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出来事


お久しぶりです。生きてます。


思ったより長くなりそうなので分割しました。


明日から春休みに入ります。カーニバルです。


 


 ー修練場ー



 多くの兵士たちが固唾を飲んで見守る中、二人の男が木製の剣を手に、向かい合っていた。


「・・・」


「・・・」


 静かににらみ合いを続ける二人とは対照的に、兵士たちの間から次第に話し声が聞こえ始め、やがてそれは声援となる。


「おい、坊主と戦うのは領主様だってよ。」「まじかよ、これは見逃せねぇな。」「領主様ー!頑張って下さい!」「坊主ー!おまえも頑張れよー!」「おい!なに敵を応援してんだ!」「いいじゃねぇかよ、別に。だって領主様が相手だぜ?」「ま、まぁ、そうだけどよ。」


 しかし、その兵士たちの中でも一部・・・つまりは探索隊に居た者たちはどのような結果となりうるのか緊張した面持ちでいた。


「副団長殿、どうなるのでしょうか。」


「わからないわ。でも、領主様ならいい勝負くらいにはやってくれるんじゃないかしら。」


「そう、ですよね。」


「ええ、信じなさい。この国の英雄を。」


 兵士たちの声援にキッカケを掴んだのか赤髪の男性はにこやかに笑いながら向かい合う黒髪の青年に声をかける。


「それじゃあ、いくよ?」


「ええ、いつでもどうぞ。」


 黒髪の青年はそれに対して笑みを浮かべながら反応する。


 そして二人の戦いが


「じゃあ、遠慮なくいくね。」


 今、始まった。


 赤髪の男性の姿がブレたかと思うと一瞬にして青年の眼前に出現する。


「まずは小手調べだね。」


 青年の手首へと剣を振り下ろす。


「・・・」


 青年は冷静にそれを受け流しながらバックステップで逃れようとするが、それを男性は許さない。


「受け流しからのバックステップは悪手だね。」


 再び間合いを詰めた男性は余裕の笑みで受け流された剣を下から斬り上げる。


 青年はそれを受け止め、押し返し、勢いのまま斬りかかるが男性の卓越した技量によって見事に流しきられる。


 その後も男性の剣撃は止まらない。


 斬り下ろし、斬り上げる、なぎ払い、突き。


 その精細な剣の嵐にさらされながも青年は思案する余裕があった。


(安請け合いするんじゃなかった・・・)


 いや、後悔していた。


(ちくしょう!どうしてこうなった!)


 虚しい心の叫びと共に。




 –––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––




 事の発端は昨晩の夕食後の雑談を交わしていた時であった。


「お兄様、いかがでしたでしょうか?我が家の食事は。」


「うまかった。」


「それは良かったです。」


 俺の返答に嬉しそうにしているリーシア。そこにルイスさん会話に入ってきた。


「あれ、リーシアはもう仲良くなったのかい?」


「はい、お父様。わたくしとお兄様には共通点がございました。」


 いつも以上に笑みを浮かべる娘を見たルイスもまた微笑ましそうに表情を(ほころ)ばせる。


「思ったより早かったね。」


「なにがですか?」


 なにやら呟いたルイスさんに聞いてみる。


「ん?あぁ、君のことをお兄様と呼ぶとアレクが拗ねそうだなぁ、って。」


「アレク?」


 この子の婚約者とかだろうか?

 貴族は婚約とかも子どものうちに済ませるのが一般的だという認識が俺の中にはあるが。


「リーシアの兄にあたる子さ。僕の家族は五人なんだけど妻と息子二人はいま王都の方へ行っててね。ちなみに子はアレクが一番年上で15歳、リーシアが真ん中で13歳、ルークが一番下の10歳だよ。」


