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行ってきます

祝・総合PV1000越え

ありがとうございます。まさか、私が書いた様な作品に時間を割いて頂けているとは思いませんでした。

本当に、有難う御座います。

今後とも何卒、「生」暖かい目で見守って下さると、幸いに御座います。


かなり短いです。ご了承ください|ω・`)

 




 2人して席に着き紅茶を嗜む。デジャブを感じる光景に、先程とは違う部分が1つあった。


 ローナの座る位置である。


 先程とはうってかわり、俺の反対側ではなく、俺の隣に席を移している。

 彼女曰く、『こっちの方が落ち着くから。』だそうだ。何とも懐かれたものである。

 ピッタリと寄り添う様にして、体をこちらに預けてくる彼女に、俺は戸惑いながらも話しかける。


「ローナ?紅茶飲みづらいんだけど・・・・?」


「・・・・猛士はこうされるの嫌?」


「別に嫌って訳じゃ無いんだけどな?」


「そっか、なら良かった・・・」


 間髪入れずに彼女はそう答え、俺の右腕に自身の腕を絡ませてくる。それにしても、なんともずるい聞き方だろうか。そして、いつの間にやら下の名前で呼ばれる様にもなっていた。


 当たってる・・・・何がとは言わんが当たってる!

 いや、落ち着け俺!ローナは考えが読めるんだ。私は、紳士だ。無心になれ・・・・・って、いかん!目を閉じたら余計に感触が!


 悶々とする、気持ちを抑える為に目と閉じるが、余計に感触を感じる様になり慌てて目を開ける。ちらり、と彼女の方を見ると、恍惚とした表情で彼女は惚けていた。


(た、助かった・・・こっちには、気付いてないみたいだ・・・・・)


「?」


 こちらの視線に気付いた彼女は、ニコッと無邪気な笑顔を咲かせる。


「グハッッ・・・・・!!」


「ど、どうしたの!?」


(あぁ、駄目だ・・・・今のは破壊力が高すぎる・・・・・)


 なぁ?同士よ?

 絶世の美女が腕を絡ませて無邪気な笑顔を見せてくれるんだぜ?最高じゃないか?・・・・誰に言ってるんだ俺は。


「え、そ、そんな美女だなんて・・・」


 今度は、俺の考えを読んだらしく頰を朱に染めて照れている。あぁ、もう死んでもいい!


 って、もう死んでるわ俺。


 そんなくだらない事を考えつつ俺は彼女に切り出す。


「なぁ、ローナ?俺はいつ頃に向うの世界に渡ればいいんだ?あと、これって転移と転生どっちになるんだ?」


「別に今すぐにでもいけるよ?あと、この場合地球の方では既に肉体から魂が離れてて、向うの世界で受肉する事になるから、転生になるよ。」


「向うの世界で受肉?」


「うん、猛士の身体を向こうで新しく造るの。あ、変な事はしないよ?向こうに着いたら既に受肉した状態だから。気がついたら向こうに居るとおもうよ。」


 へぇ、そんな事が出来るのか、やっぱ凄いなローナは。


「えへへ・・・何と言っても神様、それも創造神ですから。」


 そう言って誇らしそうにする彼女は、とても美しく可憐な笑顔を咲かせるのだった。

 自分が創造神である事を明かした時の様な何者も寄せ付けぬ様な威厳ある雰囲気は無く。



 自分に対して自信を持ち


 見る者全てを惹きつける様な


 そんな笑顔だった。



 –––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––




 それから、少しの時間が過ぎ、俺は異世界に転生する事にした。


「もう、行っちゃうの?」


 今にも泣き出しそうな程、悲壮感溢れる表情で彼女は聞いてくる。


「そんな顔すんなって別に二度と会えない訳じゃないんだから。な?」


 彼女はここを離れるなら、やらなければいけない事があるらしく、その用事が済めば俺の所に来るらしい。

 まぁ、こんな泣き虫でも彼女は創造神だ。突然居なくなったりなど出来ないのだろう。


「・・・・うん、わかった。」


 そう言って彼女は一度俯き、自分の中で折り合いをつけたのか、すぐに顔をあげて


「行ってらっしゃい!」


 とびきりの笑顔でそう言った。

 俺はそれに頷くと


「行ってきます。」


 そう一言だけ答えた。


 そして、真面目(創造伸)モードになったローナが呪文を唱える。

 すると、俺の足元に魔法陣が現れた。

 大小の様々な円が組み合わさり、その円の内側に沿う様にして、文字の様なものが描かれている。

 それらは、俺の足元から更に広がりこの空間を埋め尽くす。




 呪文を唱え佇む絶世の美女たる女神(ローナ)



 この空間を埋め尽くす幾何学的な魔法陣



 たった2つのソレは、この真っ白な空間に幻想的な美しさを醸し出す。


 そして、彼女は紡ぐ。


 俺に宛てた祝詞(のりと)を。


 世界(彼女)からの祝福を。



『汝、我が認めし者よ。


 我、汝を祝福せり。



 汝、進み往くその先に幸有れ。


 汝、常に我と共に在り。


 汝、()を決して忘れる事勿(ことなか)れ。



 故に、我は望み。


 故に、我は此処に認む。


 我が名【ローナ】と共に在る事を 。』


 彼女らしい内容に俺は苦笑する。

 私情がダダ漏れになっていて、祝福は最初だけで、後は願望と要求じゃないか。それでも様になっている辺り、なんとも憎い事をしてくれる。


 苦笑している俺に祝詞を終えた彼女は駆け寄り


 俺の右頰にキスをした。


 驚く俺に、彼女は悪戯が成功した子どもの様な笑顔で


「行ってらっしゃい。私の––––––」


 最後まで聞き取る前に転生の光に包まれ、聞く事は叶わなかった。


 しかし、俺は彼女が何を言いたかったのかは何となく察しがついていた。


 だから、俺はもう一度だけ彼女に答える様に心の中で



『行ってきます。』



 とだけ言い残して、『残りは彼女が俺の前に再び現れた時に伝えよう。』



 そう思いながら俺は光の中で意識を手放した。








作者「嬉しくて書いちゃったZE☆」


隊長「後書きで台無しだな。」


作者「うるせぇ!キノコ食って腹壊す奴に言われたくねぇ!」


隊長「なんだと!?キノコは美味いんだぞ!見ろ!この赤と黄色と紫のまだら模様を!」


作者「ぜってぇソレ、ヤバいやつだろ!今すぐ捨ててこい!」




コメントにて御指摘頂きました読点に関する修正を行いました。(2017/12/8 23:35)


一部修正を行いました。

(2017/12/28 9:57)


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