表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/159

お箸

来週からテスト・・・

学生の本分を果たすとしましょう(面倒くせぇ)



 




 ー翌日ー


 昨日はスキル改変の後、外に行くのが面倒になったのでラウとゴロゴロしてたら1日が終わった為、今日は朝早くから討伐隊の動向を観察している。


 外に出るのは今日も面倒だったので、家で千里眼を使って観察をしている。


 ちなみに今は朝の6:30だ。既に観察を始めて一時間以上経っている。


 日が昇り始めて明るくなってきた辺りで討伐隊野営地に動きがあった。


 どうやら日が昇る頃に起床し、点呼を取るようだ。

 かなり組織化された動きから派遣されてきた軍か戦闘を専門とする組織である事が予測できる。



 点呼が終わると朝食を摂り、出発準備をするようだ。

 ワイバーンにも朝食をあげている。

 その際の様子からワイバーンと騎士との関係も良好である事がわかる。


 そして、準備が終わったようでワイバーンと騎士が整列し最終点呼をとっているようだ。


「ブリーフィングも兼ねているのか?」


 そんな事を疑問に思いながら観察を続けているとワイバーンの部隊が一斉に飛び立った。


「おぉー・・・かっこいいな。」


 こういうロマン溢れる光景はいつ見ても心が躍る。相手は俺を討伐しようとしてるけどな。


 ワイバーンは四部隊あるようでそのうちの三部隊が飛び立っていった。


 出発時刻は午前8:00だ。



 残りは軽装でワイバーンのブラッシングなどをしているので野営地の警備を担当しているかと思ったのだが、警備はまた別にいるようなのでおそらく休みだと思う。


 一部隊につきワイバーンが十二頭とそれなりにいる辺り、結構なお金を使っているのではなかろうか。


 馬でさえかなりの維持費が掛かるはずなのにドラゴンなどもっとかかるはずだ。

 おのれブルジョワジーめ!



 他の野営地も見てみる。


 野営地は二つあり

 騎士とワイバーンの野営地

 冒険者の野営地


 と別れている。


 おそらく騎士たちがワイバーンを扱う為、わけているのではないだろうかと推測している。


「観察って相手に動きがないと退屈なんだよなー。」


 冒険者の方は各々自由に行動しているようで、見る限りパーティーを組んで行動している。


 こっちは準備が整ったパーティーから森に入ってきているので、あまり統制はされていないようだ。


「しっかし・・・話をつけに行くとすると朝8:00までに向こうに出向く必要があるのか。面倒だな・・・」



 朝の観察結果


 ・起床は日の昇る頃


 ・出発は騎士が8:00

 冒険者はそれぞれの時間に


 ・ワイバーン部隊は三部隊が北・西・南にそれぞれ展開

(野営地は世界樹を中心に東に位置する為)