「そうなんですか。」


 違った。普通に兄妹の方だった。

 長男がアレクで次男がルークね。念のために覚えておこう。


 そう言われてみれば確かにこの家ではルイスさんとリーシア、あとはセル爺さんのような使用人の人たちしか見ていない。


「うん、出来ることなら君に会わせたかったんだけどね。ちょうどリアが帰省中なんだ。」


「リア?」


「アリシア、僕の妻の名前さ。」


「ああ、なるほど。」


 納得だ。正直なところ食事の時はシングルファザーなのかと思っていた。

 もし、そうだとしたら少しだけ親近感が湧いたのだが・・・


「お兄様、お母様はとっても綺麗な方なんですよ。」


 誇らしそうにそういう彼女もまた可愛らしい。


「そうだろうな。」


「?、どうしてわかるんですか?」


 不思議そうに首を傾げて聞き返してくるリーシア。


「ん?いやだってリーシア可愛いし、ルイスさんイケメンだし。親子でこれだけ美形なら母親もそうなんだろうな、って思ったから。」


 あと貴族ってだけでなんかアレだよね。美形が多いようなイメージだ。俺が勝手に美化してるだけなんだろうけどな。


「へっ・・・?」


「よかったね、リーシア。」


 俺の発言に顔を赤くするリーシアとそれを嬉しそうに眺めるルイスさん。


「?、どうかしたか?」


「ッッ〜〜〜〜!!」


「まさかタケシ君は何も考えずに言ったのかい?」


 ルイスさんが少し驚いた表情で聞いてきた。


「ええ、まぁ。思ったことを正直に言いましたが。」


「あははっ、これは手強いかもしれないね。欲が無くて素直でそれに優しくて強いとは。」


 すると、なぜか褒められた。


「褒めても何も出ませんよ?」


「いやいや、もう充分だよ。」


 よくわからんが・・・まぁ、いいか。


「あ、そうそう。君に一つ頼みがあるんだ。」


「はい、なんでしょうか?」


「ちょっと僕と戦ってくれないかな?」


「え、嫌ですけど。」


 いきなり何を言い出すんだこの人は?まさかバトルジャンキーじゃないよな?


「ああ、ごめんね。言い方が悪かったかな。僕と模擬戦をしてくれないかい?」


 それでも充分に嫌だ。だって、絶対この人強いじゃん!この前に・・・誰だっけ・・・エクレアじゃなくて・・あ、クレアだ。クレアが強いって言ってたし!


 それに俺は遠距離専門だ。もし戦うとしてもアウトレンジ戦法しか使う気がない。


「嫌です。」


「そこをなんとか頼めないかな?」


 笑顔で断ったのだが、ルイスさんも食い下がろうとしない。


「いや、だってわたしは遠距離専門ですし剣も扱えませんよ?」


「それならなおさらさ。僕と剣の稽古するだけと思ってしてくれないかな?」


 えぇ・・・やだよ。めんどくさい。


 《主様、本音が出ましたね。》


 うるせぇ。


 《申し訳御座いません。》


 黙っているとルイスさんが食い下がった。


「もし君が勝ったら何か一つお願いを聞いてあげるから。」


「・・・なんでも?今、なんでもって言いましたね?」


 それなら一つだけお願いしたい事があった。


「えっ、うん。言ったけど・・・逆に君が負けたら同じ条件を飲んでもらうよ?」


 突然食いついた俺に驚きを隠せないルイスさん。


「ええ、構いません。それより、言質はとりましたよ。」


 だが、すぐにいつものルイスさんに戻って一言。


「うん、貴族に二言はないよ。」


 そこは男に二言はない、だろ。まぁいいや。


 俺が一人ツッコミをしているとルイスさんが爆弾を投下した。


「うん、リーシアが欲しかったら僕を倒してね。」


「はい?」


「お父様!?」


 待て、どうしてそうなる?

 俺は別にロリコンじゃねぇよ!てか、あんたなんでそんな簡単に娘を引き合いに出してんだ!


