表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王がポンコツだから私がやる。これ、私の黒歴史。見るな。【10万PV大感謝!】  作者: さくらんぼん
第06章 : リンド村を拠点にしました。名前は「サクラ帝国・湯けむり支部」です。
69/168

#068 : 胸以外狙えよ!☆天丼バトル領主戦


前回までのあらすじ

→ 色々ギリギリだと思った。


◇◇◇


ガン!!!


モンスター領主が投げた瓦礫が私の胸に当たった。


サクラ「かはッ……」


エスト『お姉ちゃん!?』

辰夫&辰美「「「サクラ殿/さん!?」」」


サクラ「……ぐっ……くそ……油断した……って……あ……貝殻……痛くない……」


なんと!クミコ・ゴッデス・タケダさんが私をガードしてくれていた。

私は口に手を当て、目をパチクリしながら ビックリ!のポーズを取っていた。


エスト『な、なんて締まらない戦いなの…』(呆れ顔)

辰夫「はっはっは!サクラ殿らしいな。」(笑いながら)

辰美「こういうところが好きなんだよなー」(うっとり)

ジル「美しい……」(恍惚)



……ほんっと、しょうがないわね。


なんで毎回こうなるのよ。

“魔王軍”って看板、あるけどさ?実質ボディガードじゃん、私。


……ふふ。でも、いいのよ。

小娘が笑ってるうちは、それでいい。

私がやるわよ。誰のためでもなく、私のためにね。


私は仕切り直すように袖を捲りあげ…


サクラ「あービックリした!……とりあえず退治しますかね!小娘!周囲にバリアを張って街に被害が出ないようにしなさい!私の街になるんだしね。」


エスト様に指示を出す。


エスト『あいよー私の街になるんだし☆』

『ふふふ……こんな時のためにも考えてたの!

『その名も──《絶対迎撃魔障壁ちゃんグレート!》!』


エスト様を中心に強大なバリアが街の広場を覆った。


サクラ「ネーミングのクセが強い!!」


辰夫「おお……機能は完璧だな……」


辰美「え、これ自作!?理論構築どうなってんの!?」


エスト『凄いでしょ!?グレートがポイントだよ☆』

サクラ「成長したじゃん?ポンコツのくせに?」

辰夫「魔王っぽくなってきましたな…」

辰美「ちょっとかっこいい…」


エスト『えへへへ〜☆』

嬉しくてクネクネしていた。


いいね。この娘が嬉しそうだと私も幸せな気持ちになる。


ざわ……ざわ……


街の人A「あのモンスターに立ち向かってる人も鬼……だよな?モンスターだよな?」

街の人B「ジル様も一緒にいるけど……仲間……なのか?」

街の人C「領主様がモンスターだったなんて…」


ざわざわ……

人々はバリアの向こうからこちらの様子を見ている。


あとで色々とややこしいことになりそうだ。


サクラ「どうやら私に恨みがありそうだし、ギャラリーも居るから辰夫と辰美がドラゴンの姿に戻ったら……さらに人々を怯えさせることになるし……私がやりますか……ねッと!」


そう言いながら巨大な貝殻を生成し、投げつけた。


シュッ!!


領主(怪)「……ぐがっ!」

領主は飛んできた貝殻を振り払った。


領主が貝を振り払う隙に私は領主の背後に回り込んだ。


サクラ「あっはー!貝殻めっちゃ便利ー!」


そう言いながら貝殻を生成し、拳を覆いナックルにした。


領主の後頭部に右ストレートを放とうとする。


サクラ「喰らいなさい!良い子は真似しちゃダメな…後頭部パーンチ!」


スカッ!


領主は私のパンチを避けると、すかさず反撃のパンチをしてきた!


ガン!!!