 ・冒険者は広範囲に疎らに展開し、更にパーティ単位である程度の距離を保って行動している



 冒険者同士はあまり協力しないのかと思ったがそうでもないようだ。


 このまま数日間は様子を見て、ある程度の行動パターンがわかったらちょっと話をしに行こうと思う。


 詰まる所は交渉するのだ。


 俺は無害だと証明さえすれば納得してくれるだろう。


 その為には討伐隊がどれくらいの規模なのか今少し確認しておく必要がある。


「ま、朝の観察はこれくらいにしておくか。朝飯食おう。そろそろラウも来るだろうし。」


 そう思い千里眼を解除した瞬間。


「おはよー!来たよ!おにーさん!」


 噂をすれば、とはこの事か。

 見事なタイミングでこちらに訪問してくるラウ。


「おう、おはよう。ラウ。」


「うん!」


「朝から元気だな。」


「まぁね!」


 ラウは二人掛けのソファに座ると空いている方をぽんぽん、と叩き


「今日の分の回収だよ!」


 元気にそう(のたま)った。


「承知した。」


 俺は意図を汲むと隣に座り、ラウの頭を撫で始める。


「ほれ、これでいいか?」


「あぁ〜これこれ〜・・これがないともう生きていけないよぉ〜」


 気持ち良さそうに目を細めながら巫山戯(ふざけ)るラウ。


「大袈裟だな、ラウ・・・いや、ここはお褒めにあずかり光栄に御座いますってか?」


「うむ、苦しゅうない〜」


 何と威厳のない精霊だろうか。

 世界樹の精霊ってもうちょっと厳粛(げんしゅく)なイメージあったんだけどなぁ。


 まぁ、可愛いからいいか。



 これは日課になっているの土地代の回収だ。


 果たして頭を撫でるだけで本当に良いのかと疑問に思うが、ここは好意に甘えておこう。


 ラウの頭を撫でながら質問する。


「そういえば、朝飯何がいい?」


「うーん・・・何でもいいよ〜?」


「それが一番困るんだが・・・」


 ラウの回答に俺は苦笑しながら応える。


「ふふふ、そうだろうね〜。」


「お前さんワザとやってるな?」


「あ、バレた?」


「バレてるぞこんにゃろう。」


 俺は笑いながらラウの髪をくしゃくしゃと撫でる。


「あーやめてー!髪がくしゃくしゃになるー。」


「もうなってるぞ。」


「むー・・おにーさん酷いよー。」


 俺の手を振り払ってラウは文句を垂れる。


「ふはは、お前さんが悪いのだ。」


 俺はそう言いながら席を立ち朝食を準備する。


 とは言っても魔力で出すだけだが



 本日のメニューは


 白米

 (あじ)の塩焼き

 味噌汁

 白菜の漬物

 玉子の出汁巻


 である。


 素晴らしき日本食だ。


 ラウにも同じ物を提供する。


「ほれ、今日は俺の故郷の朝食だ。」


「おー、それは楽しみだねー。」


 俺がテーブルに朝食を出すとラウがソファからテーブルの方へと移動する


「「頂きます。」」


 二人揃って朝食を食べ始める。


 頂きます、に関してはラウは最初の方こそ戸惑っていたが次第に慣れてきたようで今ではすっかり習慣になった。


 たった数週間で習慣付くとは驚いたものだ。

 しかし、未だ箸は使い慣れていないようで


「んしょ・・と・・・ん・・はむっ・・美味しい・・・」


「それは嬉しいな。故郷の飯が好評なのは。」


 魚を食べるのに少々手こずっている。

 だが、あまりにも苦戦しているため


「ラウ?別にフォークとナイフを使っても良いんだぞ?」


「・・いい。おにーさんと一緒がいいから。」


 そう言って頑なにフォークやナイフを使おうとしない

 女の子って何かと一緒に拘るけどそれは精霊でも同じなんだな。


「そうか、なら頑張れよ。」


「うん・・・。」


 集中しているようなのであまり話しかけない方がいいだろう。


 時間をかけてゆっくりと朝食を食べた俺達は気が付けば1時間ほど経っていた。


「「ご馳走様でした。」」


 最後の挨拶も忘れない。


 俺はラウに改めて聞いてみる。

 少し前にも同じ事を聞いたのだが、前は『フォークがいい』と答えたからだ。


「ラウ、どうする?今後も箸を使う練習するか?」


「うん、頑張ってお箸使える様になるね!」


 元気な答えが返ってきたり


「そうか・・なら、今日は箸を使う練習するか。」


「え?いいの?おにーさんは討伐隊の観察するんじゃなかったの?」


「そんなもん二の次だ。討伐隊とラウどちらが優先順位が高いかと聞かれればラウに決まってる。」


「それでいいの・・?おにーさん・・・」


 ラウは少しばかり呆れている様だが俺は本気で言っている


「いいんだよ、気にすんな。どうせ討伐隊が今すぐここに辿り着く訳じゃないんだからよ。」


「うん・・・ありがとう。」


「おう。」


 そんな訳でラウの箸の練習が決定した。



 まずは最適な箸の長さから測ることにした。