「いや、別に人を賭けるとかじゃないですよ?」


「え?違うのかい?」


「いや、ダメですよそんな事。個人の意見を無視して、ましてや自分の娘を勝手に賭けの対象にするなんて親としてどうなんですか。」


 逆に言えば俺に勝つ自信の表れとも取れるが、万が一を想定しなければならない領主という地位にいる人間がそんな楽観的なはずがない。というか、そうであって欲しくはない。


「どっちに転がっても良い案だと思ったんだけどなぁ・・・」


 ほんとに何言ってんだこの人。


「お父様?少しお話がございます。よろしいでしょうか?」


 それ見たことか、見事に怒っておいでだ。


「えっと・・・リーシア?どうしてそんなに怒ってるんだい?僕ちょっと怖いんだけど・・・」


「何も言わずにこちらへどうぞ。お兄様?少し席を外しますね?」


 あらやだ笑顔が怖いわこの子。


「どうぞごゆっくり〜」


 触らぬ神に祟りなし、だ。


「ありがとうございます。では、参りましょうかお父様?」


「えっ?ちょっとリーシア!?なにを・・・」


 そうして俺はしばらくの間のんびりと紅茶を楽しんでいた。


「どうしてお父様は–––––!」


「ごめんよ、でも––––––。」


「でも、ではありません!–––––!」


 13歳の実の子どもに叱られる親という珍しい構図に頰を緩ませて。



 そして、翌日の朝。



 ルイスさんと模擬戦を始める数時間前。俺は一人で騎士団が使う修練場とやらに来ていた。ここで模擬戦を行うらしい。


「修練場とだけあってここも広いな。」


 スタジアム形式で周りには壁があり、その上に観覧席が設けられている。


「よぉ!あんたが深淵の狩人か!」


 修練場を観察していると声をかけられた。


「あ、はい。そうですが。」


 声のした方へ向くとそこには茶髪のイケメンが立っていた。・・・元気なイケメンだ。


「ここに居るってことは騎士団に入ったか!」


「違いますけど。」


 とりあえず否定はさせてもらうぞ。あとテンション高くない?


「えっ・・・」


「え?」


「なんだ、そうなのか・・・せっかく強いやつと戦えると思ったのに・・・」


 すると、かなりがっかりした様子でテンションを下げた。


「え。」


 やべぇよ・・・騎士団やべぇよ・・・普通にバトルジャンキーが登場しやがったよ・・・しかも残念なイケメンだよ・・・


「えっと、あなたは?」


「ん?俺か?俺はただの一兵卒だ!」


 一般兵士でこれかよ・・・冗談キツイぜ。わりとうるさいし。


「まぁ入ってなくてもいいや!俺と戦ってくれ!」


 どうしてそうなる。


「嫌ですよ。めんどくさいですし。」


「そこをなんとか!なっ?頼むよ!」


 両手を顔の前で合わせ、拝むような姿勢で言う彼。


「嫌です。」


「頼むって!少しでいいから!」


「だから・・「いいだろ!?いいと言ってくれ!」


 俺が引き気味に断ろうとすると、両肩を掴んでガクガクと揺らしてくる。


「いや、あの、ほんとに、ってやめてくれませんかね?」


「あんたが了承するまで続けるぞ!」


「・・・・・・・」


 こいつマジだ。10秒くらい黙っててもまったく手を止めない。


「はぁ・・・わかりましたよ。」


 仕方なく了承した。


「ほんとかっ!ありがとう!」


「いやっ、ちょっ!」


 待て、話が違うぞ。


 俺が了承するとさらに勢いを増して揺らしてきた。


「離してください。模擬戦やりませんよ?」


「はっ!それはダメだ!」


 模擬戦を話題に出すとすぐに手を離した。


 ちくしょう・・頭がグラグラする・・・決めた、こいつはさっさと潰す。


「それじゃあ早速始めよう!」


「あ、はい。」


 木剣をこちらに投げ渡し、ワクワクした様子で剣を構えるバカメン。


 バカメンとは、バカなイケてるメンズ、という意味だ。語呂からイケメンのニュアンスも兼ねた皮肉を今作った。シンプルにイラッとした。


「よし!こい!」


 どうやら先手は譲ってくれるようだ。それなら遠慮なく・・・先手必勝!


「・・・せいっ!」


「なっ!?」


 化け物の身体能力を活かして懐に飛び込んで思いっきり突きを入れる。


「がっ!?」


 あ、やべ。つい手加減せずにやってしまった。見事に吹っ飛んでいったなぁ・・・


 後方の壁にモロに突っ込んでいった。


 ドガァァァァァンンン!!