サクラ「ぐっ……ん!?痛くない……?」

またしてもクミコ・ゴッデス・タケダさんが私を助けてくれた。


エ夫美『「「「いや!貝殻スキルさ!それ当たりスキルだろ!」」」』


領主(怪)「鬼の女……お前さえ居なければ……殺す殺す殺すーッ!」

領主の殺気がさらに膨らみ、再度パンチを繰り出す!


ガン!!!


サクラ「ぐっ……ゎーぉ……」

またクミコ・ゴッデス・タケダさんが(略)

私は読者の皆さんにゴッデスの写真集を買ってくれよなと思った。


エ夫美『「「「何枚付けてんだよ!領主も胸以外狙えよ!」」」』


一同のイライラがピークに達していたので、この天丼(お笑い用語)もここまでだなと私は思った。


領主(怪)「鬼の女…私はもう……終わりなんだよ……全て失った……しかしな……最高の気分なのだ!破壊が快感をもたらすのだ!ふははははは!」


私の肩がゆっくりと上下する。息を整えて、ひとつ、吐き出す。


サクラ「……ねぇ、領主?」


声は自然と静かになった。

怒ってるわけでも、叫びたいわけでもない。


ただ、伝えたいだけだった。

今のこの──歪んだ私を。


サクラ「わたし、ちゃんと間違えられてるかな。正しく狂えてるかな?……あんたの“正しさ”で測ってみてよ。そしたら──」


私は口元をゆるやかに笑わせた。けれど、目は笑ってなかった。


サクラ「ぶっ壊してあげる。そのモノサシごとね」


ずっとこっちは壊されてきたんだ。

誰かの都合で、誰かの“正しさ”で、勝手に決められて、黙って、飲み込んできた。


でもね──


今度は、私の番。


サクラ「だから今度は、こっちが壊す番なの」


……ふぅ。


サクラ「──さ、続きやろっか? モンスター領主さん?」


領主が拳を振り下ろす瞬間、私は真正面から拳をぶつけた。


ガキィィン!!


貝殻と領主の拳がぶつかり合い、衝撃波が走る。


地面に足がめり込む。私は一歩も引かなかった。


サクラ「はッ!いくぞ!!」


(つづく)


※次回!モンスター領主戦クライマックス!!


◇◇◇


《征服ログ》


【征服度】:3.3% ※進展なし(オーミヤ騒乱事件・貝殻防衛戦)

【支配地域】:オーミヤ(実質的影響力上昇中)

【主な進捗】:

 ・サクラ、貝殻スキル【殻体(シェルフォーム)】に目覚める

 ・Fカップの夢を貝で盛る → ノーベルボイン章受賞候補(妄想)

 ・街に現れたモンスターはまさかの変異した領主

 ・エストの成長:魔障壁《絶対迎撃魔障壁ちゃんグレート!》展開

 ・街の民衆がサクラたちに注目し始める(良くも悪くも)


【特記事項】:

 ・辰夫:久しぶりに飛ぶ。(辰夫ロケット)

 ・エスト様:もう少しでエストミサイルの餌食。バリアもネーミングも成長(ダサいけど効果抜群)

 ・辰美:情緒の乱高下が止まらない。今日も末期

 ・サクラ語録:「わたし、ちゃんと間違えられてるかな。正しく狂えてるかな」

  → 作者はめっちゃ恥ずかしい。


◇◇◇


──今週のサクラ語録──

「わたし、ちゃんと間違えられてるかな。正しく狂えてるかな。」


解説:

正しく生きることに、もう疲れた。

誰かの“正しさ”を守っていたら、

いつのまにか自分の輪郭が、にじんで消えていた。


だからせめて、間違えるなら思いきり。

狂うなら、自分の意志で。

壊れる前に、自分で壊してしまえたなら──

それはきっと、“私”を守る唯一の反撃だったのだ。


……世界征服なんて、たぶんその延長線。

お腹すいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
 エ夫美の突っ込みがwww  殻体が当たりスキルだったの、びっくりしましたわwww    いつもながらのテンポの良さ、楽しんでおります!  
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