運命のバレンタイン②
「なんか、お邪魔みたいだから俺戻るね。」
私があわあわっとしていると、少しため息をついて和田くんは足を教室の方へ回れ右してしまった。カチーン
「ちょっと待ってよ。」
私は和田くんのこの鈍感な態度に既に火が吹きそうだった頭にカチンときた。
和田くんの方に詰め寄る。
「あんた、今日なんの日か知ってるの?女子がこの日に男子の前で動揺してたらなんとなく想像出来るでしょ?」
私がどんどん詰め寄って行くと、和田くんは勢いに圧されているのか、一歩一歩下がっていく。
「しかも、せっかく机の中に手紙を入れてやったのに読まずに昼休みに来やがってよ」
「それは、片山さんが当番間違えたからじゃ、、」
「うるさい、あんたが悪いのよ。」
私はだんだん鈍感な和田くんへの苛立ちに拍車がかかり、遂にビンタしてしまった。
そして、ポケットにしまっていた小さな青色の小箱を和田くんに投げつけた。そして私の募り積もった思いを打ち明けた。
「なんで、そんな鈍感なのよ。私は、私はもうやだ。ホントやだ。和田くんホント、最低。けど、大好きなのよ。」
私はその場から走って逃げた。陸上部で鍛えた剛脚を使って走って逃げた。
遂に言ってしまった。なんか逆ギレみたいな感じで言ってしまった。もう最悪だ。
そのあとの授業の記憶はほとんどない。和田くんがあのあと教室に戻ってきたのかもわからない。