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疑問

 



「お茶ですか?」


 俺は思わず聞き返してしまった。

 そりゃそうだろう。

 死んで神様に出会ったと思ったら『お茶しましょう。』なんて言われたのだ。


 誰だって驚くだはずだ。


 不躾なそのその問いに彼女は微笑みながら


「はい、お茶です。あ、ちゃんと用意はしてありますよ?」


 そういうやいなや彼女は後ろを指差した。


「ほんとに用意してある・・・」


 少しの呆れと共に疑問を呈する。

 いつの間に準備したんだ?

 いや、神様にだしそれくらいは出来て当然なのか?


「神様ですから。」


 えっへん、と胸を張りながら俺の考えを読んだかの様に彼女はそう答える。


(そういや、この人思考が読めるんだった・・・)


 しかし、今のは揺れたなぁ・・・


 何がとは言わんが。


「それで・・・その、如何でしょうか?」


 くだらない事を考え返答がない俺に、少々不安げに彼女は聞いてくる。


「ああ、すみません。ちょっとびっくりしていただけですので、俺なんかで宜しければお相手しますよ。」


 そう答えた俺に彼女は ほっ、と安心した様子で息を吐く。少しだけ見惚れてしまった。

 ・・・何というか仕草とか所々が妙に人間くさいなこの神様。あんまり神様を相手にしている様な気分じゃない。

 どちらかというと近所に住んでるお金持ちのお姉さんみたいだ。


「ふふ、そんな事を思われたのは初めてですね。」


「あ、すみません。神様相手に不敬でしたね。」


「いえ、いいんですよ?むしろ親近感を持って頂いた方がお話しやすいですから喜ばしい事です。」


 なんとも懐の広い神様なんだろうか。

 神様っていうと人間など歯牙にもかけない様な荘厳で気高く近づき難いイメージだったのだが。


「最初はそうだったんですけどね。それだと、皆さん萎縮してしまって。」


 またもや思考を読んで答える彼女。

 ん?皆さん?


「皆さん?という事は他にもここに俺みたいな人が居るんですか?」


「いえ、今ここにはいませんが、今までもそれなりにこうしてお話して頂いた事があるんですよ。ちなみに、お茶会は一対一ですよ。」


 あ、そうなんだ。

 俺はてっきり何人かまとめて呼んでるのかと思ったが違うのか。


「ここでずっと立ち話するのもなんですから、座って下さいね。」


 そう言いながら彼女は俺に席を勧める。

 確かに出会い頭のハプニングからずっと立ち話をしていた状態だ。


「ありがとうございます。そうさせて頂きます。」


 そう答えながら俺は席に着く。

 それにしても、改めて見ると本当に美しい方だな。


 白い空間だというのにその中でなお、際立ち煌めく純白の髪。

 文字通り宝石を埋め込んだのかと思う程に透き通り輝く黄金色の瞳。

 陶磁器のように美しく、雪のように白い肌。

 まるで完成された人形の様で長くすらっとした足。

 美の女神でさえ嫉妬するのではないかという程に、出るとこは出て締まるところは締まっている抜群のプロポーション。

 それに加え、服装はよく絵画で描かれる様な大きな布を巻いただけのもので、はっきり言って思春期の男子高校生には刺激が強すぎる。


 だって、胸元開いてんだぜ?

 視線がそっちにいかないよう顔を上げると

 絶世の美女がそこで微笑んでいる。


 落ち着けねぇよ!無理ゲーだよ!

 ほんとに何なの?人間に何を求めてるの?

 美しすぎて怖いよ。


 っと お、落ち着け俺。この思考は読まれてんだ・・・・あ、忘れてた・・・・・。

 あんまりにも綺麗だから頭からすっぽ抜けてた。


 や、やべぇ。

 どうしよう 怒ってないよね?

 天罰とか不敬罪適用とかないよね?ね?


「そんな事しませんよ?それに、褒めて頂けましたしね。素直に嬉しかったですよ?」


 ふふふ、と優しく聖母の様に微笑みながら言う彼女に

 俺は一言。


「マジですみませんでした!」


 謝りながらも思考が明後日の方向へトリップしていく。

 なんかもうね。思考読まれてるんだったらいいよね。仕方ないね。男の子だもん。


 あんな事考えちまったのに許してくれるんだぜ?

 しかも、嬉しいかったとか言ってくれたし。

 可愛いし。綺麗だし 。

 貴女が神か。



 そういえば神様だった!



 もう、女神様万歳!最高!流石神様!

 拙者、貴殿を崇め奉り候。


 申し訳なさと恥ずかしさのあまり思考がオーバーヒートしていき、頭に血が上ってくる感覚に俺は唐突に冷静になる。


 まるで冷や水を浴びせられたかの様に


「あ・・・え・・な、なんで?」


「?どうしました?」


 つい言葉に出てしまった。

 出さざるえなかった。


 疑問を口にした彼女を尻目に


 ソレは彼女の疑問わ聞き流してしまう程の衝撃。



 俺は思った。


 どうして?どうして?どうして・・・?


 否、思ってしまった。

 そして、ソレは自然と言葉としてこぼれる。


「どうして・・・・・・?」




「どうして『死んだはず』の


 俺に『体』と『感覚』があるんだ?」




作者「た、隊長・・・!

話が・・・話が上手く進みません!!!」


隊長 ≡┗( ^o^)┛≡┏( ^o^)┓≡┗( ^o^)┛


作者「た、隊長?たいちょーーーーー!!!」



コメントにて御指摘頂いた読点に関する修正を行いました。(2017/12/8 22:13)


一部修正を行いました。

(2017/12/19 12:09)


一部修正を行いました。

(2017/12/28 9:25)

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