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そうだ、王都へ行こう


お久しぶりです

仕事が忙しくて書く時間が取れませんでした

もう少しすると落ち着けると思います


それではどうぞ!

 

 ールイスの館ー


 あ、どうも皆さんこんにちは。シミズです。

 今はルイスさんの館に戻ってきています。その帰り道に襲ってきた人達の話を聞きました。


 そして、聞いた話をルイスさんがまとめているところです。

 それから、説明のついでに全員の名前が判明しました。

 ドラゴニュート族のツツジ。

 人族のジンとユレン。

 エルフ族のハルリック。

 獣人族のクラフト。


 その内三人がS級冒険者らしいです。すごいですね。

 明日には忘れてると思いますが。


 そして、この部屋には『俺・ローナ・ラウ・ベル』、『ルイスさん・アリシアさん・リーシア』と『さっきの五人組み』がいます。


 プーロさんは街にご飯を食べに出かけ、クレアは通常業務に戻りました。プーロさん割と自由です。


「……うん、話の大まかな流れはわかったよ。

 つまりは、なぜか最上位神様方がシミズ君を大罪人として認定していて、勅命を受けたケーニヒが依頼を出し、それを受けた君たちが王都からここまでやって来たんだね。

 それから、僕がシミズ君に負けて領地を乗っ取られているかもしれないからその救援に、と。」


「然り。」


 こちらに睨むように視線を向けたままルイスさんの言葉に頷くツツジ。

 どうやら、彼はあのチームのリーダーらしい。


「なるほど……うん、色々と不可解な部分はあるけれど、僕はこの通りピンピンしているよ。

 まぁ、実際、彼に模擬戦を申し込んで負けはしたから間違いばかりじゃないけどね。」


 ルイスさんが苦笑を浮かべて肩をすくめる。


「では、やはり……」


 ツツジは刀に手をかけて立ち上がるが


「ううん、彼はそんな人じゃないよ。むしろ、僕の娘であるリーシアのお婿さん候補さ……というか、僕としてはシミズ君なら安心だな、とすら思っているよ。 それほど彼は信用できる。僕が保証するよ。」


「……左様でござるか。」


 ルイスさんから制止の言葉を受け、ゆっくりと座り直した。


「カッカッ!確かにこの童は強いのぉ……儂の槍もツツジの刀も通らなんだ。しかして、剣聖ルイスですら下す程とはな……のぉ、童、今度は儂とサシで死合(しあ)いをしてみんか?」


 すると、ジンとかいう爺さんから鋭い眼光で殺し合いのお誘いがあった。


「丁重にお断りします。」


「なんじゃ、力があっても使わねば意味がなかろうて。」


 丁寧に断ると、ジンはつまらなさそうな表情でそう言った。

 この爺さんバーサーカーなのかな?


「ご心配には及びません。家族に危害を加える人達がいれば存分に使いますよ。先程のように一方的かつ、瞬間的に。」


 ひとまず、ジジイ(ジン)には釘を刺しておく。ローナ達に危害を加えるようなら即座に天高くへと昇っていただく事になるだろう。


 そもそも、創造神(ローナ)最上位神(ラウ)七魔公爵(ベル)のトリプルコンボに手を出せば俺が何かする前に消されると思うけど……まぁ、それはさておき、だ。



「ふふっ……………」


「………ふーん。」



 最上位神が俺を罪人呼ばわりした話の辺りから、ローナとラウの機嫌が最悪だ。

 ローナは基本的に目を閉じてニコニコしているが、時折開く目が座っているし、ラウはあからさまに不機嫌な表情で話に耳を傾けている。

 怒ってる。どこからどう見ても怒ってる。


 そして、怖い。


「罪人…ふっ……くっ………お似合い、プッ……です、ねっ……」


 ただ、ベルだけは完全に楽しんでやがる。

 いつも通り無表情だけど言葉と声が笑ってる……ていうか、その無表情スキル教えて欲しいんだけど。

 本当にソレどうやるの?スキル【鉄仮面】とか、そんな感じのやつ持ってる?


