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初めまして

 



「ここは何処だ?」


 目を覚ました俺は起き上がる。どうやらここに寝転がっていた様だ。

 ふと、周りを見渡すと


「な、なんだ?これ・・・」


 つい先程までは通学路にいたはずだった。

 なのになぜ?


「?・・・あぁ、そうか。死んだのか俺。」


 真っ白で果ての見えぬただ平坦な空間。

 現実ではありえない景観にただ漠然とそう思った。


 なぜそう思ったのか。


 それは通学路にて帰路についていた時に交通事故に巻き込まれたからだ。

 そして、それをはっきりと覚えている。


「やだ、俺の運悪過ぎ?」


 とまぁ、ふざける事も出来るほど余裕があり、なにより実感がなかった。

 実感があったところで何かが変わる訳でもないと思うが・・・。どうしてこんなにも落ち着いていられるのか、それは自分にもわからない。

 ただまぁ、生きるという事に関してドライな部分があった事は否定できない。



 人はどこかで必ず死ぬ

 天寿を全うする

 病魔に負ける

 事故を起こす・巻き込まれる など



 死へと追い込まれる程の状況など例を挙げれば数え切れぬほどにあるだろう。

 そして、数千数万と全国で起きている交通事故。その1つの犠牲になった。

 ただそれだけに過ぎず 、不可抗力だろう。


 変わっていると言われれば確かにそうなのかもしれない。


「問題はこれからどうするかだな。」


 そう呟きながら立ち上がり、正面を向くと


「・・・・」


 女性が立っていた。

 身長は170cmほどだろうか?見た目は20代半ばほどだ。

 天使の羽を思わせるような純白の髪に、透き通る様な黄金の瞳をしていて肌は雪のように真っ白だ。

 神秘的な雰囲気の女性だ。


 ていうか、服装がエロティックである。


 いつの間に?ちょっとエロくね?(高校生だからね仕方ないね。)

 などと疑問に思いつつも、生粋の日本人である俺はとりあえず


「「初めまして・・・え?」」


 ハモった。

 それはもう見事に何処かのステレオボイスな双子の如く 。


 向こうも少し驚いた様に硬直している。

 そりゃそうだろう。

 初めて会った人間と一字一句違える事なくハモったのだ。

 正常な反応だろう。


 ・・・気を取直し相手に譲る。


「えっと、お先にどうぞ?」


 どんな時でもレディファーストを忘れてはいけない。

 漢たる者常に紳士たれ。


「あ、はい。ありがとうございます。 では、改めまして。」


 彼女はそう言って一呼吸置いてから


「初めまして。(わたくし)は女神をしている者です。

 この度の御不幸 誠にお悔やみ申し上げます。」


 そう言って彼女は此方に向かって頭を下げた。

 わたくしって一人称初めて聞いたよ。

 本当に使う人(?)いるんだね・・・というよりも神様って実在したんだ。


 などと、考えながら


「ご丁寧にありがとうございます。初めまして。

 私は 清水猛士(しみずたけし)と申します。」

 


 俺はそう返礼し『やっぱ死んじゃったのか。』と心の中でごちる。


「はい、本当に残念ですが・・・。」


 あれ?声に出ちゃってた?


「いえ、出てませんよ?」


 あ、そうなんだ


「はい。」


 ・・・もしかしなくてもこれ、心読まれてる?


「はい。」


 ・・・さいですか。


「あら?随分と冷静なのですね?」


「そりゃあ死んじゃってますし、神様が目の前にいらっしゃるんですからね。 いまさら心読まれた程度で驚きませんよ。」


「そうですか、若いのに立派な方ですねぇ。」


 ふふふ、と目を細める様にして優しく微笑みながら彼女はそう答える。


「それはそうと、どうして俺はここに?」


 何となく照れ臭かったので質問を投げかけてみる。

 すると、彼女は思い出したかの様に


「あ、そうでした。 貴方をここに呼んだのは一緒にお茶をする為ですよ。」


 言葉の最後に音符がつきそうなくらい機嫌良さげに彼女はそう答えた。


ちなみに、女神が考えが読めるのに最初にハモった理由は

主人公が考えるよりも先に挨拶をしようとしたからです。

習慣って凄いね(´・ω・`)


コメントにて御指摘頂きました読点を修正致しました。(2017/12/8 22:00)


一部修正を行いました。

(2017/12/19 12:00)


一部修正を行いました。

(2017/12/28 9:26)

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