「ラウ?人差し指と親指で直角三角形を作ってくれ。人差し指に対して親指を直角にするんだぞ。」


「え?どうして?」


「まずはその人に合った箸の長さがあってな。それが、人差し指と親指で作った三角形の1.5倍の長さなんだ。」


「そ、そんなのあるんだ。」


「おう。」


 補足しておくと親指と人差し指を直線で結んだ長さの1.5倍だ。


 分かりづらければ、ピタゴラスの定理の弦の部分にあたると思えばいい。



「それでは御手を拝借。」


「うん、えっと・・こう?」


「そうそう、そのまま・・・ラウの手小さいな。」


 改めて見るラウの手はとても小さく感じた。


「おにーさんが大っきいだけだと思うよ。」


「そりゃどうも・・・っと・・こんな感じかな。」


 測った長さの1.5倍の数値を頭に浮かべ、魔力で箸と交換する。


 すると、箸が出現しそれをラウに渡す。


「これでどうだ?」


「うん、前のよりは持ちやすいかな?」


「まぁ、違いなんぞあまりわからんわな。」


 俺は笑いながら皿を二つと大きめの金平糖を出す。


「おにーさん皿をそれを出してどうするの?というより、それは何?」


「ん?ああ、これは金平糖っていってな。砂糖菓子だ。で、これを箸で掴んでもう一つの皿に移し替えすんだ。こんな風にな。」


 そう言って俺は皿に金平糖を入れ、別の皿に移した。


 ちなみに何故、金平糖なのかというと最初は小豆を使おうかと思ったのだが流石に粒が小さ過ぎて難しいだろうと思ったので、代替えとして金平糖なら凹凸が付いていて箸初心者のラウでも掴み易いのではないか、という俺の配慮だ。


「うわぁ・・難しそう。」


「何言ってんだ?これでも初心者用だぞ?」


「えっ・・・・」


 顔を顰めたラウに俺は聞きたくなかったであろう事実を告げる。


「これが出来る様になったら、次は別のモノでやってみようか。」


「うぅ・・おにーさんがなんだか意地悪だよ・・・」


「ふはは、精々頑張るがよい。俺は応援してるぞ?」


 もし、金平糖が出来る様なったら次は大豆だ。

 大豆なら粒が大きいのでツルツルしててもまだ掴み易いだろう。


 それが出来たら最後の難関として小豆を使うつもりだ。


「で、次に正しい箸の持ち方だな。」


「え、正しい持ち方もあるの?」


「もちろん。」


「うー・・でも、頑張る・・・」


 ちょっと決心が揺らぎかけた様だが持ち直したみたいだ。


「偉いぞ。」


 そう言って俺はラウの頭を撫でる。


「むー・・・」


 頰を膨らませてこちらを見てくる。


 俺は妹が出来たみたいでなんだか嬉しい。

 何とも可愛らしい妹だろうか。


「そんな顔してもダメだぞ。」


「うー・・・うん。」


「んじゃ、正しい持ち方はこうだ。」


 とりあえず俺が実践して見せる。


「えっと・・・こう?」


「あー・・そうじゃなくて、下の箸は親指の付け根と薬指の爪から第一関節の間くらいで固定して、上の箸は人差し指と親指で固定して中指を添えるようにするんだ。」


「・・くっ・・んっ・・・・・あっ・・・むー!わかんないよー!」


 言葉ではイマイチ伝わらなかったようだ。


「仕方ない・・ラウ、ジッとしてろ。」


「えっ?おにーさん何を・・ひゃっ!?」


 俺はラウの背後に回り込み、後ろから箸の持ち方を教える事にした。


「お、おにーさん!?」


「何だ、ジッとしてろと言っただろ?」


 ラウが動くので上手く体勢に持ち込めない。


「いや、で、でもっ!だ、だいじょうぶだから!」


「いや、大丈夫じゃなかったからこうしているんだが?」


「そ、そうだけど!」


 ?

 様子がおかしいがとりあえず今は箸の持ち方だ。


「でももだってもない。ほら、ジッとしてろって。」


「わ、わかった・・・」


 ようやく大人しくなったのでラウの手を持って正しい箸の持ち方へと変える。


「ほら、こうするんだ。」


「・・うん・・・・・」


 いつもの元気がないな。


「ラウ、大丈夫か?もし体調悪いなら今日はやめておくが?」


「それはダメ!それに、私は精霊だから体調が悪くなるなんてないよ?」


「そうか?なら、いいんだが・・・あと箸の動かし方はこうな。」


「ありがとう、おにーさん。」


「どういたしまして。」


 そう言って俺はラウから離れた。


「・・・・・・」


 何故かラウが不満げだが気にしない事にした。


「それじゃ、始めようか。」


「うん・・・」


 俺は笑顔でラウに練習を勧め、ラウはそれに大人しく従う。


「う・・・やっぱり難しい・・・・」


 俺は金平糖に四苦八苦するラウを見つめながら。



 あかん、ちょっと楽しい。

 俺って割とこういうの好きかもしれない。


 人(?)がこういう事で苦労してると微笑ましくもあるけど、見てるのも楽しいな。


 しかし、前はフォークの方がいいとすぐに箸からフォークに戻したのに今回は箸を使いたい、とはどういう心境の変化だろうか?