 凄まじい激突音が聞こえてくる。

 パラパラと壁の破片がくの字に曲がったバカメンに降りそそぐ。


「や・・・」


 これは・・・生きてるのか?


「やりすぎたぁぁぁぁ!!??」


 ちょっとまって死んでないよね!?死んでないよね!!やめてくれよ!?生きてて!?ねぇ!お願い!生きてて!?


 俺は急いで駆け寄ると


「・・・ぶはっ!あぶねぇー!死ぬかと思った!」


 元気に瓦礫の中から起き上がった。


「よ、よかった・・・死んでなかった・・・」


「いやー!すげぇなお前!俺が全く見切れずにやられちまったぜ!」


 人の心配を他所に背中をバンバン叩きながら賞賛するバカメン。ちょっとうざい。


「もう一回頼む!」


「嫌です。」


 またしても模擬戦を申し込んでくるので断る。なんでそんな元気なの?今けっこうふっ飛んでいったよね?


「もうやったじゃないですか。」


「あんたとなら全力でやっても絶対に楽しいからもう一回だけ!」


 ちょっとどころじゃなかった。かなりうざい。


「嫌ですって!」


「そこをなんとか!な!な!?」


 そんな押し問答を繰り返していると修練場の入り口が勢いよく開いた。


「ちょっと兄さん!今日は修練場を壊さないでって言ったでしょう!領主様が使われるって言ったじゃない!」


 エクレアが来た・・・失礼、クレアが来た。


「妹よ!ちょうどいいところに来た!こいつすげぇ強いぞ!」


「こいつ?・・・えっ?」


 バカメンから視線を横に移動させ、俺を見つけたクレア。やっほー。


「なんでタケシ君がここに・・・まさか、兄さんこの人に挑んだの?」


「おう!一瞬で負けたけどな!」


「っ・・・」


 絶句するクレア。


「ええっと、マズかったですか?」


 何も言わなくなってしまったのでちょっと心配だ。

 すると、すぐに立ち直ったのか笑みを浮かべながら言った。


「いえ、心配なんてないわ。それより兄さんの頭もそろそろだと思っていたけど手遅れだったのね・・・」


「なんだと!?」


「領主様のお客様に無礼を働き、あまつさえ勝負を挑んでおいて何を言うの?」


「そ、それは・・・」


 おお、萎縮している。普通にすごいと思った。

 俺には笑みを浮かべながら答えるが、兄には冷たい視線を送っているしな。


「ところで一つ聞きたいのですが。」


「何かしら?タケシ君。」


 声をかけた途端に、くるっと表情を変えるクレアには軽く驚いた。


「そちらの方は?」


「名乗りもせずに戦ったの・・・?」


 もはや呆れた様子のクレアにバカメンは朗らかに言う。


「すまん!忘れてた!」


「このバカ兄!何してるの!まったく・・・タケシ君、ごめんなさいね。」


 肩を落とし、謝る彼女。


「いえ、お気になさらず。」


「そう、ありがとう。とにかく紹介するわ、このバカは私の実兄のリチャードよ。」


「おう!リチャード・エルメスだ!よろしくな!」


 わぁーお。何となく察していたけど実の兄じゃないかー。貴族か・・・違うベクトルでめんどくせぇ。


「ちなみにリンドブルム騎士団の団長もやっているわ。ほとんどわたしが代行で書類とかは処理してるけどね。」


 へぇ・・・は!?マジで!?


「ええっと、その脳筋のお兄さんが団長さんですか?」


「ええ、残念なことにね。」


 視線をリチャードに向けるとのんきに鼻歌を歌っている。


「苦労してるんですね。」


「・・ええ、それはもう。」


「心中お察します。」


「ありがとう。その一言が()みるわ。」


 非常に疲れた表情で言う彼女。少しだけかわいそうだと思った。


 それからは音を聞きつけたセル爺さんが来てリチャードが顔を青くしていた。



 –––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––



 ーそして現在ー



 ガッ!ガッ!ズガガッ!!