 《いえ、あれは純粋な技術です。徹底して感情を表に出さないモノの様ですが、見事ですね。》


 その割には声でバレてるけど……


 《声まで平坦にしてしまうと本当にわからなくなるので、彼女なりの気遣いでは?》


 変なところで気を遣うんだな。不器用かよ。


 《少なくとも貴方には言われたくないでしょうね。》


 それもそうか。



「故、シミズ……殿には一度王都までご同行願いたい。」


「どうする?シミズ君。

 僕としては、誤解を解くにしても、どうして濡れ衣を着せられているのか知るにしても、一度王都に行った方がいいと思うけど。」


「え?あ、はい。わかりました。」


 どうやら、シュティと脳内会話しているうちに勝手に話が進んでいたようだ。


 つい反射的に返事をしてしまった……まぁ、誤解を解く為に王都まで行く必要があるなら仕方ない。必要経費と割り切ろう……あと、ローナとラウの機嫌を直すためにも。


「つまらないわ。これで抵抗してくれたらまた戦えたのに。」


「……わたしは嫌ですよ。」


「ハルリック、あなたもS級冒険者ならわかるでしょう?魔獣ならともかく、会話ができて自分より強い相手は貴重なの。」


「……この場において戦闘は必要のない事です。」


「なによ、急に戦意を失うなんてそれでもS級かしら?」


 俺が王都まで同行する事を伝えると、ユレンとハルリックがそんなやり取りをする。


 あの女の首はやっぱり飛ばしておこうかな……にしても、ハルリックが超イケメン。

 エルフってこんなに容姿が優れてるのか……エルフは美男美女ばかりって認識はあったけど、実際に目の当たりにすると、まるで人形が生きているかの様な錯覚を覚える。


 付け加えると、ローナやラウが俺から離れていかないか不安でいっぱい。


 《その点につきましてはご心配なく。彼女たちにとって、主様以外の存在は基本的に道端に転がっている石くれ程度の認識です。

 まともな認識を持つとすれば、それは同じ神に対して、あるいは主様が家族と呼ぶ存在くらいでしょう。》


 それは安心だな。

 ……慢心はしないし、出来ないけど。

 俺って日本人基準だと身長はデカいけど見た目は普通だからイケメンが居るとすごい不安になる。


 ……って、あれ?ローナ達の認識酷くね?


 《認識されているだけまだマシです。そもそもは関心どころか認識すらしない場合も多いです。

 神とて必ずしも人々の為に在る訳ではありませんから。》


 そんなものなのか。


 《はい、そういうものです。》



「じゃあ、王都へ行くのはいつにしようかな?僕もついて行くよ。」


 またシュティと会話していると、ルイスさんがそう言った。


「いえいえ、そんなに気を遣っていただかなくても大丈夫ですよ。」


 流石にこれ以上手を煩わせるのも気が引けるので辞退するが


「あはは、気を使った訳じゃないさ。僕もケーニヒと話をしたいからね。それに、僕が居るとなにかと便利だよ?ほら、僕って一応は辺境伯だからね。王都に別邸もあるよ。」


「あはは……」


 ルイスさんが珍しくニヤリ、として放った言葉に返す言葉が見つからない。


 《その人物が社会的地位を確立しているのは事実です。そして、あまり言いたくはありませんが、比較するまでもなく主様の社会的信用度はゼロです。

 むしろ、現状ではマイナスかと。》


 ……まぁ、うん、そうだな……使えるものはありがたく使うか。



 ルイスさんの言葉にどう返したらいいのか迷っていると、すかさずシュティから助言があった。



 でも、あんまりストレートに言われると結構傷つくな……


 《申し訳ありません。》


 ごめん、嫌味みたいになった。別に謝ってほしかった訳じゃない。

 ただ単純な事でシュティに言われたからそう思っただけなんだ。気にしないでくれ。


 《あぁ、いけません……ニヤケが止まりません。》



 安易な考えでシュティに勘違いさせた事を反省しつつ、ルイスさんに言葉を返す。


「では、ご厚意に甘えて……お願いできますか?」


「うん、ぜひ頼ってほしいな。」


 にこり、と穏やかに笑うルイスさん。


「すみません。」


「?、どうして謝るんだい?」


 にこやかだが、不思議そうに言うルイスさん。

 それは、心から不思議に思っていると伝わってくる表情。


「性分、というのもありますが……なんだか申し訳なくて。」


「あはは、本当に気にしなくていいよ。僕がそうしたいからするだけさ。」


 ルイスさんの器量の大きさがわかる言葉。


「ありがとうございます。」


 ルイスさん、マジイケメン。もし、この人が俺の上司とか指揮官だったら心酔する自信がある。


 《指揮官に心酔……なんだか既視感がありますね。》


 クレア……三番騎……あっ……


 《まるで主人を取られて嫉妬する仔犬のようでしたね。》


 やめてさしあげろ。



 そんなくだらないやり取りをしていると


「話がまとまったのならば重畳。」


 黙っていたツツジが口を開く。


「じゃあいつにする?」


「王都への帰還は転送用の魔具を賜っておりまするが故、何時(なんとき)でも。しかして、早ければ早いほど良いのは事実。」


「じゃあ、今日にでも行こうか。

 あと、それは一回限りの使い捨てかい?」


「否。その上、我らの人数ならば数回は即座に使用できようぞ。」


 妙な道具を取り出したツツジにルイスさんが質問した。


「うん、これはかなり貴重な物だね。使用回数を一回に集約させたら数十人をまとめて転送出来る品だ。ケーニヒがどれほど本気かよくわかる。」


 手に取り、まじまじと眺めながら言うルイスさん。


「あ、それなら俺が全員転移させますよ。貴重な物ならあまり使わない方がいいでしょうし。」


 それを聞いた俺はそう提案した。



 シュティ、出来るよな?


