#026 : 魔王チート解放☆便利すぎてポンコツ大混乱
前回までのあらすじ
→ 魔王軍(3バカ)地上に進出。
◇◇◇
《天の声》
── 以下はエスト覚醒のログである。
…
エスト『あ…レベル上がった!なんかまた…頭に変な声が……』
──【天の声:魔王認証確認】
──《百鬼夜行》スキル、強制解放。
──【補足】:このスキルは、倒した配下を問答無用で召喚します。拒否権もありません。ご了承ください。
エスト『お姉ちゃん!?私は配下召喚出来るみたい!』
サクラ「……え?」
エスト『ちょっとやってみるね! 百鬼夜行!サタン☆』
サクラ「ん……?」
──ズゴォォォォン!!!
地面を割って現れたのは──
昼寝をしているサタンだった。
サタンは召喚に気づかずに寝ている。
エスト『お昼寝サタン来た☆』
サクラ「これは笑うw」
私はお腹を抱えて笑った。
辰夫「さ、サタン、起きろ…」(サタンをツンツン)
サタン「……ん?ん?んなー!?リンドヴルム?あれ!?サクラ様!?エスト様!?」
エスト『やっほー☆』
サクラ「用は済んだから帰っていいよ。」
サタン「えっ何これ?ここどこ?強制的に呼んどいて徒歩で帰るやつ?!」(俺なんで呼ばれたんだろ……)
──サタン、泣きながら徒歩で90階層へ帰還中──
エスト『サタン!ごめんね!また困ったら呼ぶねー☆』 (ヤメロー! by サタンの心の声)
サクラ「うむ。あれはアレで良い……歩いて帰るサタン……風情がある……」
辰夫「わ、我も召喚対象なのか…?」(ガクブル)
エスト『なにこのスキル…便利すぎない?』
サクラ「凄い…百鬼夜行……最高に魔王っぽいな。」
──そのとき。
──【天の声:ついでにもうひとつ】
──スキル《パンドラの筺》、強制開放。
エスト『あれ!また頭に声!えッ!?また!?』
──パァァァァァン!!!
エスト様の目の前に"ゴツくて無駄にカッコいい黒い宝箱"が出現した。
エスト『……あれ? あれって……もしかして……』
──【補足】:
・これは異空間倉庫です。便利です。
・中身の出し入れ自由ですが、仕組みは自分で理解してください。
・魔王の間と繋がってます。出し入れは魔王の間にあるもの限定です。なぜなら魔王だから。
エスト『この筺が魔王の間と繋がってるみたい…!?』
(エスト様は箱を開けて、中から味付け海苔を出して私に手渡してきた)
サクラ「何それエスト様チートすぎない?」
(私は味付け海苔を食べながら答えた)
サクラ「……これってさ?この筺に入れば魔王の間にワープできるんじゃ?収納とワープ両方可能ってバグってない?」
サクラ『こ、これが……魔王の力……!?』
(あれ?小娘はポンコツだと思ってたけど天才系?)
私はエスト様を見直し……
その時エスト様の目の前に小さな蜘蛛が降りてきた。
エスト『きゃッ!?蜘蛛!蜘蛛怖いよお姉ちゃん!』
エスト様が私に抱きついてきた。
……見直さなかった。
……この子、ポンコツだけど時々本物の魔王だよな……
その後、蜘蛛が怖くてサタンを呼んでた。
サタン「んなー!?またー!?」
◇◇◇
《征服ログ》
【征服度】 :1.0%(ダンジョン制覇&世界進出)
【支配地域】:常闇のダンジョン(100階〜地上)/百鬼夜行の支配権
【主な進捗】:各階層ボスを制圧。
エストが魔王スキル《百鬼夜行》《パンドラの筺》を獲得。
ついにダンジョンを脱出。
【特記事項】:サタンが徒歩で90階層まで帰された。
魔王の間には味付け海苔がある。蜘蛛は無理。
◇◇◇
──【グレート・ムダ様語録:今週の心の支え】──
『今まで何度も転んだ。だが、転んだ数だけドラゴンスクリューの回転数が増えた。
解説:
転ぶたびに、俺のロマンは加速した。
そしていつか、世界を巻き込む回転になる。』