 木剣のぶつかり合う音と共に剣舞のように戦いを繰り広げる両者。


「どうしたのかな?君の実力はそんなものじゃないだろう?」


「ええ、そうかもしれません・・ねっ!」


 ルイスの繰り出す突きを剣で受け流し、弾く青年。


「おっと。」


「難しい!」


 しかし、慣れない剣の扱い。身体能力任せの大振りな一撃は簡単に避けられてしまう。


「あははっ!ずいぶんと余裕だね?」


「あなたがそれを言いますか!?」


 軽口を叩き合いながら凄まじい速度で剣を打ちつけ合う二人に観戦している者たちは、ただ呆然としていた。


「うそ・・・だろ?あの領主様と互角?」


「いえ、技量では領主様が圧倒的に上ね。それ以上にタケシ君の身体能力が異常だわ。」


 顔を青くして見ている兵士にクレアは別の意味で戦慄していた。


「それは一体どういう事でしょうか?・・・我々では姿をとらえるのが精一杯なのですが。」


「彼、今までに剣を握ったことがないみたいね。」


「なっ!?」


 その言葉で周りにいる兵たちもクレアの言葉の意味に気がつく。


 そして、それからは固唾を飲んで勝負の行く末を見守るのだった。


 ガッ!ガンッ!ヒュン!ズザッ!


 黒髪の青年は困っていた。


(くそ、力加減がわからん・・・)


 カンッ!ガッ!


(あのバカメンと先に戦っておいて正解だったな。下手にルイスさんに怪我を負わせて面倒な事になるのだけは避けたい。・・・この人なら許してくれそうだけど。)


 慣れない剣の扱いや想像以上に自身の身体能力が向上していたこと、それらに振り回されて思うように体を動かせずにいた。


「守ってばかりだね?それじゃあ僕には勝てないよ?」


「ええ、わかってますよ。」


 青年は冷や汗をかきながら笑みを浮かべる。


「まぁ、僕が攻めあぐねているのも事実なんだけどね。」


 事実、ルイスもまた相対する青年に内心驚きを隠せない。


(一応は僕もそれなりに剣を握ってたから素人にここまで苦戦するのは自信無くすなぁ・・・)


「それは・・嬉しいです、ねっ!」


 なんとか攻撃のチャンスを見出してもあっさりと避けられてしまう。


「ちょっと本気でいくよ。」


 距離をとったルイスは笑顔で青年に言った。


(マジか。貴族ってこんな強いの?正直言ってナメてたわ。)


 青年は後悔しながら笑顔で応える。


「まさか本気で相手していただけるとは驚きです。」


「それは皮肉かな?」


 剣を構えながらルイスが言った。


「まさか。」


 青年は肩を竦めて言う。


「じゃあ、君も本気を出してくれないかな?」


「あはは。」


 誤魔化されたことを理解したルイスは言った。


「それなら僕は全力で行くから頑張って防いでね?」


「わかり・・・ッッ!?」


 了承の意を伝える前にルイスの雰囲気が変わる。


「・・・」


 そこにいつもの笑みはなく。

 鋭い眼光、纏う空気、今までの印象がガラリと変わった瞬間であった。


剣聖(スローター)


 ルイスが小さく一言呟く。


 その瞬間、青年は顔色を変えた。




作者「ちなみに最後のやつは皮肉です。」


隊長「言う必要あるのか?」


作者「この物語ではとある部分に着目して頂くと話の先というか色んな部分がネタバレになっちゃうので。」


隊長「そうか。」


作者「勘のいい方や賢い方は多分すぐ重要な部分の展開がわかっちゃうと思います。」


隊長「つまりは何も考えずに見てくれと?」


作者「Exactly.」


隊長「ハッ!バカが一丁前に理解できてない英語を使うとは。」


作者「ひどひ。」


隊長「貴様、古文も苦手だろ。」


作者「・・・」


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― 新着の感想 ―
[一言] やりこんだりはしてなくても剣道ってあるよね。無い世界の話かな。
2019/11/27 19:26 退会済み
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