エスト『でもペッタンコ☆』


サクラ「……。」


ガツン!


エスト『きゃあ☆』


ざわ…ざわ…


冒険者D「見ろよ……あれが“酒一升で領主を倒した鬼”だ……」

冒険者E「いや俺が聞いたのは“ドラゴンスクリュー百烈で城壁ごと粉砕した”って話だぞ?」

冒険者F「いやいや、“ツノで月を割った”って証言もあった」

冒険者G「……ペッタンコは事実らしいけどな」


サクラ「誰が月を割っただコラァ!?しかも最後の噂だけ真実混ぜんな!!」


(エスト様と辰美が後ろで大爆笑、辰夫だけ「…訂正する気も起きませんな」って真顔)


私は冒険者達に軽く睨みつけ、そのまま小娘・辰夫・辰美に頭突きをしてその場を切り抜けた。


まずはクエストを受ける方法を確認しなければならない。


サクラ「辰夫、辰美。クエストを受けるための手続きを確認して来なさい。」


辰夫&辰美「「はい。」」


辰夫達に指示を出し、私は掲示板(クエストボード)を見てみる。


サクラ「へぇ……色んなクエストがあるのね。……高額なのはどれかなっと……ん”……?」


私の目に とある依頼書が飛び込んで来た。


── その依頼書にはこう記してあった。



【魔王討伐 → 報酬:10億リフル】



サクラ「んん……?……うーん……?」


私は依頼書とエスト様を交互に見る。

エスト様は冒険者たちとはしゃぎ回っていた。


サクラ「エスト様!エスト様!ちょっと良いですか?」

エスト『ん?なーに☆』


私はエスト様の耳元で小声で確認をする。


サクラ「あの……念のため確認なのですが、エスト様は魔王ですよね?」

エスト『何をいまさら☆ あったりまえなのだッ☆』


ざわ…ざわ……


ギルド員A「え……この場に魔王いるってこと?」

ギルド員B「え、誰?あの小さい子?」

ギルド員C「いやいや、隣の黒髪の美女(=サクラ)だろ。雰囲気が魔王だ」

ギルド員D「……でもペッタンコだぞ?」

ギルド員E「魔王でも胸は育たないのか……」


サクラ「うるせぇぇぇぇ!!ペッタンコ関係ねぇだろぉおおおおお!!」


エスト『わたし魔王だよ☆』

全員「「「自己申告ぅぅぅぅ!?!?」」」


ざわ!ざわ!


サクラ「えっと……あのクエストなのですが……」

私は魔王討伐の依頼書を指差した。


エスト『ん?どれど……れ……ええ……わ、わたし!?……10億……?」


依頼書を見たエスト様がショックを受けていた。


そして、私は頷きながら尋ねる。


サクラ「それで、どうします?……あのクエスト……受けませんか?」

エスト『受けないよ!』


サクラ「あ、すみません。私の言い方が悪かったです。」

エスト『え?』


私はエスト様の両肩に手を置き、揺さぶりながら諭す。


サクラ「……魔王様……?……どうします?……自首……しますか?」

エスト『しないよ!まだ何も悪いことしてないよ!』


私はアヒル口で確認する。


サクラ「……10億なのに?」

エスト『つ、捕まったら私はどうなるの?』


私はアヒル口で雑に答える。


サクラ「……まぁ魔王だし……VIPとして高待遇されるのかな?」

エスト『いーや!疑問系ーッ!目を見て言えよ!』


私は身構えながら裏声で言う。


サクラ「デタナ!マオウ!カカッテコイ!マオウ!」

エスト『ちょ!ここではシャレにならないからヤメロ!』


エスト様が手足をドタバタさせながら慌ててると、辰夫達が戻ってきた。


辰夫「お!何やら楽しそうですな。」

辰美「あはは!ホントあの2人は仲が良いですよねw」


── こうして私は一発で10億の夢のクエストを諦めた。


(つづく)


※次回!冒険者になる為の実技試験が!相手は人間?大丈夫なの?


◇◇◇


《征服ログ》


【征服度】:4%(街との信頼構築進行/冒険者ギルド登録準備)

【支配地域】:サイータマ領(名実ともに支配圏として機能開始)

【主な進捗】:

・巨大ヤドカリ化(逃避フェーズ)からの復活(※噴水破壊により追加負債)

・冒険者ギルド登録へ移行、街中の評判上昇中

・魔王討伐依頼によりエスト様が震える→即座に逃亡を図るも捕縛(未遂)


【特記事項】:

・おばあちゃん名言発動 →「おじいちゃんはリモコンでリモコンを探す未来のない男」

・ヤドカリの殻、ジル邸噴水を破壊→被害額1,000,000リフル追加

・チキチキ実験シリーズ、未遂に終わる(ヤドカリ崖投棄案ほか)

・サクラの精神力、借金→寝落ち→復活という鉄の三段進化を達成


(つづく)

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