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普通そんな事で渡す?


こんにちは!

最近、他の作家さんは作品を書き終わってから投稿してる事の方が多いと知って驚きました。


 

 ー朝ー


「ん……ふぁぁ……朝、か。」


 朝の陽光に照らされて目を覚ます。

 微睡みの中で視界はぼやけ、思考も回らないまま天井を見つめる。


「……………?」


 起き抜けの痺れた頭でもわかる程の視線を感じて目を彷徨わせると


「あら、起きちゃったわね。」


「えー、もうちょっと見てたかったのにー……」


「!?」


 突然、こちらを見下ろす二人の顔が視界に映り込んだ。

 非常に驚いた俺は一気に目が覚める。


 ジッとこちらを見つめていたらしいローナとラウは少し残念そうな表情で呟くように言っている。


「お、驚かせるなよ……朝から心臓に悪い。」


「ふふ、ごめんなさいね。あまりにも無防備で可愛い寝顔だっからつい。」


「隙だらけのおにーさん可愛いねー」


 驚いた俺は抗議の声をあげるが、ローナは大層機嫌良さそうに笑いながら、ラウはニヤニヤと腹の立つ笑みを浮かべて、それぞれの言葉を口にする。


「……男の寝顔なんざ見て何が楽しいのやら。」


 なんか悔しいからぶっきらぼうに言ってみた。


「え?他の誰かのなんて見る価値もないわよ?」


「そうそう、おにーさんにしか興味ないよー」


 ちくしょう、逆効果だった。


 ローナがまたしても天然発言をかましてくれやがったところにラウが同調して朝から羞恥プレイを受ける羽目に。


 それと、ローナの言葉のチョイスが怖い上、心底不思議そうな表情するせいで(はた)から見たら無自覚ヤンデレかサイコパスだ。


「……おはようさん。」


「おはよう。」


「おはよー」


 これ以上の羞恥プレイは御免被るので挨拶をして話の軌道を変える事にした。


 《でも、嬉しいのでしょう?》


 まぁな。嬉しい半分、恥ずかしい半分だ。

 あと、おはよう。


 《おはようございます、主様。本日も良い天気ですよ。それにこの辺りでは雨も降りません。》


 天気予報を見る必要がなくて助かる。そもそも情報番組がないけど。


 《魔法使い(キャスター)なら大勢居ますけどね。》


 そういう言葉遊びしてくれるのは嬉しいぞ。

 元居た世界の事を理解できるのってシュティしか居ないから余計にだ。


 《お褒めに預かり光栄です。》


 シュティのあや取る言葉に感心していると


「まだボーっとしてるわね。眠いのかしら。」


「おにーさん、もうちょっと寝ててもいいよ。」


 二人がなぜか少し嬉しそうな表情で言った。なんとなくだが、そわそわしているようにも見える。


 ……よし、さっさと起きよう。このままでは何をされるかわからない。


「何を企んでる?」


 体を起こしながら二人に問う。


「わ、わたしはただタケシの寝顔が見たかっただけよ?他意はないわ。」


「わたしもー」


「そうかい、楽しめたなら何よりだ。」


「ええ、とっても。」


「おにーさん、どうやっても今回はおにーさんの負けだよ。」


 皮肉を口にするが、逆に羞恥を詰め込まれた。


 にしし、と腹立つ笑みを浮かべるラウの言う通り今回は俺の負けだ。


 《潔いですね。》


 人間時には諦めも肝心……というよりは、負けを認めるのも大事。

 次にチャンスが巡って来た時、思う存分愉しめばいいんだ。次が無さそうなら全力でやり返すけど。


 《適切な状況判断かと。》


 お褒めにあずかり光栄だよ。


 《ふふ、やはり悔しいのですね。わたくしにもぶっきらぼうです。

 たまには冷たくぞんざいに扱われるのも新鮮で良いものですね。》


 俺の情けない八つ当たりにも関わらず、シュティは優しい声で言った。


 ……忘れてたけどシュティってかなり変態気質なんだった………まぁ、それはいつもの事だ。予定通り散歩ついでにレヴィの健康診断行くか。


 《承知しました。》


 という訳で服を着替えていると、当然ローナとラウから質問が飛んでくる。


「タケシ、どこかに行くの?」


「こんな朝から?」


「あぁ、前にこっち来た時のちょっとしたやり残しを処理してくる。すぐ戻ってくるから待っててくれ。」