 箸の扱いは結構難しいのでそう簡単には使えるようにはならない筈だが・・・まぁ、今後も続けていく意思を見せたら俺もそれに付き合うか。



 そんな事を考えていた。




 ー数時間後ー


「うぅー!疲れたー!」


 ずっと集中していたラウは突然顔をあげて、腕をぐー、っと伸ばした。


 俺もずっとラウの練習を見てたので少々疲れた。


「ラウ、お疲れさん。」


「うん、やっぱりお箸を使うって難しいね。」


 グッタリとした様子でラウはテーブルに伏せた。


「慣れてないとそうだろうなぁ。」


「おにーさんはお箸をよく自由に使えるね。」


 ラウは箸を見ながら感心した様に言う。


「そりゃあ、ずっと箸で飯食ってたからな。」


「そうなんだ・・・」


「おう。」


 それでもすごいよ、と零すラウに


「俺の故郷に継続は力なりって言葉があってな、地道にやっていけばやがて目標を達成出来るって意味だ。」


「おにーさんの故郷が怖くなってきたよ・・・」


「失礼な事を言うんじゃありません。」


 ラウの頭をぽこっ、と軽く叩いてから


「でも、数時間ずっと集中して出来るのは凄いぞ?」


「・・・そう?」


「ああ、慣れないうちはあんなに集中して箸を使うなんて出来ないからな。ラウは十分に頑張ったぞ。」


「・・・ありがとう。」


「なに、気にするな。事実を言っただけだ。」


「でも、嬉しいな。」


「それは重畳。」


 昔、とある人が言った

『やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、褒めてやらねば人は動かじ。』


 これは、本当に名言だと思う。

 さて、褒めるついでに頑張ったご褒美がいるな。


「ラウ、一旦休憩にしよう。」


「本当!?」


「ああ、頑張ったご褒美だ。」


「やったー!」


 飛び上がって喜ぶラウに俺は頰を緩ませながらコーヒーとショートケーキを出す。


「わぁー!何これ!?」


「これはショートケーキっていってな。美味いぞ?」


「食べていい!?」


「もちろんだ、その為に出したんだからな。」


「ありがとう!おにーさん!」


 笑顔でそう言いケーキを食べるラウ。


「んー!美味しいー!」


「お気に召した様で何より。」


「これもおにーさんの世界の食べ物?」


「まぁな。」


「すごいなぁ・・・こんなに美味しい物があるなんて・・・・」


「他にも色々とあるぞ?」


「ほんとにっ!?」


「ああ、毎日箸の練習を頑張ったら出してやるよ。」


「ありがとう!おにーさん!大好き!」


「お、おう。」


 笑顔でケーキを頬張るラウに俺は内心ドキッとさせられる。


 女の子から純粋な大好きなど始めて言われた。

 あくまで友人としての好意だとわかってはいるが、それでも中々の威力を誇っている。


 俺は少々気恥ずかしく思いながらケーキを一口食べる。


 そのケーキは今まで食べた中で最も甘い気がした。




 その後、昼食を摂り(当然昼食も箸を使用)

 午後もラウは箸の練習をしていたので俺はずっとそれを見ていたのだが、一つ気になることがあった。


「そういえば今日サティとフェル来てないな・・・」


「・・そういえばそうだね。」


 ラウは箸の練習の手を止め俺に同意する。


「何かあったのか?」


 毎日必ず午前中には来ていたあの二頭が今日は来なかったのが少し気掛かりだ。


「まぁ、そんな日もあるか。」


「野生の動物だしねー。」


「そうだな。」


 まぁ、明日になれば来るだろう。それでもし来なかったらちょっと探してみるか。



 そう思い、気にしない事にした。






 しかし、翌日になってもあの二頭が姿を現わす事はなかった。





作者「こっち来んな!」


↑《《《《期末テスト》》》》↑



作者「や、やめろ!話が書けないじゃないか!」

↑《《《《期末テスト》》》》↑



作者「ぐっ!まけんぞ・・《《《《期末テスト》》》》」


スッ~ ~《《《テスト課題》》》》



作者「《《《《期末テスト》》》》絶☆望《《《テスト課題》》》」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] どこの国にも所属してなきゃかまわないけど、何処かの領地なら勝手に暮らしてるわけだし何かしないと犯罪者よな。
2019/11/27 18:02 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