黒き聖女と聖なる光 2
二人で元気よくダンジョンに突入。
リリアと頑張ろうと思ったが二階層はそれなりにきつかった。
少しは強くなったかと思たが、モンスターの種類が増え、強さも増している。
「アクト様! 後ろからもモンスターが!」
「わかった! こっちは俺が! 後ろは任せるぞ!」
「はいっ! 任せてください!」
一本道で挟み撃ち。
何気に俺たちは苦戦中。
「やぁぁぁぁ!」
リリアもラビットとラットからの攻撃をうまく避け、至近距離から急所を狙い、一刺しで勝負を決めている。
俺も負けじとナイフを振り回し、モンスターを退ける。
「ふぅー、数が多いな」
「でもまだ何とかなりそうですね」
徐々にモンスターの数が減っていく。何とかなりそうだ。
「――けてー! 誰か、助けて!」
ダンジョンの奥の方から声が聞こえた。
その声は徐々に近づいてきており、次第に声の主が視界に入ってきた。
「そ、そこの方! お願い、助けて!」
現れたのは俺と同じくらいの年の女の子。
どうやら一人で逃げてきたような感じだ。
その子の後ろにはラットの大群が迫ってきている。
この数、まずくないか?
「大丈夫か!」
「はぁはぁはぁ、お願い、助けて……」
走り疲れたのか彼女は倒れこんでしまい、目を閉じてしまった。
ここで迎え撃つしかないのか?
倒れてしまった彼女を抱きかかえ、少しだけ移動させる。
切れかかった服に、傷だらけの体。一人で戦っていたのか?
「アクト様! 来ます!」
「わかった! リリア、行くぞ!」
「はいっ!」
彼女を後方に寝かせ、俺とリリアは奮闘する。
数が多いが場所を選べば一気に襲われることはない。
そして、急所を突けば何とか一撃で倒すことができる。
どのくらい時間が経過しただろうか。
だんだんと疲れが見え始め、今まで受けなかった攻撃を受けてしまう。
「うぐぅっ!」
「アクト様! このぉー!」
リリアに助けられてしまった。
「助かった、リリアは大丈夫か?」
「大丈夫ですよ。また、来ます……」
俺とリリアは奮闘する。
一撃で倒せていたラットも次第に倒せなくなってきた。
もう少し、もう少しで全滅させられる……。
「お、終わった……」
「終わりました!」
何とか無事にすべてのラットを倒すことに成功。
途中やばかった時もあったけど、何とかなった。
「リリア、一度戻ろう。このままだと、体力が……」
「はい、私も同じことを考えていました」
しかし、さっき逃げてきた彼女の目が覚めない。
何度か体をゆすったが結局起きなかったので、お姫様抱っこでダンジョンから脱出する。
白いローブに金色の髪。
整た顔立ちは、どこか不思議な感じがする。
そして、胸には何かのペンダント。
この形、どこかで見たことのあるような……。
ダンジョンから出て、その足でギルドに立ち寄る。
まだ起きない少女。ギルドの一部屋を借り、寝かせてもらうことにした。
「少しけがをしていますが、大丈夫ですよ」
「そうですか、良かったです」
「全く、いきなり二人で二階層に行くなんて。しかもこの魔石の数、大丈夫だったの?」
「ははは、まぁギリギリでしたかね」
「ダンジョンはモンスターの数も増えていくし、強さも増していくのよ?」
なんだかフィーネさんに心配かけてしまったようだ。
しかし、一階層とは違い、戦うことさえできれば効率はよさそうだ。
「――って、聞いていますか?」
「聞いています。しっかりと聞いていますよ」
「なので、メンバーを増やしたり、魔法を覚えたりしないと二人では限界がすぐに来ますよ?」
確かに。
浅い階層であれば大丈夫だと思うけど、もっと深い階層を目指すなら俺達が強くなるか、メンバーを増やしていくしかない。
新しいメンバーか……。
セーラは戦闘向きじゃないし、シャーリも無理だしな。
メンバー募集か、どこかのパーティーに入れてもらうか。
先の事を考えるなら、もう少ししっかりと考えないとな。