 俺も質問がくる事くらい理解していたので、大まかに事情を話す。


「そう、わかったわ。気をつけてね。」


「黙って浮気はダメだよ?」


 ローナは純粋な笑顔で言ってくれるが、先ほど俺に勝って機嫌が良いラウはいたずらっぽく笑って言った。


「はは、俺にそんな度胸あったら既にローナとラウに手を出してるぞ。」


 思ったより早く仕返し出来そうな状況になったので、本心をさらけ出しておく。


「ま、待ってるわ……///」


「ぁ…ぅ……///」


 仕返し成功。

 ラウは顔を真っ赤にして口をパクパクさせている。

 ローナに関しては完全に巻き込み事故だが、結果オーライ。


「んじゃ、行ってくる。」


「「行ってらっしゃい。」」


 ローナとラウにそう言ってから


「少しだけ留守番な。」


「zzz………」


「……グル。」


 まだ寝てるフェルと、静かにしていたサティの頭を一回ずつ撫でてから部屋を出た。





 ー館の門前ー



 俺は館へ向かう為の出入り口である門まで歩いてきた。

 とはいっても、まだ門より館側なので館の敷地内だが。


「セル爺さんと他の使用人さん以外には会わなかったな。」


 セル爺さんと使用人の人たちは流石プロというべきか、朝からテキパキと働いていたのだが、ルイスさん一家は見かけなかった。

 それと、セル爺さんに事情を話すと勝手に門から出てもいいとの事。


 ベル?あぁ、奴ならあてがわれた部屋でまだ寝てるよ。MAPでわかる。


 《彼女なら『吸血鬼に朝から仕事しろだなんて、鬼畜な変態ですね。』と言いそうです。》


 ははは、確かにな。


 シュティと談笑しながら歩いていると


 –––ボトリ


 という音と共に視界の端で何かが木から落ちた。


「ん……?」


 何気なく音のした方へと視線を向ける。


「へぇ、蛇か。この世界に来てから始めて見た。普通のサイズだな。」


 すると、そこには俺のいた世界にいるような一般的なサイズの蛇が地を這っていた。

 赤紫色のまだら模様で少し毒々しい色をしている。


「…………」


 この世界ではカラスを除いて基本的に大きいサイズの魔獣しか見ていなかったので、物珍しさについ観察してしまう。


 –––シャァァ……


 しばらく眺めていると、不愉快だったのか蛇がこちらを向いて威嚇してきた。


「すまんすまん、もう行くからそんなに怒るなって。」


 フェルやサティと同じ要領で笑いながらそう言い、場を後にする。





「んー……ギルドってどこだっけ………」


 しばらく街を歩いていたが、ふとギルドの場所を覚えていない事に気がついた。


 《……今向かっているのとは真逆の方向ですね。遠ざかっていますよ。》


 俺の呟きにシュティが呆れ気味に反応する。


 マジですか。


 思わず聞き直すが


 《嘘をついてもわたくしに利はありません。》


 キッパリと言われてしまった。


 だよねー……ごめん、案内して。


 《承りました。事のついでに認識阻害もかけておきましょう。

 ()()()()()が主様を認識しなくなる一瞬の隙を突いて発動させますので、そのまま反転してください。》


 了解……って、今何気なくもの凄いこと言わなかった!?


 《わたくしは主様のスキルですよ?この程度の事は造作もありません。》


 シュティの示した当然だと言わんばかりの態度に


 よーし、シュティさんだけは絶対敵に回さない!なにがなんでもな!


 俺は即座にそう決めた。

 元から敵に回る要素などないが、それでも言いたくなる。もはや、俺はただの飾りな気がしてきた。

 これではスキルが本体と言われても文句が言えない。


 《主様あってこそのわたくしです。わたくしの本懐はあくまでも主様の補助です。》


 凛とした声色でそう言ってくれるシュティ。

 俺にはもったいないスキルだと心から思う。豚に真珠とはこのことか?


 《あまり卑下しないでくださいませ。主様にはそれだけの価値がございます。

 それと、認識阻害の発動完了しました。》


 わかった、いつもありがとう。


 《いえいえ、わたくしに出来る事ならばいかなる事でも致します。》


 シュティさんほんとに頼もしすぎる!



