表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/168

#048 : 絆の証☆胸を見つめた親友の誓い


私と辰美は北の山からリンド村への帰路に着いていた。


サクラ「辰美。これからは村で人間と暮らす事になるけど、辰夫と同じく、人型にはなれるよね?まぁ……なれなくても力技で人型にするけどなぁ……?」


私は歩きながら辰美に尋ねると、指をポキポキ鳴らした。


辰美「ひぃ!り、竜人族の姿になれます!」(ガクブル)


そう言うと辰美は人型に変身した。


サクラ「……お?」


竜人族の辰美は私と同じ10代後半くらいの姿だろうか。

髪は赤い色のショートヘア、ややキツめの目つきがとても美人である。


── そして…私は胸に目を移す。


サクラ「……辰美ーーーーーぃッ!」


辰美「は、はい!?」


サクラ「……私たち……ずっと親友だぜ……?」

私は辰美の胸を凝視しつつ、最高の笑顔で親指をグッてした。


辰美「くっ……」


辰美は自分の胸を押さえ、下を向いた。


そう──。


辰美もペッタンコだった。


上機嫌の私はスキップしながら辰美に話す。


サクラ「いやぁ良かったよー?もしも主人より大きかったらさーぁー?刀で切り落とす必要があったからさーwww」


(沈黙)


サクラ「…………あ!……首をなぁ?」


私はスキップを止め、刀をチラつかせた。


辰美「ひぃッ……」


辰美はペッタンコで良かったと心から思った。


そして、私たちはリンド村に戻った。



◇◇◇



村長に火竜討伐の報告し、この一緒に居るのがその火竜だと告げ、慌てる村長を尻目にしつつも、いつもの宿屋に着いた。


サクラ「エスト様。ただいま戻り……あら……ふふ……。」


部屋に戻るとエスト様はベッドで寝ていた。


辰美「ああ……この方が、魔王様ですね。グッスリ寝てますね。」


辰美はエスト様の寝顔を見て言った。


サクラ「ふふ。お腹を出しちゃって……風邪をひくわよ。」


私はエスト様が風邪をひかないようにと、そっと布団をかけた。



── そしてエスト様が目覚めた。


エスト『……うーん……?』


サクラ「お目覚めですか。エスト様。ただいま戻りました。」


エスト『あ!お姉ちゃん☆おかえりー☆』


サクラ「火竜討伐に行って、火竜を配下にしてきました。あと……こないだの酒場の冒険者3人も成り行きで…」


私はちょっと残念そうに戦果を報告した。


エスト『おおー☆さすがお姉ちゃん☆』


サクラ「辰美。自己紹介を。」


辰美「はい。火竜の辰美……と言います。特技は火を吹く事です。好きな食べ物はタマネギ、嫌いな食べ物はピーマンです。夏が嫌いです。暑いから。宜しくお願いします。」


エスト『私は魔王のエストだよ☆よろしくね☆』


エスト様は嬉しそうに笑った。


サクラ「あ!そうそう。辰美も "私の配下" ですので。」


エスト『ぅん……そうだろうね……。』(虚空を見つめながら)



少ししてから私は悪魔の女(面白いお姉さん)のことをはなした。


サクラ「というわけで、その人がめっちゃ面白かったのです。」


辰美「私!あの人にまた会えたら友達になってもらおうと思ってます!」


私が説明を終えると、辰美は目を輝かせた。


エスト『うーん?悪魔のような感じ……?心当たりが無いなぁ…』


エスト様は首を傾げていた。


サクラ「そうですか。まぁ、また来るみたいな事を言ってたので。」



次に、本題である温泉の報告をした。


サクラ「エスト様。北の山で温泉を掘り当ててしまいました。」

「そのお湯をこの村と常闇のダンジョンの 2箇所 に引っぱる工事をしたいです。」


サクラ「そこで、常闇のダンジョンの私の魔王軍を使っても良いですか?まぁ私の軍だし、良いよね。人間に見られないよう、夜にこっそりと工事をする予定です。」


辰美「おぉ…魔王軍!?」


辰美は魔王軍にそんな使い方があるんだ!と、関心した。


エスト『うん!いいよー☆でも、村は分かるけど、ダンジョンに温泉を引いてどうするの?……あとお姉ちゃんの軍じゃないよ……。』


(沈黙)


サクラ「……。」(無視)

エスト『……。』(ゆっくりと虚空を見つめる)


(沈黙)


私は「よくぞ聞いてくれた小娘!」というドヤ顔で語り始めた。


サクラ「温泉は魔王軍のモンスターへの福利厚生的な意味合いとなります。魔王軍にもたまには癒しが必要ですからね。」


サクラ「それに、ダンジョン周辺をモンスターの村にして、この村と繋げていけば──人とモンスターが共存する未来も、あり得るかもしれません。」


サクラ「もちろん、そのためには私たちが“安全で、有益な存在”として認識される必要があります。課題は山積みですけどね。」


エスト『ずっと真面目な話してるけど…うーん…誰だったっけ…この人…』


サクラ「黙って聞け!小娘がッ!」


エスト『……ああ!お姉ちゃんだ!!』


エスト様は満面の笑みを浮かべて私に抱きついてきた。


サクラ「ふふ。」


私はエスト様の頭を撫でた。

留守番が寂しかったのかな。


サクラ「話を続けますね。村側の工事は辰美と3馬鹿にやらせましょう。常闇のダンジョン側はワイトとサタンに。私は村長に話を通しておきます。」


エスト『わくわく☆』


サクラ「ちなみに辰夫は今のバイトを続行です。私たちの生活費が無くなってしまいますので。」


エスト『うん☆そうだね☆』


辰美「……え?魔王パーティーはバイト代で生活してるの!?」


辰美は帰りたいと思った。


(つづく)


\\次回予告!//


ナレーション「火竜を従え、仲間も増えて、帰ってきたサクラたち──」


エスト『え?温泉?工事?』

辰美「魔王軍にそんな使い方が……」

サクラ「福利厚生だよォ!!!」


──夜、月明かりの下に集まる魔王軍。

響き渡るのは……まさかの「コマネチ」!?


辰夫「なぜバイト帰りにスクワット……」

エスト『魔王軍☆闇夜に響くコマネチ!?』


サクラ「征服とは、まず“裸の心”を作ること!」


──次回!

#049 : 魔王軍☆闇夜に響くコマネチ


ナレーション「血と汗と湯気にまみれた、謎の残業タイムが始まる……!」


\\お楽しみに!//

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