 《可能ですが、せめて確認をしてから発言してください。》


 ごめん、でもシュティなら大丈夫だと思ってさ。心から信頼出来るし。


 《そう言われてしまっては何も言い返せませんね……ずるい人です。》


 チョロい、チョロいぞシュティ……


 《貴方にだけですよ。》


 やめろ、惚れちまうだろ。


 《ふふ、感涙にむせび泣きますよ?》


 表現が怖いわ。



「え?いいのかい?」


 少し意外そうな表情を浮かべるルイスさんに


「貴重な物なら代替手段がない場合に使う方がいいですよね。」


 俺は笑いながら言った。


「うん、じゃあお願いしようかな。」

「待たれよ。」


 そこに待ったをかけたのはツツジ。


「?、どうしたんだい?」


「シミズ……殿にルイス殿は信を置くようではあるが、我らが知るは咎人(とがにん)としてのみ。

 その上、あの様に力を見せられては信を置くのは無理があろう。」


 続けざまに言い放ったのは俺が信用できない、という旨。


「ん、んだ……」


「それはそうじゃな。」


「………」


「ま、普通よね。」


 他の四人も同じ意見のようだ。

 それは当然で妥当な判断だろう。彼らからすれば俺が無罪を証明できる証拠はない上に、先ほど圧倒的な力の差を見せつけられた後だ。


 ちょっと待って自分で考えててめちゃくちゃ恥ずかしい………うん、もう遅いから気にしないようにしよう。


「では、魔具を使いましょう。わたしが信用に値しないのは当然です。」


 俺が無害である事を証明する為に、下手に話をかき回すのはやめる事にした。


「潔し。ならば、向かうは我らとルイス殿、シミズ殿でよろしいか。」


 ツツジが周りに問いかけると


「わたしとラウちゃんも加えてくれるかしら?」


「二人ともおにーさんの奥さんだからいいよね?」


 ローナとラウが名乗りを上げた。


「な、なら、わたくしも!」


 挙句にはリーシアまで。


「………賢明とは思えぬぞ、女子衆(おなごしゅう)。」


「うふふ、タケシが心配なだけよ。」


「わたし達は居ないと思ってくれていいよ。ついて行くだけだから。」


 渋るツツジにローナとラウはそう言うが、明らかに目的がある様子。

 ……聞きたいけど聞けない。


「うーん、悪いけどリーシアはお留守かな。リアと一緒にここで待っててくれないかな?」


「そ、そんな……」


「リーシアちゃん心配しなくても〜、大丈夫よぉ〜」


「うぅ、ですが……」


 ルイスさんとアリシアさんの説得に納得がいかないらしいリーシアは俺に視線を移して何か訴えかけてくる。


「悪いけどここでフェルとサティを見てやっててくれないか?俺からのお願いだ。」


「うっ……はい、わかりました。お兄様がそうおっしゃるなら……」


 しぶしぶ、といった様子で引きさがるリーシア。


「ありがとう。それから、代わりといっちゃなんだがベルは置いていくからこき使ってくれていいぞ。」


「やりました。休暇です。」


 すると、すかさずベルがふざける。


「うん、違うからな。働け()メイド。」


「鬼畜です。」


「誰がどう見てもホワイトだ。」


「そういえば、黒はわたしの方でしたね。」


「ははっ、誰が上手いこと言えと言った。身内にしかわからんだろ。」


 ベルの切り返しに少し笑ってしまった。


 《これが本当のブラック(黒き神)ジョークですか。》


 だから、対抗するなって……


 《すみません、つい。》



「うん、話がまとまったね。じゃあ、2時間後に王都へ行こう。それまでは自由に過ごしてね。」


 そうこうしていると、ルイスさんがそう言って話を締めくくった。


 それ後、俺はあてがわれた部屋に戻ってフェルやサティに事情を話して留守番をお願いした。


「…………」


「…………」


 なお、話をしている間のフェルとサティはジトーッと、それはもう不満そうな目で黙りこくっていた。


 その瞳は『またか……』と幻聴が聞こえそうな程だった。

 聞き分けがよくて賢い子達で本当にありがたいが、若干の申し訳なさに胸の内が陰った。




 ー2時間後ー


「では、各々方、準備はよろしいか。」


 ツツジは魔具を手に辺りを見渡す。


「うん、大丈夫さ。」


「えぇ、あたし達も問題ないわ。」


「俺とローナ、ラウも大丈夫です。」


「しからば、参ろうぞ。」


 そして、全員の準備が整っている事を確認したツツジは魔具を起動させる。


 ツツジを中心に円形に広がった魔法陣が全員の足下に広がる。


 《魔具の起動を確認。転送します。》


 そして、広がった魔法陣は即座に俺たちを王都へと転送した。




作者「時間かかってしまって、すみません。」


隊長「たかが13時間ほど外で過ごしてるだけだろう。」


作者「残りの9時間で飯食って風呂入って寝る。書けない。持病のせいで寝不足なるとマジで命の危機。」


隊長「移動時間長いだろうが、休日とそれを使え。」


作者「朝晩の満員電車と資格勉強。畜生万歳太郎の助太刀所望は太宰府の堕罪である。支配者は屍の山頂で胡座をかく。」


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