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#010 : 魔王の真実☆HP68・筋力5・精神1


前回までのあらすじ

→ 魔王の弱点はアゴ


◇◇◇


外出する準備を続けながら、エスト様に質問してみた。


サクラ「ちなみにエスト様?勇者が現れたら、どうします?」


エスト『全魔力を使うけどアルティメットスキルで地獄にバカンス送り☆』(にぱっ)


サクラ「なるほど。大変参考になりました(ヒィィ……)」


(アルティメットスキル?……そんなのあるの?)


サクラ「エスト様のステータスを見せてもらってもいい?」


エスト『いいよ!ステータスオープン☆』


\\ ぴろぴろぴろ〜ん☆ ポンコッツ♪ //(*ステータス画面展開音)


エスト『変だよね?私、ポンコツじゃないし』(確信)

サクラ「うん、ポンコツって知ってた。」(確信)


エスト『……え、今“確信”って言った?』(動揺)


サクラ「……」

エスト『……』


(遠くからモンスターの笑い声)


==========

【エスト・ラピス・ネフィル】

魔王/レベル2

HP:68

 *怒られると3減る

MP:∞(制御不能)

 *空間が勝手にねじれる。本人は気づいてない

筋力:5

 *ペットボトル開けられない

知力:8(バカ)

 *会話のテンポはいいが、話の内容は全部まちがってる

精神:1(豆腐)

 *お姉ちゃんに怒られると泣く。でも反省・学習しない

スキル:

・天与の魔力(持ってるだけで迷惑)

  *魔力だけ最強

・奈落穿つ咎の瞳(勇者にだけ超特攻)

  *全魔力を消費し、勇者を魔界に封じ込める事が出来る

  *正式名はダサくないもん!と言い張っている

・その他、性格:純真・単純・バカ

  *本人は「天才」だと思ってる

==========


挿絵(By みてみん)


エスト『ふふん☆ すごいでしょ!』


サクラ(……ポンコツじゃん……でも、勇者バレ即死トリガー付き……)


── その時だった!


エスト様の足元に、するりと蛇が現れた。


サクラ「危な ── ライトアローッ!!」


シャパッ!!!


光の矢で蛇を一刀両断。


《天の声:レアモンスター《殺意のコブラたん》を討伐》


《ぺったん ぺったん ずんどこどーん♪》


【サクラのレベル130に上がりました】


サクラ「はああ!?今の蛇、レアだったの!?」


《殺意のコブラたん:眠くなるという猛毒持ち。10年に一度しか出ない。》


サクラ「レアなのに毒の効果弱ッッ!!!」


エスト『……?』


(沈黙)


──その瞬間、エスト様の顔色が変わった。


エスト『あれ……お姉ちゃん!?今の、ライトアロー!?』


サクラ「えっ?うん。……え?」


エスト『えええっ!?それって勇者しか使えない魔法じゃなかったっけ!?』


(沈黙)


サクラ「……は???」


エスト『光魔法って、勇者専用だよ!?だから私びっくりしちゃって!』


(沈黙)


(キュルルルル!!!!! *胃の音)


サクラ「えっ……マジで……?」


キィィィィィン……!(金属音+思考停止エフェクト)

──そして頭が真っ白になる音がした。


あ、これ詰んだやつだわ。胃だけは正直。


光魔法=勇者専用……?


知らんかったわーーーーーーッ!?


落ち着け!今知ったならセーフ!


知らんからセーフ!はい無罪ィィッ!!


──そのとき。


ズギィィィィィィィン!!!!!


《♪BGM:深淵の序曲(咎の瞳・起動テーマ)》


(重厚なオーケストラ×パイプオルガン×滅亡系コーラス)


突然!宙にふわりと浮かぶエスト様。

地面に魔紋が浮かび、空気がバキバキに歪む。


ズゴゴゴゴゴ……!!!


《【奈落穿つ咎の瞳】 ── 起動》


サクラ「エスト様の声じゃない?別人格!?なんだこれ!?」


(間)


《いえ。やっぱり 【プリティー☆エリミネーション】 ── 起動》


挿絵(By みてみん)


[タグ]#空飛ぶ妹は大体ヤバい #妹が飛んでるだけで事件


サクラ「名前かわいくした!?コンプレックスなの!?」


《……………。》


(あ…図星だったんだ…ごめん…)


シュイン!シュイン!シュイィィィィン!!


《対象:勇者反応。敵意評価──開始》


サクラ「ちょっ、待て、待て待て待て!?初耳なんだけど!?光魔法って勇者専用なの!?!?」


《対象:勇者反応、確認完了》


(いや、知らなかったし!?

 誰も教えてくんなかったし!?!?)


《撃滅プロトコル──最終段階へ移行》


サクラ「ていうか私、勇者なの!?違うよね!?鬼だし!!!違うと思うよ!?!?!??」


《──ビーム、チャージ完了。》


地割れが走り、空間が軋む。


(だめだ、マジで撃たれる……!)


……一瞬、時が止まった気がした。


心臓が嫌なほど早く打っている。


(……これ、本当に殺されるやつじゃない?)


目の前のエストがいつものエストじゃなく、

何かとんでもないものに見えた。


"今、死ぬかも"というリアルな予感が脳裏をかすめる。


(落ち着け……落ち着け……!)


(今言えることを、全部ぅー!!!)


── 突然、私は両腕の筋肉をムキッとアピール!


サクラ「ち、違うのよ!!!」


(あたふたあたふた)


サクラ「これは筋肉なの!!!」


(つづく)


\\次回予告!//


突如放たれた衝撃の一言──


「これは筋肉なの!!!」


光魔法は勇者の証?

それとも筋肉の輝きか?


迫りくる魔王の必殺スキル!

サクラの命運は……量子筋肉に託された!?


次回──

#011 : マッスル☆量子力学概論(必修2単位)


筋肉は嘘をつかない。ただし作者はつく。


\\お楽しみに!//

挿絵(By みてみん)


ここまで読んでくれてありがとうございます!

ついに発覚しました──魔王の弱点はアゴでした☆


サクラのレベルは上がるわ、光魔法は覚えるわ、

ついでに勇者バレフラグは立つわで地獄の始まり。


そして今回の教訓:

妹のアゴは殴るとレベル上がる(※危険)。


ブクマ・感想が作者のプロテインです。

筋肉の力でこの物語を支えてくれると嬉しい!

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― 新着の感想 ―
エストちゃん、ステータスが…… そして筋肉で誤魔化されそう(*´艸`)
エストのステータスがおバカ好きで爆笑ものですね。作者様の登場人物たちいじりがとにかく楽しくて素敵です。ステータスと展開とナレーションでつつき倒しているようにしか見えません。今回もとても面白かったです。
 ポンコッツ♩ワロタ……あきまへんツボりますって  軽快にテンポ良く読む筈が笑って進まぬこのジレンマ!  それに顎っ! 顎っ!  内容面白いしイラストも凄いです!
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