#061 : 恋愛耐性ゼロ☆サクラさんマジで処理落ち中
前回までのあらすじ
→ カッカッカッーーーーーッ!ぶぁーーかーめーぇー!!!騎士道ー?ご立派でーすねー!カーーーーーッカッカッカッ!!!
◇◇◇
サクラ「うーん…エスト様。こいつらどうします?ダンジョン開墾の為の労働力にしますか?」
エスト『そうだね☆お迎え呼ぶよ!【百鬼夜行】☆サタン!』
エスト様はサタンを召喚した。
シュバッ!!!!!
瞬間!サタンが現れた!
サタンは昼ドラを観ている主婦のように寝転んで煎餅を咥えていた。
サタン「んなーッ!?こ…ここは!?」
慌てたサタンがキョロキョロしながら言った。
サクラ「ほぅ。真昼間からサボりか?」
私は刀を抜きながら言う。
サタン「いや、あはは……魔王様……サクラ様……この突然召喚するやつ、こちらの事情も考慮してもらわないと困ります。」
サタンはゆっくりと起き上がりながらクレームをつけた。
エスト『えー……めんどいし☆』
サクラ「サタン!お前が意見するな!」
サクラ「も!申し訳ありませんでした。」
私の怒号でサタンは黙った。
ざわざわ……
部隊員A「え?魔王……?……サタン……?」
部隊員B「魔王が復活していたのか……?」
部隊員C「ど、どっちが魔王なんだ……?」
ざわざわ……
正座している精鋭部隊がエスト様の正体を知ると怯えだした。
エスト『とりあえずサタン!この人たちを連れてってお仕事を与えて☆』
サタン「畏まりました。魔王様。【眷属召喚】!」
空間に黒い裂け目が出現すると、その裂け目から無数の悪魔が現れた。
部隊員D「ひ!ヒィッ!」」
部隊員E「いやだ!助けてくれー!」」
精鋭部隊は絶望した。
サタン「ふふ…私たちの命を狙って来たんだ。当然殺される覚悟もあったんだよな?まぁ殺さないだけありがたく思うことね。」
そう言いながら、私は刀を部隊長の糸目に突きつけた。
しかし、予想外の展開が待っていた。
糸目は私の言葉には耳を貸さず、じっと私を見つめながら言った。
ジル「……美しい……そして強い……どうやら私は貴女に惚れてしまったようです。どうか私を貴女の側に置いてくれませんでしょうか?」
その突然の告白に、私は完全に動揺してしまった。
サクラ「え?なッ……?……はい?ちょ……やめてょ……そういうの……ゃめなょ……」
私は慌ててうつむいた。
転生前から色恋沙汰とは無縁だった私にとって、このような状況は全く想定外だった。
そんな中、辰美が突然叫んだ。
辰美「だ!ダメだ!サクラさんは私の……えっと……と、とにかくダメだッ!でも今のサクラさん可愛い!それはナイス!」
辰美の心が壊れていた。
辰美のこの言葉に、状況はさらに混沌としてきた。
そんな中、エスト様が冷静な提案をした。
エスト『お姉ちゃん!罠のような気もするけど、糸目さんは一緒に連れてった方が街に入りやすくなると思わない?』
辰夫「なるほど。一理ありますな。」
辰夫も相槌をうった。
サクラ「エスト様!?どうしたのですか?小娘のクセに頭めっちゃ良い!小娘のクセにッ!ポンコツなのに!それと辰夫ッ!てめーは黙れッ!」
私はエスト様の成長に震えた。
エスト様と辰夫も震えていた。
辰美は歓喜に震えていた。
サクラ「うーん。とりあえず縛ったままで連れて行きますか。……辰夫!この糸目をしっかり見張りなさい。言っとくけど、糸目は絶対何かあるからね。目が開いたらめっちゃ強いとか、目が開いたら裏切るとか。目が開いたら第二の人格が現れるとか。」
辰夫「承知。我もこの男には何かを感じます。」
私がフラグを立てていると、辰夫がフラグに登った。
ジル「ありがとうございます。私はサクラ様の忠実な僕として生きて行きましょう。証明して見せますよ。」
糸目は言った。
だが、まだ目が開いてないので真偽は分からない。
辰美「私もサクラさんに縛られたいなー。」
辰美がボソッと言った。辰美はもう色々ダメな気がする。
…
さてさて、そんなわけで領主に挨拶する楽しみが増えた。
(つづく)
◇◇◇
《征服ログ》
【征服度】:3.1%(街道戦勝利+敵戦力の人材化)
【支配地域】:未定(街道通過中)
【主な進捗】:王国騎士軍・精鋭部隊を奇襲にて無力化し、
サタンの眷属として労働力へ転用。
加えて敵将・ジルを仮従属化。
旅路の安全確保と街への侵入ルートを獲得。
【特記事項】:征服とは「勝つこと」ではない。
「負けたふりをして勝つこと」である。
信頼を踏み台にし、恋愛も利用し、
ドラゴン・スクリューで未来を切り拓け。