「っと、ここだ。」


 シュティと話をしながら歩いていると、いつの間にかギルドの前に到着していた。


「さて、入るとするか。」


 –––ギィィィ


 木製の扉を開くてギルドの中に入ると


「だはははっ!!そいつは傑作だ!!」


「冗談じゃねぇ!!やっとの思いで勝ったのにジャバウォックに横取りされたんだぞ!?依頼も失敗だ!」


「災難だったな!一杯奢ってやるから元気だせ!」


「ちくしょうっ!!」


「がはははは!!!!飲め飲め!飲んで呑まれて飲みまくれぃ!!」


「もう、のめでぇ……うっぷ……うぉ、お、……」


 まだ朝だというのに酒を煽って爆笑する人たちや、半泣きで愚痴をこぼしす人、朝からガバガバ酒を煽るギルドマスター、完全に潰れて机に突っ伏している人などが居て非常に活気がある。

 大勢の人が居てガヤガヤとうるさく、酒の匂いがする。


 うん、24時間営業の居酒屋かな?


 《夜間に活動する依頼も少なくないですから、当然かと。》


 なるほどねぇ……つか、マジで酒くせぇ。

 料理の匂いもそれなりに充満してて混ざってるけど、それでも酒の匂いが強い。


 ただ、これぞ異世界のギルド!って感じがして好きだなぁ。


 冒険者ギルドの定番とでもいうべき光景に内心で静かに興奮しつつも、レヴィの姿を探す。


「お、いた。」


 すると、そこにはギルドにはおよそ似つかわしくない退廃的な雰囲気で黙ってりゃ美少女のレヴィが居た。


「おはようございます。お嬢さん。」


 前に認識阻害をかけた状態では名前も知らず、丁寧な口調で話したので、口調を正して後ろから話しかける。

 自分でも恐ろしいほどの違和感に襲われているが、こればっかりは我慢するしかない。


「?、ウチに何か用……あ!この前の!ほんとに来たっす!?」


 すると、不思議そうに振り向いたレヴィだったが、俺を見るなり驚いた様子で叫んだ。

 それはまるで亡霊でも見たかのようだ。


「はい、かの狩人さんからお声掛けして頂きまして……何かご用でしょうか?

 あ、それと隣空いてますか?」


 自身の恥ずかしい通り名のダメージをできる限り軽減することに努めながら彼女に質問する。


「心配しなくても空いてるっすよ!」


「では遠慮なく。」


 朝から元気な彼女の返事を受けて席に座る。


 シュティ、レヴィと適当に話すから頃合いを見て診断してくれ。何か異常が見つかった場合はすぐに報告を頼む。


 《承りました。》


 ありがとう。



「いきなりで悪いっすけど、お兄さん今日までどこにいたんすか?ウチと友達で結構探し回ったのに全然見つからなかったんすよ!」


 すると、レヴィがあからさまに『納得いかない』といった表情を浮かべて抗議してきた。

 その手に持つ杯はクルクルと回っている。


「え?この街にずっと居ましたよ?」


 無論、嘘だ。


 彼女の質問に対して罪悪感の欠片もなく嘘で答える。

 下手に正体がばれると面倒くさい事態になりかねない。これは必要経費なのだ。


「う、うそっすよね……?嘘と言ってくださいっす!あんなに探したのに!?」


 彼女は俺の返答を信じられない、いや、信じたくないらしい。

 その証拠に表情が凍り付いていて、目が少し怖い。


「いえ、事実ですが。」


 嘘である。


 不思議なことに、レヴィに対して嘘をつくことに抵抗が全くない。彼女のふざけた一面を知っているせいなのだろうか?


「お兄さん、あんた何者っすか……」


 レヴィはげんなりと疲れた表情を見せて一言。


「どこにでもいる普通の人族ですが……」


 嘘である!

 実際は言い逃れ出来ないほどの化物!


「ああ、もういいっす!見つけれなかったウチらが悪い!忘れてくださいっす!」


「ではその様に。」


「……ウチの知り合いにその素直さを見習ってほしい人が二人ほどいるっす。」


 多分だけどそのうちの一人が目の前にいるぞ。


 《主様、分析完了しました。

 結果から申しますと、悪影響()何もございません。悪性物質が蓄積するような事もありませんでしたのでご安心を。》


 レヴィの言葉に心の中で返答していると、シュティから報告があった。



 シュティさん相変わらずいい仕事っぷり!!最高に愛してる!



