表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

5 希望を断つ


  アマゾンレビューで怒っている人達がいるのは、「ダンガンロンパ」が「ダンガンロンパ」そのものを破壊したからである。つまり、ルールを破った、エンタメとしての形式を逸脱したからだ。

 

 しかし、それこそが作品の狙いだとしたらどうだろう。作品の最後で、視聴者達の姿が作品内に投影されている。ここでは、レビューをつける者達を相対化して、作品内の一部にしている。エンタメは、このような方式を取る事はない。取っているように見えても、どれだけメタに位相に逸脱しても、結局は視聴者に受け入れられようともがいているに過ぎない。どれだけ気取ろうと、拗ねようと、視聴者の期待に反する事は過ちであるという先天的観念が支配している。

 

 この殺し合いのゲームを終わらせる…その為には、希望を断たねばならない、と最原は最後に気づいたのだった。そうだ。希望こそは、我々をゲームの内に捉える鎖に違いない。我々は希望によって鎖に繋がれる。希望は、世界が作ったゲームを遂行する為の原動力である。今、私はこの世界そのものを一種の「ダンガンロンパ」として考えているのだが……考えてみるがいい。夢を持って努力せよ、という言葉がいかに世界のシステムに都合よくできているか。努力せよ、成功せよとは、他人に認められる事しか意味しないのだから、その先には他人達が規定していた価値観が罠のように待ち受けている。我々は希望を持ち、明るい未来を描いて、そこに走れば走るほど世界の罠にはまっていく。

 

 最原達は殺し合いを期待されていた。生き残りをかけたゲームだった。希望を持って生きようとするからこそ、ゲームは終わらなかった。人々の要望に答え続けたからこそ、悲劇は連鎖した。だとすると、希望を断つ他ない。希望を捨てなければ、ゲームは終わらない。

 

 ここにもエンターテインメントとしての逸脱が見られる。希望を捨てる事。明るい未来を捨てる事。しかし、もし未来があるとしたら、それは希望を破棄した先にしかない。これは人々の願望とは異なる。ここでも、V3は既存のパターンの逸脱を犯している。だが、私にはそれでいいと思われる。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