森
土日のバイト面倒だよ・・・_(꒪ཀ꒪」∠)_
ー何処かの世界のとある森ー
少しひらけた場所で突如として魔法陣が浮かび上がった。
それは、力強くも優しく輝きを増していく。
そして、段々と光が収束していき完全に魔法陣が消え去った後、その魔法陣があった場所には1人の青年が立っていた。
この世界において魔法は日常でもよく見られるが、それは本来、人の居ない場所では発現しないものである。
だとすれば彼は誰か・・・それは一人しか居ないだろう。
そして、その青年はゆっくりと目を開く。
「ここは・・・・あぁ、そうか。本当に転生したのか。」
光に包まれ意識を手放した俺は気が付けばこの森に立っていた。
「ていうか、ここどこだ?・・・・・・・え?」
俺は辺りを見渡して首を捻る。
だが、そこには異常な光景が広がっていた。
まるで何かに薙ぎ倒された様に横たわる木々。
戦闘でも行われていたのだろうか、所々が焼け焦げたり凍ったりしている地面。
そして、その光景に更に非現実を足しているのが『血』
倒された木々の一部あるいは地面に血が散布されていた。
それに、まだかなり新しい様だ。
その証拠に血は乾ききっておらず、焼けた匂いもしている。
その、戦闘の後はぐねぐねと道を作りながらどこかの方向へと続いている。
「ここに留まるのは良くなさそうだな。いったんどこかに移動しよう。」
まさか、転生した先の場所で戦闘が行われていたなどと夢にも思わなかったが、とりあえず木々が薙ぎ倒されて作られた道の反対側に向かって歩き出す。
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「ここまで、くれば大丈夫か?」
鬱蒼と生い茂る森の中を1時間ほど歩いた俺は湖の畔に辿り着いた。
「おぉ・・・すげぇ・・・」
辿り着いた湖を見て俺は感嘆の意をもらす。
それは木漏れ日の光が差し込み、薄暗い森の中で美しく、幻想的な雰囲気を醸し出していた。
湖の水は澄み渡っており、中心からは源泉なのだろうか水が少し盛り上がっていた。
「でも、確か水場って生物が集まるんじゃなかったっけ?」
そんな疑問を一人口にする。
どうやら今はこの辺りに生き物は居ないようだった。
「まぁ、魔物とか出たらその時考えよう。それに確認したい事もあるしな。」
なんとも楽観的な考えだろうか。
そんな暢気な彼は異世界でお決まりの『アレ』を口にする。
「ステータス。」
すると、ガラスの板の様な長方形の物体が現れる。
「おぉ・・・・!」
これはなんとも感慨深い。一度やってみたかったんだコレ。
俺はライトノベルとかそういうのが結構好きでよく読んでいた為、少なからず憧れを持っていたのだ。
「して、内容は?」
そして、俺はステータス画面を覗き込む。
【ステータス】
Level:無し
氏名:清水 猛士
性別:男
種族:人(の形をしたナニカの種)族
能力値
HP:測定不可 MP:測定不可
STR:測定不可 DEX:測定不可
VIT:測定不可 INT:測定不可
AGI:測定不可 MND:測定不可
LUK:7777777
《固有スキル》:全知全能
〈スキル〉:必要無しと判断
【称号】:【共に在る者】【救世主】
が、以上である。
うん?・・・え?・・・あぁ、そう・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・何でだよ!!!
色々とおかしいだろ!!まず、人族かと思ったらカッコの中身で化け物即バレ確定だよ!他の人に見せられないよ!見せる奴居ねぇけど!!それに、Level無しって何!?あと、能力値!テメェは仕事しやがれ!!測定不可って何だ!!何の為のステータス画面だ!!!固有スキルに至っては怖ぇよ!!何だ、全知全能って!?んでもって、スキル!?お前も働く気ねぇな!?必要無しと判断って、お前誰だ!!!出て来いこの野郎!!おい、ラック!お前は良くやった!!数値はアレだけどな!」
はぁはぁ、と息を切らして一度とまる。
一人でステータス画面にツッコミを入れているのは、非常にシュールだ。
しかし、その甲斐あってか冷静になった俺は称号の違和感に気づいた。
「ちょっと待て・・・・【共に在る者】はわかるぞ。ローナの祝福のお陰だな?でも、【救世主】ってなんだ?他に神なんて見てないぞ?」
一人呟きながらステータスの称号をタップすると、詳細画面が出現する。
【共に在る者】
一でありながら全と共に在ることを選んだ者の称号
全ステータスに莫大な補正
獲得スキル:全知全能
別称 『変わり者』
お前が原因かぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!
変わり者って・・・・い、いや、まぁいい、今は別のやつが優先だ。
【救世主】
我らが主を救い、真の意味で理解した者の称号
全神からの感謝と忠誠をここに。
【最上位神一同 以下全柱より】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ソウデスカ、サスガデスネ。ローナサン?アナタ、トテモアイサレテマスヨ?
・・・・・っは!いかん!衝撃のあまりツッコミを忘れていた!
何これ?最上位神一同って何?全神からの忠誠って何?なんなの?ねぇ?何なの!?
怖いよぉ・・・・・・神様怖い・・・・主に対する愛が怖い。
これって、あれだよね。教会とか行ったら絶対なんか起きるよね。しかも、俺に都合の悪い方の。
よし、決めた俺は街とか絶対に行かねぇ。
絶対だ、絶対にだ。
ハァ・・・・・・何だろう・・・称号とか、ステータスとか見ただけなのに何でこんなに疲れるんだよ・・・・固有スキルとかもう確認したく無いんだけど。
だって、全知全能って名前からしてヤバイじゃん?もうヤダ。
「でもなぁ・・・森で生きていくには必須だろうし、この上なく便利なんだろうけど・・・・・・仕方ない、腹括って見るか。」
決心した俺は固有スキルの画面をタップした。
《固有スキル》
《全知全能》
祖たる術を自在に操る。また、創る事も可能。
以下の権能の使用が可能になる。
権能
《眼》
効果:万物を見通し、如何なる場合、如何なる状況においても見たいもの全てを見通す事が可能。
また『例』として以下のスキル効果が挙げられる。
WMAP
完全鑑定
千里眼
《槍》
効果:名を呼ぶ事によって本来の威力を発揮する神器を使用可能。
また、名を使わずしても威力の調節なども可能。
名は以下の2つである。
・雷槍ケラウノス
・蒼槍トライデント
《弓》
効果:名を呼ぶ事によって本来の威力を発揮する神器を使用可能。
また、名を使わずしても矢の効果や目標設定なども可能。
名は以下の3つである。
・神弓ヘラクレス
・神弓アポロン
・神弓アルテミス
うん、何というか・・・・ね?
要約すると
何でもできるよ!やったね!あと、便利な機能も3つ付けといたから武器に困ったり、道に迷ったりする事もないよ!
と、いった所だろうか。ご丁寧に説明付きである。
うん、創造神に祝福されたんだもんね・・・これくらいブッとんでるのが普通なのかな?
そんなこんなでステータスを見終わった俺は遠い目をして湖の景色を眺めるのだった。
隊長「森!森と言えばキノコ!これは、もうキノコ食うしか無いな!!」
作者「何で、そうなる!き◯この山で我慢しとけ!」
隊長「ふざけるな!!!私は、たけのこ派だ!!!」
作者「めんどくせぇ!!そっちは、キノコでいいだろ!!!」
コメントにて御指摘頂きました読点に関する修正を行いました。(20171/2/8 23:47)
一部加筆と修正を行いました。
(2017/12/28 10:13)