 俺がテンション高めに発言すると


 《あら、誰よりも先に愛の言葉を頂いてしまいました。感動に打ちひしがれております。》


 なんだか不安になる言葉をシュティが言い放った。


「そうですか。それで、わたしに何かご用があったのでは?」


 シュティの発言が怖いのでレヴィへと意識を向け、話を進める。


「そういえばそうでした!前にくれたヤツの出どころを教えて欲しいのと、まだ他に何か食べ物持ってたら譲ってほしいっす!

 もちろん、価値に見合った額のお金は支払いますから!」


 すると、レヴィは思っていたよりも常識的な内容で要求してきた。


「ふむ……ちょっと待ってくださいね。」


「はいっす!」


 レヴィは俺の言葉に対して元気いっぱいに答え、にこにこしながら待機する。


 シュティ、君の意見が欲しい。

 問題ないとはいえ、渡しちゃってもいいものなのか?


 《そうですね……渡すこと自体は特に問題ありません。しかし、生産地などはどの様にして誤魔化すおつもりですか?》


 意見ありがとう。助かった。

 生産地に関しては秘匿とする。俺自身もそういう条件で買っている特別なものだ、ってな。


 《では、他の物は出さないということですか?》


 んー、そこは気分だな。

 例え、別のモノ出しても理由は同じにしておけばいいだろうし、そもそも生産地なんて探しても見つからないから何とかなるだろ。


 《左様ですか。》


 おう。


 シュティと話した結果、渡しても問題ないようなのであげることにした。


 かなり気に入ってくれてるみたいだから、これくらいならいいだろう。俺もコレが好きだから気に入ってくれて嬉しいという個人的な考えもある。


「ええ、構いませんよ。」


「マジっすか!」


 笑顔で承諾の意を示すと、彼女はたちまち希望に満ち溢れた表情で食いついた。


「無論、条件はありますが。」


「資金なら割と持ってるつもりっす!」


 彼女は俺の水を差す一言にも(おく)さず答える。


「あぁ、いえ、お金ではなく生産地や仕入れ先は明かせないという事でして……それに同意していただけるなら飴は無償で差し上げます。

 わたし自身もそういった条件を踏まえて持っているので。」


 そう言って俺はこの前よりもさらに多くの飴が入った袋を差し出す。

 あと、嘘も言ってない。言い方を変えただけだ。


「え、そんなんでいいんすか!?出処を知れないのはちょっと残念っすけど貰えるだけで十分な収穫っす!

 ……というか、本当にタダで貰ってもいいんすか?」


「はい、構いませんよ。」


 彼女は袋を受け取りながら、いぶかしげにこちらを見つめて聞いてくるので表情を崩しながら答えた。


 俺も目的は果たしている。

 これ以上こちらに踏み込ませない事が出来て、彼女は欲しいものが手に入る。

 これぞ、WinWinの関係ってやつだ。


「むぅ……はっ!!もしかしなくても、ウチが可愛すぎて献上したくなったんすね!?」


 んなわけあるか阿呆(あほう)


