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黒いケロイドで覆われた顔からは、その表情を読み取ることはほとんど出来ない。


しかし私には、女が笑ったように見えたのだ。


女の身体がみるみる薄くなってゆき、やがて消えた。


真中さんが女のいた辺りに向かって、手を合わせた。


そしてみなのところに戻ってきた。


「いきました」


長老が聞いた。


「いったのか?」


「ええ、いきました」


「そうか。それであの女は誰なんだ。奥さんでも娘さんでもないようだが」


「それはお答えできません」


「そうか」


「私はもう帰ります。自動販売機は撤去します。では、失礼します」


そう言うと真中さんは、街灯のない細道を歩き出し、やがて見えなくなった。



数日後、業者がやってきて自動販売機を撤去した。


長老がその旨を真中さんに伝えようと電話をしたが、「この番号は現在使われておりません」というアナウンスが流れただけだと言う。



あれからなんら変わりのない日常が流れた。


変わりがないということは、そうあの女は今も午前三時になると、自動販売機のあったあたりにその姿を現すのだ。



       終

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