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白い封筒

 

 葬儀からしばらくして、ばあちゃんの部屋を片付けていた時に、タンスの一番上の小さな引き出しから白い封筒が出て来た。

『生田様』

 とある。

 生田さんのデイサービス事業所に連絡を取ってもらおうと母さんを探したけど、そういえばようやく念願のパートに出るため、面接に出かけていたんだった。

 契約書を見ればわかるのだろうが、どこにしまったのかも知らない。

 私も何でもかんでも、母さんに頼りっぱなしだ。仕方なくケアマネだった青山さんの名刺を探し回り、やっと見つけたので自分で電話してみた。

 しかし、青山さんは電話に出なかった。ただ、明るいアナウンスが流れ続けるだけだった。

『おかけになった電話をお呼びしましたが、おつなぎできませんでした』

 

 母さんが帰ってきてから、生田さんの連絡先を聞いてみたが、

「だっておばあちゃんのデイ関係の書類は全部処分しちゃったし。事業所名で調べられない?」

 そう言われてしまった。

 以前母さんが検索しても出てこなかった、ということばを急に思い出した。


 つながりがなくなる、ってこういうことなんだ。


 急にすうすうとおなかの真ん中に隙間風が吹き抜けるような心持ちになって、私は黙って、封筒を手に部屋に戻った。


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