 しばらく納得しがたい表情を浮かべて袋を見つめていたレヴィだが、急に顔を上げたかと思うとすっとんきょうな事を口走った。


「解釈は貴女にお任せしますよ。」


 しかし、普段の調子で答えると身元が判明しかねないのであやふやに答える。


「否定されない!?ま、まさか、本当にウチのことを狙ってっ……!?」


 レヴィは己の身を抱いて勝手に警戒色をにじませる。


「それでは、わたしはこれで。」


 これ以上レヴィと会話を続けるとボロが出そうなので、そさくさと立ち上がる。


「あっ!冗談っす!!冗談ですから!もうちょっと待ってくださいっす!」


「…なんですか?」


「名前を教えてくださいっす!あと次会う約束!今度は別の食べ物もお願いしたいっす!」


 引き止められたので少しだけ話を聞く事にすると、また食べ物の話である。


 ……こいつ、マジで食い物の話しかしねぇな。

 色気もへったくれもねぇ……あ、そんな事より偽名とか考えてなかったな。やらかした。


「………」


「あ、ウチはレヴィっす!」


 うん、知ってる。


 偽名に関して失念していた事に頭を抱えていると、彼女は何を思ったのか急に名乗った。


 《単純に礼儀でしょう。自身が名乗ってから相手の名を聞く、それだけの話です。》


 あぁ、なるほどね。


 《それと、偽名ならば【ライ】はいかがでしょうか。》


 うん、そうする。ありがとう。


 シュティのありがたい助言のお陰で疑問は晴れ、偽名も決まった。


「レヴィさん、ですね。わたしはライと申します。」


 晴れやかな表情で偽名を口にすると


「ライさんっすね!よろしくっす!」


 レヴィも澄み渡った笑顔で応じる。


 少しだけ……ほんの少しだけ心が痛いぞ。


「えぇ、よろしくお願いします。」


「それで、次はいつここに来れそうっすか?」


「うーん……非常に申し訳ないのですが、また来る予定は当面ないです。」


「そんなっ!?」


 わくわくした様子で聞いてきたレヴィに残念なお知らせをすると、ガーン!と効果音が空耳しそうな程の驚きを見せる。


「申し訳ない。」


 レヴィには悪いが、これ以降はこの姿で会う事はないだろう。最悪の場合は『人伝に』と本来の姿の時に渡せばいい。


「んー、じゃあ、これ渡しておくっす!」


 今後の対策を考えていると、レヴィからとある物体を渡される。


 おい、つかこれどこから出した?その真っ黒なドレスにポケットなんぞ見当たらんぞ。


 《ヒント、アン&レヴィ商会。》


 うん、答えをありがとう。リーシアと同じパターンだコレ。



「これは?」


 レヴィから手渡された物体を手に取りながら質問を投げかける。


「それはウチ専用通信魔具の子機っす!これならいつでも連絡取れます!

 もちろん、ライさんが魔力を込めればウチにつなげる事も出来るっすよ。ただ、ウチにしか繋がらないっすけど。」


「へ、へぇ……」


 こいつ……食べ物の為だけに直通電話を手渡してきやがった。ものすごい執念を感じる。


「ライさん良かったっすね!こんな美少女といつでも連絡を取れるようになったんですから!!」


 自信満々に言うレヴィに


「えぇ、どうやらわたしは人生の幸運を使い果たしてしまったようです。」


 ツッコミたい衝動を抑えて受け流す。


「え?あれ………?認めちゃうんすか……?そこはもっとこう……ほら?……なんかあるっすよね!?」


 レヴィの言葉を受け流すと、彼女にとっては予想外だったらしく、理不尽を押し付けてきた。

 その表情は驚きから羞恥へと変わっていくのが目に見てとれる。


 ……ほほぅ?いい事知った。

 確かにボケを受け流されると恥ずかしいもんなぁ?


 《主様の悪いクセですよ。》


 性分なもんでね。


 心の中でほくそ笑む俺にシュティが注意するが、どこ吹く風と聞く耳を持たない。


「いえいえ、類い稀に見る可憐な少女たるレヴィさんにいつでも連絡を取れるとなればこれ以上の事はありませんよ。

 でも、変に勘違いしてしまうのでこれ以上はやめて下さいね?」


「へぁ……!?……あ、え?」


 俺からのささやかな反撃を受け、レヴィは変な声をあげて停止する。


 自分からやっといて反撃されたら停止するとかなにこれ面白い。


「それではご機嫌よう。」


 彼女の動きが止まっているうちに場を後にする事に決めた。


「あ、それとこれはサービスです。」


 彼女の愉快な言動を愉しませてもらったお礼に唐揚げの入った袋を目の前の机に置いておく。


 なんで唐揚げなのかって?基本的にハズレがないってだけ。

 誰が食べても美味しい食べ物の一つだしな。



 さて。そろそろ朝食の時間のはずだ。急ごう。

 シュティ、建物の陰に入るから転移を頼む。


 《承りました。転移と同時に認識阻害も解除致します。》


 ありがとう。


 

 そうして、俺はギルドを出て帰路についた。





「お兄様!お帰りなさいませ!」


「だからなんでわかるの!?」


「お兄様の事ですから!」


「説明になってない……」


 ただ、またしてもピンポイントで俺を待ち構えていたリーシアに驚かされる事になるのだった。





作者「ま!だからといって私は『次回は明日の自分が書く!』というスタンスを崩しませんが!

その日の気分で書いてますからね!」


隊長「カーナビの案内が『西に50km、次に北西に100km、そこが目的地周辺です。』と雑すぎるのと変わらないがな。」


作者「書き溜めどころかプロットすら殆どないからね!

というか、プロットって何?」


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