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魔王がポンコツだから私がやる。  作者: さくらんぼん
第01章 : 転生してもAでした。
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#007 : レベル上げ☆地獄のスパーリング開始

前回までのあらすじ

→ しんみりしてた。


◇◇◇


(前回のしんみりを受けて)

「……これからの私の運命は、どうなるんだろう……」


深刻な顔で天井を見上げ──


“魔王も私もヒヨコ Lv.1──はい詰み”


「……はい!切り替え完了!」(切り替えの速さ世界一)


「で、レベル上げってマジ?」


思わず弱々しい声が漏れる。


心の中では、激しく拒絶反応が起きていた。


『そ、そうだよ☆』


エスト様は元気そうに言ったが、目が泳いでいる。

この小娘、魔王の威厳を保とうと必死だ。


「嫌いな言葉?──努力・頑張る・PDCA。」


『最後のは知らないよ!』


「要するに、何度もテスト勉強しろって話よ。地獄のループ。KPIも嫌い。数字で殴られるやつ。」


====================

サクラさんのブラック企業用語ミニ辞典

 ・PDCA:永久機関。回すたび魂が削れる。

 ・KPI :数字で殴られる拷問。

====================


『ま、まずはさ!現状を確認しよう!』

『ステータスオープンって言ってみて☆』


「は?なんで?いやですよッ!」


(沈黙)


『いや!言えよッ!なんで拒否!?』

『レベル確認して、計画立てようよ!!』


「だから計画とか苦手なのに……まぁ仕方ない」

「ステータスーッ!オープンーッ!」


『結果発表ーッ!みたいな!?』


──チカチカと光が浮かび上がり、目の前にステータスウィンドウが現れた。


\\ ぺったん!! // (※ウィンドウが開く効果音)


「おい!効果音!ふざけんなぁあああああ!?」


================

【サクラのステータス】

レベル:1(やっぱり)

スキル:怪力 / 偏食

称号:ぺったん鬼女【呪い】←全ステ20%ダウン(笑)

性格:横暴・自己中・そして、美しい(本人談)

特技 : 寝る前に自分を褒める。逆ギレ。

================


(凝視中)


「……ん、か、怪力?ぺ、ぺったん鬼女?」

「の、のの呪い?ステータスダウン(笑)ってなにこれ!?」


『うわぁ……ひど……』


(沈黙)


「常時デバフ体質……?マジで……?」

「なんで私は転生早々こんなに十字架背負ってんだよ!おいクソ世界ィィィ!」


『おいしいネタだと思わないと!』(励ましてるつもり)


(沈黙)


私は目の前のウィンドウを見つめたまま、しばらく呆然と立ち尽くす。


「……。」


現実味のなさに、しばし言葉が出ない。


……そしてもう一つ気になる称号が。


================

【称号詳細:世界一タフな性格】


説明:

あらゆるストレスを「まあいっか」で流す最強メンタル。世界一の雑草女。


鬼化後もその性格は変わらず ── 世界が何度背中を蹴っても、

笑って中指立てて立ち上がるお前のような者こそ、魔王に選ばれるのだ。

================


「……は? タフ?私が?バカじゃないの。」

「ただムカついたら殴ってるだけでしょ?」


『それがタフ☆』


(……褒められてるのこれ?)


しかし、このステータスでは異世界無双など夢のまた夢。


さてと……どうするかだ。

とりあえずは……


「エスト様!いや魔王様!ファイトです!私の代わりに頑張ってください!」


『無理だよ!!だからお姉ちゃんを召喚したんだよー!』


即答。


世界征服したいと言ってる魔王がこの弱気っぷり。

これは教育(物理)が必要だ。


「……仕方ない……それなら提案があります。」


『な、なに……?』(嫌な予感MAX)


私は拳を握りしめた。

脳裏に、ムダ様の名言がよぎる。


《敵も味方も、まず殴れ。会話は最後だ。》


「──スパーリング、しましょう」


『え?スパ……なに?』


「あなたは魔王。ウルトラレア!はい殴る!」

「はい経験値ズドン!もうそれだけ考えてた今!」


『な……なるほど!?』


「大丈夫。試してみればわかります。」


『ちょっと不安だけど、まぁ、でも☆』


しかし、エスト様がどこか余裕の笑みを浮かべる。


『私にはバリアあるしー?☆』

『レベル1のお姉ちゃんじゃ絶対壊せないしー?☆』

『ちゃんと魔法の教科書に載ってたやつだしー?☆』


エスト様の足元に魔法陣が光り始める。


ぶわっ──と光の粒子が舞い上がり、エスト様の周りに透明な球体が形成された。


『バリア完成!これで安心だよ☆』


魔法のバリアがエスト様を完全に包み込んでいる。


触れられそうで触れられない、光る膜のような防護壁。


「おぉ……今のが魔法……!」

「確かにバリアだ……」(バリアをコンコンとノック)



「じゃ、試してみますね?」


『うん!こいこい☆お姉ちゃん!』


エスト様が得意げにバリアの中から手を振っている。


私は一歩、踏み込んだ。


右手を引き絞り──パンチを繰り出す!


ズドン!!


拳がバリアに激突!


光の膜が "ブルン" と、波紋のように揺れる。


──次の瞬間。


\\パリィィィィィン!!!//


まるでガラス細工のように、バリアが粉々に砕け散った。


「はい証明完了。努力ゼロでも世界は壊せます」


(つづく)


◇◇◇


\\次回予告!//


魔王の間に、再び嵐が吹き荒れる!

爆笑か、絶望か──それとも新たな地獄か!?


次回──

#008 : 勇者爆誕☆私、魔王軍です☆


\\お楽しみに!//


◇◇◇


──【グレート・ムダ様語録:今週の心の支え】──

『敵も味方も、まず殴れ。会話は最後だ。』


解説:

説明している間に殴られるくらいなら、殴ってから謝る方が生存率は高い。

問答無用こそ最善の戦術。外交?知るか。拳で語れ。

それでも話し合いたい奴がいるなら、先に床に叩きつけろ。

立場が変われば、考えも変わる。

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― 新着の感想 ―
いい言葉ですね。まず殴れ。会話は最後。自分の人生の教訓にしたいぐらいです。私も明日から誰かに会ったらますパンチします。ステータスにまで煽られてなお、前向き?な主人公が素晴らしいです。鬼女のぺったんでな…
 PDCA KPIにそんな意味が!?  それに効果音楽し過ぎるっ、笑って腹筋が鍛えれます!
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